【東芝はどこへ】(15) 事業の成長性通信簿④…リテール&プリンティング

POS(※販売時点情報管理)レジ市場において、『東芝テック』のシェアは群を抜いている。日本でのシェアは約5割。海外でも2012年に『IBM』の事業を譲り受け、世界トップに躍り出た。POSレジは日々進化を遂げている。足元で力を入れているのが、無人決済店舗(※右画像)だ。高輪ゲートウェイ駅等13ヵ所に導入されており、全国展開も開始した。カメラによって客を捕捉し、端末で決済するとゲートが開き、外に出られる。人手不足に悩む流通・小売業界の需要は小さくないだろう。データを活用したビジネスにも注力している。POSで蓄積したデータを分析し、小売企業等に提供する。島田太郎社長一推しの“スマートレシート”も組み合わせ、企業と個人双方のデータを活用しようと目論んでいるわけだ。一方、問題を抱えているのが複合機のビジネス。東芝テックはオフィス需要に特化しているが、ペーパーレス化や在宅勤務の増加で苦戦している。抑も車谷暢昭社長時代には、撤退候補とされていた事業。2022年3月期は黒字に転換したものの、この事業の行く末がリテール&プリンティング事業の将来を左右すると言えそうだ。 (取材・文/本誌 藤原宏成)

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