【電池バブルがキタ━(゚∀゚)━!!】(11) 航続距離の競争…電池を使うノウハウがカギ

20170501 07
世界の電気自動車(EV)市場で、航続距離(※1回の充電で走行できる距離)競争が激化している。昨年8月、EVとして初めて航続距離500㎞を超える『モデルS』を発表したアメリカのEVメーカー『テスラモーターズ』に対し、自動車メーカー各社の対抗姿勢が鮮明になっている。『ダイムラー』は翌9月29日、パリで開催された『パリ国際自動車ショー』で、航続距離500㎞の『メルセデスベンツ』のEVブランド『EQ』を発表。EV専用の車体を新開発し、2025年までに10種類のEVを発売する計画を打ち出している。『フォルクスワーゲン(VW)』も同日、EV専用に開発した車体『MEB』を採用したコンセプトカー『I.D.』(右画像)を発表した。このI.D.をベースに、航続距離最大600㎞のEVを2020年に発売する。『BMW』は2013年、EVとプラグインハイブリッド車(PHV)のブランド『i』を立ち上げている。同年に発売した『i3』の航続距離は最大190㎞だったが、昨年改良されたi3では300㎞へと延伸された。テスラの次にEVの販売実績を持つ『日産自動車』も、『リーフ』の航続距離を228㎞から280㎞へと延伸させている。テスラが今年7月に新たに発売するEV『モデル3』の航続距離は345㎞だ。モデルSが1000万円台と高価格だったのに比べて、車体が小さくなったモデル3は400万円台と大幅に価格を下げている。高級車から大衆車へとシフトする世界のEV市場は、テスラのEVの航続距離を1つの指標に、今後10~20年は航続距離400~500㎞前後の間での品質勝負となっていくことが予想される。

航続距離延伸のカギは、EVに使われるリチウムイオン電池の技術進化だと言われるが、実際は違う。「様々な研究開発プロジェクトが、既存の電池性能を飛躍的に向上させた」というニュースを頻繁に目にするが、これらは実用性の域に達していない。地道な研究の積み重ねで進化してきた電池の技術革新が、そう簡単に起こるとは考え難く、現段階で電池メーカー各社の電池技術・性能に大きな差は無いだろう。では、何が航続距離延伸のカギとなるのか? 例えば日産は、電池のパッケージ技術を見直し、単電池(セル)の電池容量を高めることで、リーフの航続距離を伸ばすことに成功した。EVの電池は、複数のセルからなるモジュールの集合体から、1つの電池パックが構成される。従来は1つのモジュールに4つのセルを組み込み、48個のモジュールで1パックとしていたが、これを1モジュール当たり8セル組み込んで、合計24モジュールを1パックとする構成に変更した。総セル数は同じだが、モジュール数を半分に減らし、スペース効率を向上させることで、冷却効率を高めながら、セルの電池容量も増やすことができたとみられる。また、VWが本国で2012年に発売したEV『e-Up!』では、電池の電圧と充放電の流れを1つひとつ監視して、細かく制御する半導体を搭載した。電圧を均等にしたり、電圧が異常に高くなるのを防ぎ、電池の性能を効率良く、最大限引き出した。このように自動車メーカーは、「狭い空間にセルを詰め込んでも、如何に放熱し、電池性能を安定して引き出すか?」という“電池を車に積む”ノウハウや、「自社の車の設計や制御機能にどんな工夫が必要で、そこにどんな電池を積むか?」といった目利きが大切になる。その点では電池メーカーも、「既存の電池性能で如何に要件を満たし、安全でコストを抑えながら量産化できるか?」といった知見が求められている。最終的には、こうした積み重ねが航続距離延伸の決め手になると考えられる。 (自動車ジャーナリスト 川端由美)


キャプチャ  2017年2月14日号掲載
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