【憲法施行から70年】(02) 民進、改憲論が対立の火種に

20170501 10
先月13日、民進党が国会内で開いた執行役員会。「『憲法の議論は前向きにやるべきだ』と言ってきた筈だ」。細野豪志前代表代行(右画像)は前日の党大会で、蓮舫代表が教育無償化について「最大の課題は財源。憲法改正が必要だとの主張は、これを誤魔化すかのようだ」と発言したことに噛み付いた。「これまでの党方針と何も変わったことは言っていない」。蓮舫代表は素っ気無かった。この1ヵ月後の今月13日、細野氏は「今の民進党執行部は憲法改正に消極的だ」と代表代行の辞表を提出し、執行部を去った。“細野ショック”は蓮舫代表に打撃となった。細野氏は、党内の憲法論議の活性化を狙って、同10日に乳幼児から高校までの教育無償化を柱とする憲法改正私案を公表した。党内から「民進党はバラバラだと言われる」と批判が出たことも、代表代行辞任の引き金になった。蓮舫代表は“提案型の野党”を掲げ、憲法改正については「議論には応じる」との姿勢だ。ただ、自身は昨年9月の代表選で、細野氏らのグループの支援を受ける一方、憲法改正に慎重な前衆議院副議長の赤松広隆議員(※旧社会党系)らのグループの支持も受けており、憲法で明確な方向性を打ち出し難いのが実情だ。「党憲法調査会の議論の範囲内で纏めてほしい」。蓮舫代表は、2月に細野氏が私案を纏める意向を表明すると、細野氏にこう要請した。

憲法改正を巡る足並みの乱れが表面化することを避ける思惑があったが、細野氏の役職辞任という執行部内の溝を浮き彫りにする結果に終わった。民進党が衆院選に向けて日本共産党との選挙協力を進めていることも、憲法論議を縛っている。“立憲主義と平和主義を脅かす憲法改悪の阻止”。民進・共産・自由・社民の4野党は今月5日、安保法制の廃止等を訴える市民団体『市民連合』に、次期衆院選に向けた共通政策案を示した。日本共産党の小池晃書記局長の傍らにいたのは、蓮舫代表と二人三脚で党運営に当たる民進党の野田佳彦幹事長。保守派を自任する改憲論者だが、持論を抑えて他の野党3党と足並みを揃える。周辺は、「色々な気持ちを押し殺して蓮舫代表を支えている」と慮る。憲法論議で身動きが取れない蓮舫代表と野田幹事長は、「立憲主義を壊す動きには反対」として、具体的な改憲項目には踏み込まず、党内の路線対立が顕在化するのを避けてきた。実務役として起用したのが、同党憲法調査会の枝野幸男会長だ。枝野氏は、「今は議論は進めなくていい」とブレーキ役に徹する。「解散権行使は必要不可欠な場合に限定するのが合理的」。先月16日の衆議院憲法審査会で、枝野氏は緊急事態での国会議員の任期延長に理解を示した上で、改正の必要性に言及した。議論自体に後ろ向きと捉えられれば、党内の保守派が反発するのに加え、野党第1党として改正論議から置き去りにされる懸念もある。党内で未だ意見集約されていない主張だが、「党内でも異論が少ない」(枝野氏)とみて踏み込んだ。改正には慎重だが、議論する姿勢は示す――。枝野氏の提案は、今の民進党の苦しい立ち位置を映す。煮え切らない党内論議に痺れを切らして、細野氏は執行部を離れ、党内保守派の代表格である元防衛副大臣の長島昭久議員は党を去った。改憲派と護憲派が混在する民進党に内在していた火種が強まりつつある。


⦿日本経済新聞 2017年4月27日付掲載⦿
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テーマ : 憲法改正論議
ジャンル : 政治・経済

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