【崩壊する物流業界】(09) 家電だけじゃない! 躍進する『ヨドバシカメラ』の挑戦

20170501 06
『Amazon.com』のプライムナウに代表されるように、インターネット通販における時間単位の配達スピード競争は熱を帯びている。“最短2時間30分以内”を売りにしているのが、家電量販大手の『ヨドバシカメラ』だ。『ヨドバシエクストリーム』は、昨年9月に同社のインターネット通販サイトで始まった。東京23区が主な対象地域で、予め住所を登録しておくと、“本日21時までにヨドバシエクストリームサービス便がお届け”というように、配達時刻が画面に表示される。注文後の商品の状況も、「クレジットカード決済が終わりました」「商品を出荷しました」「配達を開始します。20時30分頃お届けです」と逐一メールで伝えてくれる。商品によって若干異なるが、ヨドバシエクストリームでなくても、離島等を除く日本全国9割超の地域で翌日に配送する体制は整っている。ヨドバシは秋葉原や大阪の梅田等、都市部の駅前に大型店を構え、全国に23店舗を展開している。2015年度の売上高は6796億円、経常利益は512億円。売上高は業界4位だが、経常利益率は同業他社が3%前後で推移する中、7%を超える高収益企業だ。1997年に開始したインターネット通販にも力を入れている。売上高は右肩上がりで1000億円を超え、ヨドバシ最大の旗艦店である梅田を上回る規模になった。家電以外にも、食品・飲料・日用品・化粧品・文房具・書籍等品揃えは多く、商品点数は450万点を超える。その内、ヨドバシエクストリームで注文できる商品は約10%に当たる約43万点と、プライムナウの約6万5000点以上を大きく上回る。購入金額に関係なく、配達料は無料だ。売上高構成比は、単価が高い分、家電の占める割合が大きいが、様々な商品が売れており、女性の利用者も多いという。ヨドバシエクストリームは、2015年2月から試験的に実施していた『ヨドバシエクスプレスメール便』の対象地域とサービス内容を拡充して始めた。エクスプレスメール便は即日配達を謳っていたが、ヨドバシエクストリームでは“最短2時間30分以内に配送”という表現に変えた。

スピードをかなり意識しているように見えるが、ヨドバシの藤沢和則副社長は「そうではない」と言う。「エクストリームスピードとは言っていないですよね? 重要視しているのは、お客さんが届けてほしいタイミングで届けること。店で商品を買う時のように、インターネット通販でも受け取ってわくわくしてもらえるようにしたい。スピードが速くなっているのは、その対応を進めている中での副次的な効果だ」。また、「配達スピードを速くできれば、顧客の要望に応える幅が広がるし、個人的な感覚だが、ゆっくり届けるほうが早く届けるよりも在庫管理等のコストがかかるような気がしている」と話す。ヨドバシのインターネット通販では、宅配業者に配達を委託しているが、顧客は宅配業者が決めた時間帯しか指定できない。そこでヨドバシエクストリームは、宅配業者を一切使わず、自社の配達員が届ける。店舗や神奈川県川崎市にある物流センターとは別に、都内13ヵ所に専用の配送拠点を置き、車は300台用意した。車のロゴも、店舗やインターネットとは違うヨドバシエクストリーム専用のデザインを採用している。また、藤沢副社長によれば、「再配達の際にドライバーに電話してもらえれば、細かい時間指定等の要望に応じるのも特長だ」という。「お客さんにできるだけ合わせるようにしたい。システムが未だ出来上がっていないというのもあって、配達の調整は人力で行っている。自社の配達員が今どこにいるのかリアルタイムでわかるようにしてあるので、融通を利かせ易い」(同)。とはいえ、ヨドバシエクストリームはまだまだ発展途上だ。再配達の融通は利いても、最初の配達では対応できていない。注文後、何時頃に届くかはわかっても、ヨドバシが目指している“願客が届けてほしい時間”を細かく指定することはできないのだ。「方法は色々あって、社内で検討している」(同)。例えば、商品を注文した後、帰宅途中で自宅の最寄りの駅に着いてから「15分後に商品を届けてほしい」とヨドバシに連絡すると、家に着くと同時に商品を受け取れる…といった形が考えられる。電話による連絡ではなく、ヨドバシのスマートフォンアプリを活用する手もある。顧客が確実に受け取れるようになれば、コストがかかる再配達を減らすこともできる。ヨドバシは、物流の重要拠点である川崎のセンターを拡張する工事を行っている。完成すれば扱える商品点数を増やせるようになり、インターネット通販の品揃えも今以上に充実することになる。東海地方でも新設したセンターが稼働を始める等、物流には積極的に投資している。ヨドバシエクストリームについても、大阪を始め、対象となるエリアを広げる意向を持っている。「うちは実店舗もインターネット通販もやっているが、日本で両方上手くやっているという例はあまり無い。商品知識や店作り等を充実させて、店に来て楽しい、店に来られなくてもインターネット通販で楽しめるというように、其々の魅力をもっと追求していかないといけない」(同)。家電量販店の枠を超えて突き進もうとするヨドバシの挑戦は続く。 (取材・文/本誌 富田頌子)


キャプチャ  2017年3月4日号掲載
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