【憲法施行から70年】(03) 公明、“緊急事態条項”抑制も

20170501 11
「平和主義・基本的人権の尊重・国民主権という憲法3原則は堅持すべきだ」――。先月29日、『憲政記念館』で保守系団体『日本会議』等が開いた憲法改正集会。日本国憲法を『連合国軍総司令部(GHQ)』に押しつけられた“占領憲法”とし、9条改正等を訴える集会の壇上で、公明党の斉藤鉄夫幹事長代行が持論を展開した(右画像)。日本会議の集会に公明党の幹部が出席するのは初めてという。招待を受けた幹部陣は最初迷ったが、協議によって斉藤氏の出席を決めた。「改憲が現実味を帯びてきた。うちだけ出ないのは拙い。しっかり我が党の考えを訴えようと考えた」。幹部の1人は、出席の理由をこう話す。山口那津男代表は、「憲法改正の合意は国会の中で作るべきだ」と繰り返す。与党と維新等、改憲に前向きな勢力が衆参両院で3分の2を握る中、数の論理で改憲を急ごうとする自民内の声に“熟議”を促す。今月5日、国会内の一室。集まった議員の手元には、“論点整理”と題する資料が置かれていた。作成年は2004年。現行憲法に必要な項目を書き加える“加憲”を掲げ、どんな項目が対象になり得るかを議論する過程で纏めたものだ。「ここから優先順位をつける議論を始めよう」。公明党憲法調査会の北側一雄会長は、会議の終盤、こう述べた。

北側氏が提案したのは、改憲項目をA・B・Cの3ランクに分けるというものだ。「党として直ぐに改正すべきだ」と考える項目をAとし、優先事項を絞り込んでいく。「賛否両論を併記すればいい時期は過ぎた。公明党としての意見をしっかり集約する」。党幹部はこう述べ、早期改憲派に歯止めをかける為の理論武装を急ぐ考えを示す。自民党が掲げる改憲項目の一部に理解を示すこともあった公明党だが、最近は主張の抑制が目立つ。斉藤氏は2015年5月の衆議院憲法審査会で党を代表し、緊急事態条項について「現行法規定には大きな空白がある。憲法に書き込んだ上で法律を整備する等、何らかの規定が必要だ」と発言。だが、先月16日、北側氏が表明した党見解は、同条項の課題を並べて「慎重な論議が必要だ」とした。党幹部は、「トーンダウンした。改憲が現実味を帯びれば帯びるほど、慎重論も大きくなる」と解説する。「自民と日本維新の会の距離が縮まり、9条改正の議論に立ち入る時期は意外と早いのではないか」。党関係者は、“公明抜き”で議論が加速することに危機感を持つ。維新が強く主張する教育無償化についても、公明党は改憲のテーマとしてあまり取り上げてこなかった。ある幹部は、「本来、憲法ではなく法律でやるべき話。“粗探し改憲”ではないか」と吐き捨てる。幹部間の温度差もある。公明党中央幹事会の漆原良夫会長は昨日の記者会見で、災害時に衆議院議員の任期を延長できる規定について、「十分に議論する価値はある」と語った。だが、参議院幹部は「参議院の緊急集会で対応できる問題だ。簡単には賛成できない」と慎重だ。先月30日、山口代表は安倍晋三首相と首相官邸で会談した後、公邸の桜を楽しみ、協調を演出した。会談で憲法の話題は直接出なかったが、首相の改憲への熱意はひしひしと伝わる。自民党と連立政権を組む公明党として、首相との距離感が悩ましい局面に入る。


⦿日本経済新聞 2017年4月28日付掲載⦿
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テーマ : 憲法改正論議
ジャンル : 政治・経済

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