【憲法施行から70年】(04) 維新、教育テコに首相に加勢

20170501 14
今月4日、国会内の一室。「どの条文をどう改正するか提案する時期に入っている。大号令をかけてほしい」――。『日本維新の会』の馬場伸幸幹事長は、自民党の二階俊博幹事長に訴えた。二階氏は頷き、「自民党内にも『そういうステージに移るべきだ』という声がある。状況を見極めながら考えている」と応じた。自民・維新両党が開いた幹事長・国会対策委員長会談は、維新が呼びかけた。憲法改正に関して議論を加速するよう呼びかけると共に、自公で最も溝が深いテーマとも言える改憲を持ち出し、分断する意図も透ける。維新幹部は、「東京都議選等を巡り、自公の関係がギクシャクしている間隙を縫う狙いがあった」と話す。「衆参両院の憲法審査会をリードする」。維新は先月25日の活動方針で定めた通り、与野党の論議での主導権確保を狙う。昨年3月、前身の『おおさか維新の会』時代に、①幼児から高等教育までの教育無償化②道州制の導入③“憲法裁判所”の設置――を盛り込んだ憲法改正原案を纏めた。柱に掲げた教育無償化は、維新の法律政策顧問を務める前大阪市長の橋下徹氏(右画像)が主導し、盛り込んだ。自民党内にも賛成論が多く、橋下氏周辺は「『自民党も連携し易いテーマだ』と橋下氏が見定めた」と解説する。

安倍晋三首相が今年1月の施政方針演説で、「誰もが希望すれば、高校にも専修学校・大学にも進学できる環境を整えなければならない」と呼応。両者の憲法改正での距離の近さを印象付けた。これまでは、首相と橋下氏の両トップを中心に互いに信頼関係を築いてきたが、橋下氏が一線を退いた今は、国会議員団の幹部間や憲法の実務者同士での意思疎通も密にしている。馬場氏は、衆議院憲法審査会で幹事を務める前防衛大臣の中谷元議員らに、改憲項目の絞り込みの議論に入るよう繰り返し働きかける。「教育無償化は何とかします」。中谷氏も、水面下で前向きなメッセージを伝える。自民党にとっても、維新との連携は、同党だけが前のめりではないことを示す格好の材料でもある。自民党の憲法審査会の委員の1人は、維新の党憲法改正推進委員会の小沢鋭仁会長に、「憲法改正の議論はどんどん維新がリードしてほしい」と囁く。憲法改正には衆参両院其々で3分の2以上の勢力が必要で、維新の存在が重要になる。党内論議のカギを握るのは橋下氏だ。「財源論が白熱してきたということは実現性が高まっている証拠。財源は相続税強化が第一順位」。先月30日、橋下氏は自身のツイッターで、自民党の小泉進次郎氏らが現役勤労世代と事業者に負担を求める“こども保険”制度の提言案を公表すると、こう呟いた。今月22日、大阪市で開いた党会合。「教育無償化は財源勝負だ」。松井一郎代表ら党幹部は、党内論議を進めることを確認した。橋下氏の意向を受け、維新は党内で、相続税や金融課税の強化で教育無償化の財源を捻出する“こども税”の制度設計に着手する。具体的な案を打ち出し、「教育無償化の財源が不明確」との批判を払拭する狙いだ。改憲に向けた“安倍・橋下ライン”の動きが注目される。 =おわり


⦿日本経済新聞 2017年4月29日付掲載⦿
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テーマ : 憲法改正論議
ジャンル : 政治・経済

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