4ヵ月から半年で月給200万円に…元オレオレ詐欺業者が手掛ける“物上げ”ビジネスの闇

20170502 08
今、裏社会で実しやかに囁かれている話がある。それは、「オレオレ(詐欺)の時代は済んだ(終わった)。本気で稼ぎたいなら“物上げ”だ」というものだ。実際に去年、関東では物上げを行う会社が続々と姿を現し、オレオレ詐欺のかけ子をしていた者たちは、挙って物揚げ専属のテレアポヘと変貌を遂げた。「大体、物上げならリスク少なく月に200は稼ぐことができる。オレオレのかけ子では、もうそんなに稼げない」。これが現場の声だという。抑々、物上げとは今に始まったビジネスではない。これを利用したアコギな不動産屋は、以前から確かに存在していた。だが、これほどシノギとして大々的に始まったのは、去年からではないだろうか。関東でシノギとして成功を果たして物上げは、去年の段階でテレアポの研修生を他府県のアンダーグラウンドから募っており、今年は関西に上陸し、舞台を移すことになったという。この流れはアンダーグラウンドビジネスの常套手段であり、グレービジネスは全て関東を発祥とし、そこで成功を収めれば関西へと渡っていくのだ。では抑々、物上げとは何なのか? ここでその手法を簡単に説明しよう。先ず、物件の売り手と買い手を探し出すところから始まる。闇雲に歩いて探し出すのではない。そんなやり方をしていては、テレアポが月に200も稼げやしない。

売り手を探し出す方法、それは登記を上げまくることだ。1件上げるのに数百円かかる手数料が、合計して200万~300万円になるまで上げてしまう。そして買い手は、富裕層リストの名簿を手に入れてくる。このビジネスでは“名簿が命”と言われるほど、この名簿が重要になってくるという。ここからがテレアポの仕事だ。先ず、登記簿から物件のオーナーに電話をかけ、市場価格より高い金額を提示し、オーナーを売る気にさせてしまう。逆に買い手となる富裕層には、相場より随分と安い値を伝え、「この物件を買わないか?」と誘い込む。この辺りがテレアポのアゴ(※腕)の見せ所となってくるのだが、どちらも合意したところで、今度は売る気になった買い手には彼是と難癖を付けて、売値を下げさせる。最終的に大幅に減額させ、買い手には言葉巧みに買値を上げていくのである。そして、程よいところで売買を一気に成立させ、中間省略してしまうのだ。通常、仲介手数料ならば、売り手・買い手共に3%ずつの計6%の抜きしろしか落ちてこないが、中間省略して登記することで、売値と買値の利幅が丸々、不動産屋に入ってくることになる。その為、1件成功させるだけでもかなりの利益が出ることになってしまうのだ。テレアポの研修期間は4ヵ月から半年と言われ、その期間に全ての喋りをマスターしてしまい、月に200万の月給へと辿り着いてしまう。そこには、これっぽっちの罪悪感も存在していない。あるのはカネへの執着だけだ。勿論、バカではテレアポになれない。ある程度の機転は必要とされるのだが、他のシノギでは機転が利くくらいでそんなに稼ぐヤツは先ずいない。現在、関西には、関東で研修を終了させたテレアポたちが続々と上陸しているという。 (取材・文/作家 沖田臥竜)


キャプチャ  第24号掲載
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