【熱狂!アニメビジネス最前線】(04) 「偶然じゃない。長年の海外営業の成果だ」――岩上敦宏氏(『アニプレックス』社長兼プロデューサー)インタビュー

20170509 01

“SAO”の略称でファンに親しまれている『ソードアート・オンライン』は、次世代オンラインゲームを舞台とした小説が原作だ。アニメとしては、2012~2014年に3シリーズが深夜帯に放送された。このシリーズの映画『劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』(アニプレックス)が、今年2月18日の公開当初から予想を上回るロケットスタートを見せている。先ず、国内の興行成績が上々だ。公開から1ヵ月で140万人を動員、興行収入は20億円を突破した。キッズアニメのように高い知名度があるとは言えない深夜アニメとしては、出色の快進撃だ。そしてもう1つ、異例の急発進となったのが海外。前代未聞の上映館数の多さなのだ。日本国内での公開と同時に、北米530館、ヨーロッパ300館、中南米200館での上映が決定。アジアも加えた海外全体では2000館程度に達する見通しで、国内上映の13倍近い規模だ。国内でのヒットを踏まえて海外で広く公開されることはよくあるが、興行成績もわからないうちに上映が決まるのは、映画業界全体でも殆ど例が無いという。海外では上映規模だけでなく、作品への評価も良好。英語圏で最も支持されている映画レビューサイト『ロッテントマト』では、映画を見た人の支持率が95%に達している。「SAOは、社内でも業界的にも、海外で強い作品だと認められている。ゲーム内の仮想空間に閉じ込められ、ゲーム内で死ぬという、どの文化圏でも理解し易く、感情移入もし易いところがウケている」。テレビシリーズ当初からSAOに携わる『アニプレックス』の岩上敦宏社長兼プロデューサーはそう語る。アニプレックスは『ソニーミュージックエンタテインメント』の完全子会社。2005年にアメリカ法人を設立する等、海外営業に力を入れてきた。「SAOの好発進も、海外チームの努力が大きい。テレビ放送開始から5年に亘り、営業やプロモーションを続けてきた。その結果が今回の上映規模に繋がった」(同)。アニプレックスの海外営業の根底にあるのは、「ファンの居住地によって視聴のタイミングやイベント開催に差を付けない」という一種の美学だ。海外のファンにも、できるかぎり日本と同等の視聴やイベント参加の機会を提供する。作品の熱気を世界で同時に共有できることが、SAOヒットの原動力となっている。深夜アニメビジネスは、シリーズ放送後に発売するDVD等、映像パッケージで収益を得るモデルが多かった。だが、パッケージは全巻で数万円に上ることが多く、購入できる年齢層は限られる。劇場作品であれば、千数百円という価格で高校生等若いファン層にも見てもらえる。「劇場に何百万もの人を集める映画作品と深夜アニメとでは、企画の選び方や作品の作り方が違う。映画向けという選択肢があれば、作品の幅も広げられる」(同)。海外や映画化等、アニメ作品の収益構造が多様化していけば、ビジネスとして成長する可能性が広がる。それは、アニメ業界そのものの成長と活性化にも大きく寄与する。 (聞き手・構成/本誌 杉本りうこ・宇都宮徹)


キャプチャ  2017年4月1日号掲載
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