【教科書に載らない経済と犯罪の危ない話】(41) 賄賂文化が蔓延? 朴槿恵が勾留されたソウル拘置所の実態

「汝、平和を欲するなら戦いに備えよ」――。ローマ帝国の軍事学者・ウェゲティウスの言葉である。戦争の無い平和な社会を実現するには、絶えず戦争に備える必要がある。国家の統治も治安の維持も、実力(暴力)による裏付けがあるからこそ実現しているのだ。アメリカの原子力空母『カール・ビンソン』を中心とした艦隊は、4月末までに朝鮮半島近海に到着する見通しだという。ミサイル発射や核実験を繰り返す北朝鮮への圧力である。まさに典型的な“力による平和”を目指した行動で、有効な戦略だと言える。しかし、東アジアの安全保障情勢が不安定になったことは間違いない。日本にとっても朝鮮半島リスクが高まった訳だが、お隣の韓国は大統領不在という事情もあり、国民の不安は計り知れない。渦中の朴槿恵前大統領だが、未だソウル拘置所へ収監されたままである。韓国の刑事手続きは日本と同じで、10日間の勾留則間と、必要な場合は更に10日間の延長となり、合計20日間の勾留が認められている。朴槿恵前大統領はソウル拘置所で、どのような処遇を受けているのだろうか? 大統領まで務めたのだから、それなりの特別待遇だろうとは想像できる。前回触れたように、筆者がソウル拘置所に収容されたのは、今から25年ほど前のことだ。海外での逮捕は初めてではなかった。学生時代にパキスタンで不法入国の疑いにより逮捕されたのが初体験だ。この時は、インドから陸路で国境を越える際、少々無理をしたのが原因だった。国境警備隊と揉めた筆者は、炎天下に後ろ手で柱に縛られたのだが、暑さよりも同じ柱に繋がれた犬のほうが怖かったことをよく覚えている。

この時は2日間の勾留と罰金だけで釈放されたが、昼間の暑さと、夜明け前に大音量で流されるアザーン(※礼拝の呼びかけ)のせいで眠ることができず、本当に参った。それに比べると、ソウルの拘置所は近代的で、刑事手続きも整備されていた。だが、当時は未だ人権意識が低く、入所時の身体検査では肛門にガラス棒を突っ込まれるという手荒な扱いを受けた。何か隠していないかを探る為の行為だが、日本の拘置所でも近年まで行われていたことだ。身体検査等入所の手続きが終わると、白い柔道着のような服を着せられ、外国人ばかりを収容する棟に連れて行かれた。3畳ほどの独居房には、スチール製のベッドとテーブルが備え付けてある。驚いたことに水道が無く、代わりに桶が置いてある。水が欲しい時には、廊下に待機している雑用係に言えば汲んできてくれる。彼らは刑の確定した受刑者で、刑務作業として収容者の世話をしているのだ。ソウルの拘置所でもカネが最も役に立った。現金は自分で保管しているから、用事を頼む度にチップを渡す。すると、雑用係は競って筆者の世話をするようになった。カネさえ払えば食事も選べるし、おやつも買える。酒と煙草が手に入らないのが唯一の不満だった。拘置所に収容されて3日目、やっと日本大使館の職員が面会に訪れた。自国の領事と面会する権利は国際条約で保障されている。若し海外で逮捕されたら、最初に大使館への連絡を要求しよう。重要なのは、逮捕されたことを誰かに知ってもらうことなのだ。海外へ出国して行方不明になる人は、年間に数十人いる。中には人知れず拘束されているケースもあるだろう。異国の地で収容されている邦人は一定数いるのだが、その実態は不明だ。蒸発したものとして、家族も諦めているケースが殆どだろう。国際社会が孕むブラックボックスなのだ。 (http://twitter.com/nekokumicho


キャプチャ  2017年5月2日・9日号掲載
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テーマ : 国際問題
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