【大機小機】 人と機械の融和

日本の人口減少が叫ばれて久しいが、愈々、産業界にもその影響が深刻に表れてきた。2009年を底に有効求人倍率は右肩上がりで上昇して1.4倍を超え、至る所で人手不足が叫ばれている。労働力人口は1998年にピークアウトし、減少傾向が続いているが、何故殊更、最近になって人手不足が叫ばれているのだろうか? これは、宅配サービスの当日配送のように、更なる快適さを実現しようとした結果、問題が顕在化したケースや、福祉を始めとするサービス業の需要が増加した結果だろう。何れも人間の労働力がボトルネックとなっており、更なる人手不足を招いている。この人手不足という社会的課題の解決に向けて、今一度、機械と人間の在り方を見つめ直してみたい。人間の能力を超越した人工知能(AI)やロボット等の機械により、仕事が奪われるという論調があるが、本当だろうか? 機械によるオートメーションで生産性が大きく向上した製造業で、人が機械に置き換わったかと言うと、そのようなことはない。日本のものづくりの力は世界でもトップクラスだ。これは、機械を上手く活用することで人間の能力を拡張し、様々なイノベーションを生み出してきたからだ。だが意外なことに、日本は主要国の中で最もロボットの導入余地が大きいそうだ。これは、製造業で実現してきた機械による人間の能力の拡張が、人手不足が叫ばれている業界では道半ばということにも繋がる。製造業以外の分野でも、機械を人間の代替としてではなく、人間を支援する新たなオートメーションを実現する為のツールとして活用すべきだ。それにより、人間が働き甲斐を感じながら、更なる創造性を発揮することができる。これからの社会的課題を解決するには、人間の労働力に頼るだけでは不可能だ。あらゆる分野で、機械の力が更に必要になる。人間は創造性を更に発揮し、高度化する機械を使い、どのようにして自らの能力を拡張するかを考えなければならない。人間が創造性を発揮すれば、機械と人間のどちらが職を得るかという話ではなく、人と機械が調和した真のあるべき姿が見えてくる筈だ。 (最適人)


⦿日本経済新聞 2017年5月11日付掲載⦿
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