【電池バブルがキタ━(゚∀゚)━!!】(13) 「車向けは第2の波、次世代電池も開発進む」――吉野彰氏(『旭化成』顧問)インタビュー

20170512 07
――リチウムイオン電池の試作品完成から30年。これだけ普及している現状をどう見ているか?
「試作を経て商用化したのは1990年代。当初はビデオカメラ用を想定してのもので、市場は大きくなかった。しかし、1995年以降に急速にIT化が進み、パソコン・携帯電話・スマートフォン向けが急拡大した。IT機器用途など想定もしていなかったが、時代のニーズに乗って大きな市場を創ったと言える。今、世界の共通課題となっている環境問題を背景に、リチウムイオン電池は第2の大きな波に乗っている。その先頭にいるのが電気自動車(EV)だ」

――EVでは航続距離を伸ばそうと、各社が研究開発に熱心だ。
「自動車は、開発着手から世の中に出るまでに5年間かかる。実証実験や認証が必要だからだ。2015年にマイナーチェンジした日産自動車・リーフの航続距離は約300㎞だ。これは2010年頃の電池技術と言える。現在はニッケルの比率を高めたリチウムイオン電池が開発されており、400㎞まで到達したとみられる。2020年に商用化されるEVは、このレベルになるだろうという流れはできている」

――どこまで距離は伸びるのか?
「2025年に商用化されるEVは、500㎞までは行くだろう。しかし、それ以上伸ばすとなると、材料を根本的に変えなければ技術的に難しい。正極に使うニッケルの資源量が限られているという問題もある」

――日系電池メーカーは先行して市場に参入したが、中国・韓国勢に追い上げられた。部材メーカーも同じ道を辿る懸念はないか?
「EV用電池は現在、毎年のように技術改良をしている。日系メーカーは、最先端の技術開発・実用化には強い。改良ペースが速いうちは心配していない。中国の部材メーカーは、国内産業保護の観点から、中国国内では使われている。しかし、現段階で中国の部材メーカーが日本・ヨーロッパ・アメリカまでを席巻することは考え難い。ただ、技術開発ペースが落ちてくると追いつかれる可能性はある」

――リチウムイオン電池の次に実用化されそうな電池は?
「次世代電池として検討されているのが、全固体電池・空気電池・リチウム硫黄電池だ。この内、全固体電池の技術進歩は目覚ましい」

――全固体電池の技術進歩とはどのようなものか?
「昨年、東京工業大学の菅野了次教授が、リチウムイオンの伝導率(※イオンが移動するスピード)が液体の2.5倍という画期的な電解質を開発した。この電解質を使うと、出力は25倍になることがわかった。これまで、全固体電池は『電解液を固体にするので、液漏れが無く、安全だ。しかし、イオンが動き難いので出力は低い』と言われていた。しかし、菅野教授が開発した電解質を使って作ってみると、逆の結果となった」

――全固体電池の試作はどの程度まで進んだか?
「リチウムイオン電池材料評価研究センターでは、スマホ大のものを試作した。スマホ程度ならば動かせて、今はドローン(小型無人機)を動かすまでの出力を目指している」

――EV向けリチウムイオン電池の航続距離が2025年に500㎞で限界を迎えるとすると、それ以降は全固体電池に期待がかかる。実用化の目途は?
「未だ時間がかかる。電解質の固体は粉末だ。『どのようにして大量生産用に電極に加工するのか?』という技術的な問題がある。コスト面の課題もある。EV向けに2025年までに実用化するのは難しい。ただ、EV普及前に、市場で電子機器等民生用に普及させて、実績を作らないといけない」 (聞き手/本誌 種市房子) =おわり


キャプチャ  2017年2月14日号掲載
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