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【台湾総統選2024・候補の素顔】(01) 頼清徳(民進党)…信念の人、“独立”封印

来年1月13日に投開票される台湾総統選まで4ヵ月を切った。有力候補4人が名乗りを上げ、論戦を展開している。事実上、3分裂した野党は、候補者の統一を模索する動きを強める。焦点となる中国にどう向き合い、台湾を導くのか。其々の人物像に迫った。

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迷いがない、という印象だった。先月25日、頼清徳氏(63、左画像の中央、撮影/大原一郎)が台北市内の民進党本部に日米欧等外国記者を集めた記者会見。あけすけに中国との対立を問う、台湾記者とは角度の違う質問にも、相手をじっと見つめながら、回答が滞ることはない。質疑の最後では、それまでの穏やかな口調を一変させ、こう締め括った。「台湾の総統は台湾人が決める。中国が選挙に介入して影響を与えれば、台湾の民主主義は破壊される」。行政院長(※首相)時代に自らを“現実的な台湾独立工作者”と言い切った頼氏を、中国は敵視する。先月の訪米後には、中国の軍用機は台湾側の空域で嘗てない長時間に亘って飛行を続けた。強まる一方の圧力に晒されても、緊張緩和に向けて折り合うのは“対等で尊厳のある状況”のみとの主張は変えない。1949年に中国から渡ってきた国民党の独裁時代と、李登輝総統(※当時)の下で進んだ民主化の時代を跨ぐ世代の政治家だ。炭鉱労働者の家庭に生まれた当時、政治活動や言論の自由はなく、“台湾独立”を口にするだけで重罪に問われ、社会は分断されていた。頼氏は2歳の時に事故で父を亡くし、女手一つで子供6人を養った母の姿から“不屈の精神”を学び、勤勉や実直さを養った。

内科医の道に進んだ後、台湾の政治と社会は転換期に入った。中国と台湾は別という“台湾人意識”も高まりつつあった。頼氏は、当時は“独立”を掲げていた野党・民進党の選挙を手伝い始めた。政界に飛び込んだのは、1996年、直接選挙による初めての総統選を前に、中国が台湾の周辺にミサイルを撃ち込んだ台湾海峡危機がきっかけだった。頼氏と25年以上の交流がある立法委員(※国会議員)の林俊憲氏は、「我々は国民党の独裁を打破したかった。政治への情熱が強い頼氏は『10年で結果を出す』と語っていた」と振り返る。その決意通り、頼氏は1999年から11年務めた立法委員時代には、有権者の声10万件超を“カルテ”として纏め、頭角を現した。ただ、「一番欠けているものは妥協だ」(台湾メディア)との指摘は根強い。演説は原稿に頼らずに自らの言葉で聴衆を引きつけるが、「何を言うのかひやひやする」(党関係者)との声もある。行政院長時代の“独立工作者”発言の代償は大きかった。“独立志向”を強めた陳水扁政権(※2000~2008年)が中台関係を緊張させ、アメリカの信用も失った過去と重なり、不安視する評価が今も付き纏う。9割近い住民が望む現状維持を貫いてきた蔡英文総統の後継者として、昨年11月に蔡路線の継承を打ち出した。今年4月に党公認候補に選出されると、「台湾は事実上既に独立し、改めて宣言する必要はない」との言い回しで、“独立”に動かないことを改めて強調した。先月の訪米時も要人と面会せず、中国への刺激を避けたいアメリカから一定の評価を得て、“独立”問題は沈静化しつつある。支持率がトップの40%前後で推移する頼氏は、総統選に加え、同日実施の立法委員選でも過半数を得る“完全勝利”を目指す。当選を果たせば、民進党は30年に及ぶ民主主義体制下で初めて、3期(※1期4年)連続で政権を担うことになる。ただ、『台湾民意基金会』の先月の世論調査では、完全勝利の不支持は46.1%で、支持(※44.5%)を上回った。そこには、同一政党の長期政権化を嫌う民意の傾向も指摘される。頼氏は、独裁からの脱却を目指し、自ら定着させてきた民主化プロセスからの挑戦にも直面する。先月末、党内の集会でこう強調した。「民主主義の道を歩み、台湾を強くしたい。優れた政党が政権をとり続けるのは、民主主義の精神に合致する。この選挙は必ず勝たなければならない」。


キャプチャ  2023年9月15日付掲載
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