【WEEKEND PLUS】(408) 伊藤忠商事が子会社買収で異例の譲歩…ファミマ“買い叩き”のトラウマか?

『伊藤忠商事』による大型買収の内容が波紋を広げている。同社は先月、上場子会社の『伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)』と、持ち分法適用会社の『大建工業』をTOB(※株式公開買い付け)で完全子会社化すると発表した。興味深いのはTOB価格の決まり方。買われる2社は、伊藤忠が提案した買付価格が「安過ぎる」と引き上げを求めた。ここまではよくある話だが、伊藤忠は最終的に要求を呑む形で価格を上げたことが開示資料で判明した。「あの強気の岡藤(正広会長)さんが、こんなに妥協するとは信じられない」と、ライバル商社の幹部は驚く内容だった。この原因について、『ファミリーマート』買収の影響を指摘する向きがある。2020年の伊藤忠によるファミマ買収の際、公開買付価格が「岡藤さんに忖度して安過ぎる」と株主が裁判を起こした。東京地裁は、伊藤忠のTOB価格は安いと訴えを認めた(※会社側は東京高裁に抗告)。今回の2社の買収交渉は、この地裁決定後に佳境に入った。その為、「決定が交渉に影響を与えたのは間違いない」(弁護士)。お灸が効いたようだ。

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