fc2ブログ

【ボケない食事】(45) “ありのままの自分”なんて青臭い…そこにトマトはあるか、ないのかトマト?

ありのままの自分でいたい。ああああ、青臭い。ありのままの自分でいられないのが人生だ。言うまでもなく、社会は人と人との繋がりでできており、ありのままの自分でいられる時間は殆どない。しかも、ありのまま生きて、ありのまま食べて、ありのまま飲んで、ありのまま寝て、そのような生活を続ければどうなるか…。人生は“着飾る”ことも重要だ。「おしゃれをしたい」「あの人に会いたい」「あそこに行きたい」「あの料理が食べたい」と考えるだけでも心はときめく。生き甲斐とは“何かにときめくこと”なのである。ありのままの脳ではなく、趣味や目標を持ち、常に新しい脳で人生を謳歌してほしい。「トマトを食べれば医者いらず。おしまい!」でもいいのだが、まぁそういうわけにもいくまい。トマトを食べればどうなるか、一つひとつ説明しよう。トマトといえば、リコピン。リコピンといえば、美と若さを保つ最強栄養素だ。トマトの赤色の色素成分であるリコピンは、高い抗酸化力を持ち、活性酸素を除去し、細胞の遺伝子の変異を抑制。癌は遺伝子の本体であるDNAに傷が付くことがきっかけとなって発症するが、その原因の一つが活性酸素である。この活性酸素を除去できれば、癌や生活習慣病、老化の予防に繋がるというわけだ。リコピンの抗酸化力は、ビタミンEの100倍以上と言われている。熟していくにしたがってリコピンが発生し、赤くなるので、より赤いトマトを選ぶといいだろう。また、リコピンは果皮に多く含まれるので、果皮の割合の多いミニトマトのほうが、リコピンを効率よく摂取できる。

「人生と同じで、青臭いトマトはだめ!」と言いたいところだが、実は成熟途中の緑のトマトには、緑のトマトならではの良さもある。緑のトマトに含まれるトマチジンが、加齢に伴う筋力低下を予防することが明らかとなっている。また、鬱病の予防にも効果あり! 年をとると筋肉の量が減ったり、機能が低下するサルコペニアを発症するリスクが高くなる。この病気は寝たきりにも繋がり易いので、トマトを食べ、運動等を積極的に行なってほしい。リコピンは熱に強く、油に溶け易いので、生もいいが、炒めたり、煮込んだりしても問題なし。以前にも書いたが、リコピンの吸収率を格段にアップさせるのがオリーブオイルだ。生トマトからトマトソースをつくって、オリーブオイルを加えるといいだろう。ところで、君達はトマトをどこに置いているか。冷蔵庫…? 温暖な地域原産のトマトは寒さに弱い。夏は冷蔵庫の野菜室のほうがいいが、秋冬は常温で保存してほしい。常温で保存すると追熟され、リコピンが最大で60%増加することがわかっている。緑のトマトを買って追熟するのもありだろう。話は逸れるが、“手は外部の脳である”という有名な格言もあるので、書いたり、縫物をしたり、料理をしたり、毎日、手を使って健康を保ってほしい。“明日やろうはバカ野郎”。今直ぐやることが、ボケない為の第一歩である。


白澤卓二(しらさわ・たくじ) 医学博士・『白澤抗加齢医学研究所』所長・『お茶の水健康長寿クリニック』院長。1958年、神奈川県生まれ。千葉大学医学部卒業後、『東京都老人総合研究所』病理部員研究員や老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て、2007~2015年まで順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。『“砂糖”をやめれば10歳若返る!』(ベスト新書)・『いちばんやさしいケトジェニックダイエットの教科書』(主婦の友社)・『“幸せだった”といって死ぬために 100歳時代の食べ方、生き方』(ポプラ新書)等著書訳書多数。


キャプチャ  2023年10月号掲載
スポンサーサイト



テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索
RSS链接
链接