【始動・文在寅政権】(下) 少数与党、攻守が逆転

20170516 02
韓国大統領当選が決まった一昨日午前、文在寅大統領は野党各党への挨拶回りの筆頭に、最大野党となった保守の『自由韓国党』を選んだ。「選挙では激しく競争したが、国論を纏めなければいけない。韓米関係や安保問題は、自由韓国党と共に上手くできないだろうか?」。低姿勢で協力を環めた文大統領に対し、鄭宇沢院内代表は「不安な安全保障観を解消し、アメリカや北朝鮮との関係で国民が安心できるようにしてほしい」と注文した。文大統領は顔を引きつらせながら、「安保に関する重要な情報は野党とも共有する」と応じた。鄭氏は、「大統領が野党代表だった時より、私たちはもっと手強い野党になるかもしれない」と付け加えた。朴槿恵前政権下で文氏は、大規模デモの先頭に立って保守政権の打倒を叫び、選挙戦でも安保を巡って同党と激しい論戦を交わした。しかし、政権交代を成し遂げた今は、攻守が逆転。与党『共に民主党』が国会(※定数300)で120議席と少数与党となる中で、野党の保守勢力から厳しい追及を受ける立場となった。文大統領が同日午後、北朝鮮に女子大生を送り込み、国家保安法違反で服役した経験がある学生運動の元リーダー・任鍾晳氏を最側近の大統領秘書室長に抜擢した人事を巡って、自由韓国党は早速“遺憾”を表明。同党の大統領選候補者だった洪準杓氏も昨日、「盧武鉉(元大統領)派の残党がまた政権を獲った」と対決色を強めている。

文政権としては、国会での多数派工作が急務だ。野党協力が無ければ、首相人事も法案も通らない。その第一のターゲットは、元々、同じ党から分裂した中道左派『国民の党』だ。文大統領は同党の朴智元代表を訪れた際も、「今は別の道を歩いているが、根は同じ党だ。特別な協力を期待して止まない」と協力を求めた。朴代表は、「野党として牽制するべきことは牽制する」とクギを刺した。文大統領が一昨日、人事の最大の目玉である首相に、全羅南道の李洛淵知事を選んだのも、同地域を地盤とする国民の党が「反対できないという読みがあった」(韓国の政治専門家)と指摘される。「文政権は、左派の野党第4党・正義党の代表や、保守系野党・正しい政党の大統領候補を入閣させる“挙国一致”構想も描いている」との観測もある。しかし、現段階ではどの党も協力には慎重だ。国民の党は政治スタンスも近く、連立を組めれば160議席と、一気に過半数を超える。しかし、同党の大統領候補だった安哲秀氏は、全羅道の得票率で文氏の半分に留まり、「党の存立が脅かされる」(聯合ニュース)状況。連立を組めば主導権を握られ、来年6月の統一地方選で不利になるジレンマもある。党内には、共に民主党からの引き抜きにも強い懸念がある一方、「正しい政党と統合し、新たな第3極を作るべきだ」との意見もある。文政権は、北朝鮮の核問題や在韓アメリカ軍の最新鋭ミサイル防衛システム『最終段階高高度地域防衛(THAAD)』配備問題等、外交安保政策だけみても難題が山積している。自由韓国党内には「初めから政権の足を引っ張ると我々も逆風を浴びる」として、「当面は静観すべし」の声もある。しかし、同党関係者は「メディアの批判が始まれば我々も攻撃できる」と述べ、虎視眈々と攻勢に出るタイミングを窺う姿勢を見せた。

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ソウル支局 中川孝之・宮崎健雄が担当しました。


⦿読売新聞 2017年5月12日付掲載⦿
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