清水富美加を手中に収めた『幸福の科学』の洗脳力――居心地の良さと使命感、信者を篩にかけ続けた30年

20170517 10
「22歳 衝撃引退…“出家”清水富美加 幸福の科学『実は信者』(スポーツ報知)、「朝ドラ女優 清水富美加 “出家”引退 『幸福の科学のために働きたい』」(日刊スポーツ)――。各スポーツ紙の1面に、こんな見出しがデカデカと躍った。テレビのレギュラー出演番組2本、出演映画は撮影済み3作、撮影中1作、放送中のテレビCM2社という人気女優の清水富美加(※左画像)が突然、『幸福の科学』への“出家”を理由に芸能界引退を表明したのだ。約2週間、各メディアが連日、このニュースを報じ続けた。第一報が流れた当日、幸福の科学は清水不在で教団幹部と弁護士が記者会見を開いた。そこで発表された清水直筆とされるメッセージには、清水自らが“洗脳”という言葉を用いた一文があった。「皆様から見たら洗脳とも取れるであろうこの一連の出来事やこの約8年間で感じてきた素直な気持ちを、これから、偽りなく、明かしていきたいと思います」。更に、“病気療養中”である筈の清水の告白本『全部、言っちゃうね。』が『幸福の科学出版』から発刊。ここにもまた“洗脳”の文字が。「洗脳上等だよって感じですよね。『洗脳されてるんじゃなくて、されるの選んでるんだ』っていう気持ちなんですよね、こっちからしたら」。自ら洗脳されることを選ぶ。一体、どういうことなのか? 幸福の科学には、『オウム真理教』のようなLSD等の薬物を用いる修行や、体力を削り、思考力を奪うような激しい修業は無い。『統一教会』(現在の『世界平和統一家庭連合』)のように、正体を隠したり偽ったりする“偽装勧誘”も無い。

幸福の科学には、忠誠心を疑われた教団職員が長時間、詰問されたり反省を求められたりする“打ち込み”と呼ばれるものはある。しかしこれも、基本的に一般信者ではなく職員向けのものだ。現役信者のA氏は、こう語る。「私は信者と言っても、今は教団支部に殆ど顔を出していません。1年ほど前に教団は退会手続きのルールを厳格化し、自由な脱会が認められなくなりました。しかし、手続きなんかしなくても、顔を出さなくなれば事実上、脱会したも同然です。名簿上は信者のままですが、しつこい誘いや慰留はありません。幸福の科学は、一般信者にとって“怒られない宗教”なんです。支部毎に勧誘ノルマや植福(※布施)のノルマがあって、達成できなければ支部長が左遷されたり降格されたりします。しかし、それで一般信者が責められることはない。温い宗教ですね」。支部長等が信者に高圧的な態度で布施をせびるケースも聞かないではないが、それが教団全体で組織的に行われている様子はない。総じて、“洗脳”を連想させるような強烈さは見い出せない。しかし、その教義や活動は強烈に現実離れしている。自身を“宇宙の根本仏”・“地球至高神エル・カンターレ”・“再誕の仏陀”と称して憚らない教祖・大川隆法。歴史上の人物ばかりか、存命中の政治家・芸能人・宇宙人の霊まで呼び出す“霊言”。大川は、2011年に霊言本『宇宙人との対話』で、宗教指導者としては初の“日本トンデモ本大賞”に輝いたほどだ。強烈な“洗脳”が無いなら、何故信者はここまで荒唐無稽な教義を信じるのか? 清水が言うように、「自分から洗脳されることを選ぶ」だけでこうなれるものなのだろうか? カルト宗教の問題に取り組む研究者や弁護士たちの間では、“洗脳”という言葉は先ず使われない。第2次世界大戦時に捕虜を思想改造した中国共産党の行為を語源とする“洗脳”は、暴力や薬物を用いた強制的な手法を指す。一方、カルト宗教について使われる用語は“マインドコントロール”だ。社会心理学者の西田公昭(立正大学)は、著書『マインド・コントロールとは何か』(紀伊國屋書店)の中で、「洗脳は行動上の強制に過ぎず、人の信念に影響を与え、さも自発的行動であるかのように人を誘導するのがマインドコントロールである」と指摘する。清水が言う“洗脳”も、“マインドコントロール”と呼ぶほうが相応しいだろう。しかし本稿では、専門用語ではなく、社会一般の慣用的な俗語で語った清水の感覚を尊重して、敢えて“洗脳”という言葉で話を進めたい。幸福の科学を辞めた元信者の口から時折、“自己洗脳”という言葉を耳にする。自ら大川の望む行動を取りがちな信者の傾向を指す表現だ。幸福の科学の立教は1986年。その最初期に入信し、1990年代初頭から教団職員を務めた脱会者のB氏は、「教団の方針や行動が大きく変化したターニングポイントが幾つかあり、それが結果的に信者の“自己洗脳”空間を作り出したのではないか?」と指摘する。

20170517 11
「幸福の科学は元々、“人生の大学院”という触れ込みで、大川の霊言や講演等を中心とした学習サークルのような団体でした。1990年頃の時点で、会員数は、月刊誌を購読するだけの“誌友会員”を含めて1万2000人ほど。当時、会員にとって大川は預言者の1人であって、“神”という信仰対象ではなかった。また、“探求・学習あっての伝道”という理由から、無茶な拡大路線を戒めていました。しかし1989年末、“サンライズ90”と銘打った伝道キャンペーンを始め、1990年末までに会員5万人・献本1500万冊という数値目標が掲げられた」。献本とは、信者が教団の書籍を自腹で大量購入し、知人等に配る活動のこと。「当初はあくまで目標という程度だったのが、1990年5月に行われた研修会の最終日を境に一変。大川が壇上で、『皆さん、私が伝道してって言わなきゃ伝道しないんですか?』『このままでは、私は宇宙の彼方に漂うしかない』と急に泣きを入れたのです。『伝道ができないのは愛が無いからだ』と会員を責め立て、研修は大伝道の決起大会になった。これが最初のターニングポイントです」(同)。関東・北海道・太平洋・日本海・北陸・中部・関西・中国・四国・九州・沖縄のブロック毎にノルマが設定され、期限は年内から7月までに前倒し。明けて1991年、大川は“ミラクル宣言”と称して、「年内に100万人。1992年中に300万人。1993年中に1000万人」と言い出したという。「一連の動きに疑問を感じた古い信者たちが教団から離脱。教団は辞めていく信者を深追いせず、従順な信者だけを従えて先に進んだ。結果、1991年6月に『100万人を達成した』と発表。但し、実態は“無承諾伝道”。ノルマに追われた信者が、知人等の名前を無断で使って入信したことにしていた」(同)。同年、教団は宗教法人格を取得し、大川は地球至高神“エル・カンターレ”を自称するようになる。

一方で、写真過刊誌『FRIDAY』による教団批判が始まる。これに対し、女優・小川知子や作家・景山民夫を先頭に信者たちが大挙して抗議に押しかけ、抗議の電話やFAXで『講談社』の通信を麻痺させた。所謂“FRIDAY事件”だ。これによって、更なるターニングポイントが訪れる。「無謀な大伝道とFRIDAY事件により、信者が激減。そこに、架空の会員数を根拠に全国に設置した施設の賃貸料、公称信者数と辻褄を合わせる為に無駄に多く発行した月刊誌等の印刷代、テレビ・新聞等での大々的な広告の費用といったツケが一気に回ってきた。教団は深刻な財政危機に陥りました」(同)。そこで始められた対策の1つが、“ミラクル資金推進”と銘打った信者からの現金借り入れキャンペーン。後に1口100万円の貸付を募る“ビッグバン貸付”となる。「しかし、『仏陀から利息を取るのか?』等と言って利子を払わず、更に『お布施に切り替えませんか?』と呼びかけて踏み倒そうとするケースも横行した。また、大川の説法ビデオ集20万円、基本経文“正心法語”を納めた額縁10万円、大川の顔写真入りの額縁である御本尊100万円といった高額なグッズ販売や、結婚や病気平癒等の祈願祭を始めたのもこの頃だった」(同)。以降、高額な金銭要求にも従順に従う信者たちが、教団の主力となっていく。1993年までに教団の財政はV字回復し、寧ろ多額の現金資産を獲得。教団は静かに、更なる蓄財に励むようになる。「1991年発表の“ノストラダムス戦慄の啓示”を最後に霊言も封印し、仏教の用語や思想を取り入れながら、比較的ロジカルな宗教の装いを見せるようになった。1995年に教団は『信者数1000万人達成』と発表したが、実際は名薄上の信者数が10万人程度。大川は、これを知ったショックから“引きこもり”状態に。その後、暫くの間は側近の職員がパンツ強盗をはたらいて逮捕されるといった不祥事はあったものの、内向きの活動で大川が無茶な指示を出すこともなく、大人しくしていた為、皮肉なもので信者たちが篩にかけられることがない、比較的居心地のいい時代が続いた」(同)。しかし、この平穏は2009年に突如、終わりを告げる。大川が、「幸福実現党を結党し、政界進出を目指す」と言い出したのだ。この年の衆院選で337人もの候補者を擁立。大川自身も出馬したが、全員が落選した。この時点で信者数1100万人を自称していた幸福の科学だが、比例代表での全国の合計得票数はたったの約46万票だった。「翌2010年、大川と妻・きょう子との離婚騒動が勃発。“文殊菩薩”として総裁補佐を務めていたきょう子を、大川や教団は“裏切りのユダ”と言い出して罵り、永久追放した。これで幻滅した信者の大量脱会が起こった」(同)。

20170517 12
きょう子は『週刊新潮』等で、大川が教団内に複数の“寵愛する女性”を抱えていることや、実働信者数は約3万人程度等と暴露した。この頃、後述する『幸福の科学学園』(※中学・高校)開校の為の布施集めが熾烈になったことも、信者の離脱に拍車をかける。これを境に、ある信者は「支部に来る信者数が半減した」と語る。別の地域の信者は「3分の1になった」と言う。幸福の科学によれば、現在の信者数は約1200万人というが、昨年末公表の幸福実現党の政治資金収支報告書によると、党員数は約1万7000人。これが現在の実働信者数に近い数字だろう。「近年、新たな入信者が多くいる様子はなく、残る信者の多くは1980~1990年代に入信した古い信者と、その子供や孫。つまり、2世・3世の若者たち」(同)。度重なる教団の変遷が、まるで信者を試すイニシエーションの如く機能し、濃厚な信仰集団を作り上げてきた。ならば信者は、変化する教団に自ら勝手についてきただけなのか? 実際は、そう単純でもない。「幸福の科学は、性格的な悩みや家庭問題の悩みで教団を頼ってくる人たちが、よりのめり込み易くなるようにできている。大川の法話や霊言は、悪く言えば綺麗事ばかりで底が浅いが、よく言えばわかり易くてとっつき易い。施設の雰囲気は明るくて、宗教にありがちな抹香臭さや奇嬌さが無く、居心地がいい。また、法話・霊言・祈願・研修の内容が、宗教・霊能力・あの世・宇宙人・生まれ変わり・教育・政治・ビジネス・外交・芸能等様々なジャンルに亘っていて、飽きがこない。全国の正心館という施設毎に限定の祈願があり、私自身、スタンプラリー感覚で遠方の正心館を回った時期もあります。教団は信者に、『そうしろ』とは言いません。ただ、そうしたくなるように用意されている」(前出の現役信者・A氏)。

脱会者のC氏は、姑との関係に悩み、教いを求めて自ら入信した。「しつこく勧誘された訳ではなく、街中で配布されていた書籍を手にして、自分から入信しました。会員になれば自然と大川の本を読むし、経文・祈願文・大川の講演を聞くことになります。これを通して、『大川は神だ』『自分たちは光の戦士だ』と繰り返し聞かされたり唱えたりすることで、必然的に“洗脳”されていった」。脱会するまでの約10年間のうちに、植福や物品購入等で約9000万円を教団に差し出したという。購入したグッズの中には、300万円もするエル・カンターレ(大川隆法)像もあった。別の脱会者・D氏は、自身が教義に染まっていった過程をこう説明する。「『大川は神だ』とか誰々の守護霊が云々とか、今思えば何故そんな話を信じていたのか自分でも不思議。でも、大川や信者たちがまるで当たり前のようにそういうことばかり語っている場に身を置いているだけで、私もそれを当たり前と感じるようになっていた」。厳密な意味での“洗脳”が無くとも、人は与えられた環境に順応してしまう。同時に、信者の疑念や批判意識を予防する仕組みもある。例えば『仏説・降魔経』だ。基本経文の1つで、入信時に渡される信者必携の経文集『仏説・上心法語』に収録されている。「仏法 流布を 妨ぐる 悪魔は これを 許すまじ 仏・法・僧への 中傷は 極悪 非道の 所業なり もはや 人間として 生まれるは これが 最後と 悟るべし」。これに、「教団を批判する者は地獄行き、大川に逆らう者に逃げ道は無い」とする内容が続く。2世信者のE氏が言う。「降魔経は、支部で信者たちが集まった際に唱えたり、家のラジカセで流されていたりしました。今でも空で唱えられますよ。気分が悪くなるので唱えたくないですが」。前出のA氏は、「批判者を罵る大川の霊言に見せしめ効果がある」と指摘する。「例えば、離婚騒動時のきょう子や、教団を批判する記事を載せた週刊誌の編集長や版元の社長を、大川は『守護霊を呼び出した』と称して霊言で罵り、悪魔呼ばわりする。それで信者たちは、『教団に逆らう者はこうなるのだ』と思い知らされる」。教団内での大川の号令が大雑把で抽象的であるという点も、信者の“自己洗脳”に一役買っている。「大川は、綺麗事や、災害を予言する等の子供っぽい物言いで信者を煽り、時には教団のダミー団体の名称や怪文書チラシのレイアウトまで細々と口出しする。反面、重大な路線変更をする際は、自信が無いのか、自ら具体的で詳細な指示を直接出すことはあまりない。大きな路線変更の度に、職員も信者も激しい認知的不協和に直面させられるが、『先生には深いお考えがあるに違いない』と思考停止して自分を納得させ、大川の意向を忖度する。大川に従うことが目的化した盲目的な信仰の中、職員や信者たちが自ら使命感と同調圧力を増幅させることで、教団が成り立っている」(B氏)。

20170517 13
教団内の顕彰制度も、信者の使命感や優越感を擽る。1000万円以上の植福をした信者には、“植福菩薩”という称号が与えられる。半年間で5人に伝道し入信させれば“伝道菩薩”と呼ばれる。毎月1万円以上の布施を自動引落で支払う信者には“大黒天”の称号。教団初期の伝道キャンペーンのノルマとしても登場した“献本”活動では、半年間に100冊以上献本すると“献本菩薩”だ。教団の変遷に加え、こうした諸々の制度や構造の総体が、幸福の科学“洗脳”の正体のようだ。その根幹には常に、大川への強烈な個人崇拝がある。清水の出家騒動も、大川の号令が直接の引き金だ。清水が所属事務所に出家・引退の意向を伝える前日付で、大川が清水の守護霊を呼び出したと称する“霊言”が書籍『女優・清水富美加の可能性』として発刊されている。まえがきやあとがきには、大川自身の言葉として、こう記されている。「女優・清水富美加の“運命の輪”を回し、彼女に『覚悟を決めよ。』と迫る1冊の書となることだろう」「今年は、富美加さんは、女優として大ブレイクの年となるとともに、本来の天命に目覚める年にもなるだろう」。“神”から名指しで使命感を煽られた信者が、「自らの意思だ」と言い張って出家する。これまで見てきた“自己洗脳”そのものだ。「1991年の大伝道の時も、“脱藩”と称して仕事を辞め、教団活動に没頭する青年信者が続発した。況してや、2世信者である清水さんの場合、仮に疑問を抱いたとしても逃げ道は無い。神である大川の指示に逆らえば、信者である親との関係が壊れかねないし、教団内での親の立場もどうなるかわからないからです」(B氏)。一般信者以上に、大川からの強い呪縛を受ける立場にあるのだ。

“洗脳”について、幸福の科学に見解を聞いてみた。「当会では、信者の隔離や情報遮断等の強要等、一般的にカルトと呼ばれる宗教団体が行っている洗脳的行為は一切行っておりません。反対に、“良書を1000冊読んで教養を身に付ける”ことや、“仕事術・マネジメント等の仕事が出来るようになる方法を教える”等、社会・職場にて貢献できる人材の育成に積極的に取り組んでおります。千眼(清水富美加)氏の著作に見られる『洗脳上等だよ』という言葉は、『宗教に洗脳されているのではないか?』という宗教的偏見に根差した疑問に対して、信仰心に基づいて“神の為に生きること”に何の問題も無いことを訴え、洗脳を逆説的に否定したものです」。幸福の科学には、一般信者たちと違って、より強力な“洗脳”を施された精鋭もいる。幸福の科学学園の生徒たちだ。幸福の科学は2010年、栃木県に幸福の科学学園那須本校(※中学・高校)を開校させ、2013年に滋賀県に同関西校を開校させた。筆者が2012年に取材した那須本校の元生徒や保護者らによると、学園では歴史の授業中に、「坂本龍馬は劉備玄徳の生まれ変わり」といった調子で、教師が霊言に基づく授業を行っていた。独自科目『探究創造』では、幸福実現党を賛美する違法な政治教育。寮生活のルールを破った生徒を隔離し、授業にも出席させずに寮の空き部屋で生活させる懲罰を科していた。筆者がこれを週刊新潮(2012年11月22日号)でリポートしたところ、学園から訴訟を起こされたが、昨年、週刊新潮と筆者の完全勝訴が確定した。この裁判で、教団は隔離措置の一例として、10日間のスケジュール表を提出してきた。これによると、隔離措置中の生徒の学科学習は毎日午前中で、長くて4時間。それ以外は、作務と称する掃除・祈り・反省文・教義に基づいた作文・経典読書・教団DVDの視聴等。起床から就寝まで、完全な自由時間はゼロだ。確定した東京高裁判決は、こう指摘している。「期間中、食事および入浴時間も他の生徒と接触や連絡ができず、部屋で、勉強をしたり、幸福の科学に関するDVDを見たり著書を読んだりしなければならないのであって、全くの自由時間が予定されていないものでかなり厳しいもの」。前出のE氏は、学園の卒業生でもある。週刊新潮の報道の後も、学園那須本校に在籍していた。「報道後も、霊言に基づく授業や幸福実現党を賞賛する授業は、相変わらず続いていました。隔離措置も、以前ほどきついものでなくなりましたが、続いており、私自身も数日間、空き部屋に隔離されました。学園では、寮生活でも教義漬け。寮の廊下にラジカセが置かれ、1日中大川の説法が流しっ放し。ほぼ全員が2世信者で、教団に批判的な生徒は先ずいない。卒業後に幸福の科学を辞めたという人のケースも、殆ど聞いたことはない」。まるで手塚治虫の漫画『火の鳥 太陽編』に登場する宗教団体『光一族』の洗脳施設のようだ。

結果、『探究創造科発表会』なる学園の行事では、こんな熱烈な生徒の演説も。「私たちの使命は、やはり伝道なんです。伝道なんです! 私は、この人生一生を主(※大川)に捧げていきたいと思います。そして、アメリカ伝道や世界伝道を成功させ、宇宙にも広がっていきたいと思います!」。こうした熱烈な生徒の様子は映像で一般信者の前で上映され、布施や伝道活動を煽る材料としても使われる。“洗脳”された若い2世信者が、一般信者を“洗脳”する道具にされるのだ。2015年、教団は開設を予定していた『幸福の科学大学』が文部科学省から不認可にされたことから、教団内の無議可教育施設『ハッピーサイエンスユニバーシティ(HSH)』を開設した。ピラミッド型礼拝堂で行われた落慶式で、学校法人『幸福の科学学園』の木村智重理事長の口から、こんな発言が飛び出した。「昨日、幸福の科学学園那須本校にて第3期生の卒業式がございました。丁度100名の卒業生が輩出した訳でありますが、その内の約8割、80名近い彼らが、このHSUに進学してまいります」。この年、学園では早稲田・慶應に少なくとも30名が合格した。木村は落慶式での挨拶で、嬉々としてこう続けた。「その彼らの殆どが、早稲田・慶應に行かず、この主(※大川)が作られた、神の力が働くHSUに進学してくる予定です」。一般大学の合格者も含めて8割もの卒業生が、進学も就職も放棄してしまったのだ。「前年に学園を卒業し、浪人していた信者の多くも、HSUに行きました。中には、一般の大学を中退してHSUに入った信者もいます。教団は強制はしません。学園生は真面目に信仰しているので、自分からこういう進路を選ぶ」(E氏)。HSUを出ても、職歴にもならない4年間を過ごした“高卒”でしかない。条件のいい職に就くのは困難だろう。いくら信仰熱心でも、2世信者たちが高給取りにならなければ、次世代の教団を支える高額な布施収入は期待できない。これでは先細りではないか。「大川は兎に角、早く成果を見たがる。例えば、嘗て幸福の科学で、3歳以上の2世について“エンゼル会員”として信者登録を勧めていたが、いつの間にか“0歳以上”になった。これで名簿上は信者が増えたことになりますが、実際の教団の勢力は何も変わらない。今年2月には、『メディアが幸福実現党の党員数を元に実質信者数を語るから』という理由で、教団内では『党員数を3万、できれば5万に』という号令がかかった。党員数は党費を収めた人数を発表している為、名簿の数を増やすだけではなく、『3万~5万人分の党費を集めてこい』という指示です。こんな調子なので、学園やHSUといった教育事業でも、入学者数等目先の成果を見て喜ぶだけ。先のことなど考えていませんよ。清水富美加の扱いにしたって同じです。本来なら出家などさせず、現役の芸能人として活動を続けさせたまま教団の広告塔にしたほうが、将来的には教団にとってメリットが多かった筈なのに…」(A氏)。信者が“洗脳されるのを選んだ”先にある未来は、信者ばかりか教団にとっても“幸福”なものではなさそうだ。 《敬称略》 (取材・文/フリーライター 藤倉善郎)


キャプチャ  2017年4月号掲載
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

千里眼運命の暗示完全版 (角川文庫) [ 松岡圭祐 ]
価格:761円(税込、送料無料) (2017/5/17時点)


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

脳は、なぜあなたをだますのか [ 妹尾 武治 ]
価格:842円(税込、送料無料) (2017/5/17時点)



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

カルト脱出記 [ 佐藤典雅 ]
価格:950円(税込、送料無料) (2017/5/17時点)


スポンサーサイト

テーマ : 幸福の科学・幸福実現党
ジャンル : 政治・経済

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索
RSS链接
链接
QR码
QR