6代目山口組vs神戸山口組、現役組長直撃で見えてきた最終決着のシナリオ

20170519 12
3月6日、山口組のある直参にインタビューする為、関西に入った。山口組はこの日の定例会で、3名の幹部を若頭補佐に昇格させている。4代目倉本組の津田力組長、2代目竹中組の安藤美樹組長、3代目一会の野村孝会長の3名を加えた若頭補佐7名が揃った。山口組と神戸山口組分裂の先々を展望する時、この動きは組織体制の拡充ぶりを示す1つの判断基準になる。その意味で、若頭補佐という最重要ポストを拡充させた山口組執行部の覇気は強い。筆者はこの日のインタビューで、今後の山口組の方向や当面の課題等を伺う予定ではあったが、ヤクザジャーナリズムの第一人者である溝口敦氏が最近書いた記事について、彼是と語り合う結果となった。溝口敦氏とは、彼是15年ほど前だったと思うが、その頃もヤクザ問題を夕刊紙に連載していた。その時は、十数億円の保釈金のことを書いていた。溝口氏は、「その巨額の保釈金には、ある銀行の帯封が付いていた」と書いていた。ところが、この記事を読んだ、しかも山のように積まれたその保釈金を集めて数えていた組関係者の口から、「帯封されたカネなどは一束も無かった」と筆者は聞く。早速溝口氏に、その真偽を確かめようと東京都内のホテルで会ったのが、最初の出会いだった。以後、大先輩として教えを賜ったりしてきたが、山口組の分裂を境に溝口氏と筆者の執筆スタンスが大きく異なってきた為、次第に距離を置くようになった。6日、前述の関西方面の直参幹部と話題になったのも、溝口氏が2月28日付の『日刊ゲンダイ』の連載『斬り込み時評』で書いた『カネが飛び交う医者と暴力団の関係』という一文。その記事を抜粋してみると『当時、弘道会会長だった髙山清司山口組若頭には可愛がられていると自任していた。同じ高山姓だが、姻戚関係はなく、在日同士の連帯感ぐらいはあったかもしれない」とある。

2月14日、病気を理由に刑の執行が停止されていた淡海一家の高山義友希総長が収監された。溝口氏は、「高山義友希総長の診断書を偽造したのではないか?」との疑いをかけられた病院との関係の疑惑を書いているのはいいにしても、その中で、高山義友希総長、髙山清司若頭の2人の高山は『在日同士の連帯感があったかもしれない』と書いた。この指摘が正しければ、髙山清司若頭は在日朝鮮人ということになる。この表記に驚いたのは筆者だけではない。実は、この記事については、愛知県警のデカからは「またデタラメ書いていますよ」と態々連絡が入っていた。2019年10月18日に出所すると言われている6代目山口組の髙山清司若頭の出自に“在日出身”という事実は無いにも拘わらず、それを溝口氏は、髙山清司若頭が北朝鮮系在日という流言飛語を兵庫県警や山健系幹部辺りから聞いていたのか、それとも鵜呑みにしていたのかは定かではない。但し、今から10年ほど前に出回った『井上・髙山の確執』と題するA4サイズ7枚程の怪文書の中で、髙山清司若頭が在日出身と匂わせた情報があったことは事実。右上のチャート図をご覧頂きたい。“弘道会 髙山清司会長(北朝鮮系)”と書かれている。この怪文書が出回った頃、やはり関西のヤクザ通の会社関係者からも、「朝鮮人という話でもちきりですよ」と連絡が来ていたことを思い出す。確かに、筆者もこの怪文書が出回った当時、愛知県警の暴力担当に繰り返しその真偽を確かめてみたが、「戸籍上、在日という事実は無い」と言明していたし、本当に在日なのであれば日本人学校には入れず、殆どは朝鮮人学校に入るし、その事実も全く無かった。髙山若頭の出生地・愛知県津島市で聞けば簡単に判明することなのに、何故か髙山若頭の在日説は、暫くの間、都市伝説の如く流布していたのだった。そんな嘘情報を、何故、溝口氏ともあろう第一人者が、在日系のヤクザと日本人ヤクザを混在させるのだろうか? その真意がわからない。“在日”という身分の表現を間違えれば、一種の差別と侮蔑に繋がることぐらいはご存知だろうに。溝口氏が“在日”という言葉を使っていることに対して、関西地区の山口組直参の1人は、その記事を見ながら次のように語った。「3代目は在日も日本人の区別もしなかった。皆、同じ釜の飯を食べたし、朝鮮人だからといって差別も苛めもしなかった。一旦、盃を交わせば、ヤクザ同士で在日だと日本人だのが問題になることもない。ヤクザの中で人種を云々するなんてあり得ない話だ。だから山口組は続いているんだよ…。溝口という人物ですか、色々ありますね…」とピシャリと語った。この原稿は、締め切りを過ぎた3月13日に書いている。私事で申し訳ないが、実を言うと今年に入ってから筆者の身体は変調をきたしていた。2月に入って煙草を吸った途端、胸に激痛が走り、同20日、ドクターに狭心症と診断されていた。関西地区でのインタビューの2日後、心臓治療の専門機関である『名古屋ハートセンター』に行くと、そのままカテーテル治療の為、ほぼ強制的に入院の身となった。入院があと2~3日遅れていたら、動脈が破れ、筆者の胸は大きく開かれていたし、命も危なかったことをドクターから言われた。間一髪で救われたということだろう。従って本号では、書かなければならないことを十分に書いてはいない。読者の皆様には申し訳なく思う。

ヤクザ記者として今見つめている感覚は、山口組と神戸山口組の抗争とか、2つの会津小鉄会の睨み合いとかではない。そんなことよりも、日本社会に潜む侠客の精神の行方のほうが、筆者にとっては最も気になることだ。一昨年の山口組分裂騒動は、現代の侠客の精神の行方を知るには最高の舞台となった。だからこそ、その侠客のことを知り尽くしているであろう大先輩の溝口氏の姿勢について書き綴っておこうと考えた。一昨年の7月末、山口組は歴史的な分裂に至った。それは突然の出来事のように思えたが、溝口氏は、その分裂計画を相当前から知っていたという。分裂時に色々な理由を声高に語った神戸山口組だったが、その本音は、7代目山口組の執行部支配の芽が無いことからくる“脱藩”にしか過ぎなかったのではないか? そこに大義はあったのだろうか? 溝口氏は、分裂の原因となった弘道会批判には「合理性がある」として、端から打倒司体制の必然性を『NHK』でも『日本外国人特派員協会』でも語り、一貫して神戸山口組の存在に理解を示した。例えば、第一に“名古屋に山口組本部を移す計画”等という話も平気で語るほどに、溝口氏は新聞・テレビ・雑誌・インターネット情報をミスリードした第一人者とも言える。筆者は知らなかったが、インターネット上で筆者は“山口組お抱えライター”になっているらしい。だが、筆者のプライド等は全く傷付かない。分裂当時の雑誌にもはっきりと書いておいたが、筆者には動かない価値観があった。若し仮に、神戸山口組に正義と大義があるというのなら、もうとっくに6代目山口組体制は崩壊寸前になっていてもおかしくないだろうが、現実的にはそうはなっていない。大義はどこまで行っても6代目山口組にしかないからだ。それが筆者の視点の原点である。神戸山口組が堂々と談判して決別して別派行動に至ったならば、そうは思わなかっただろうが。山口組の3月の定例会で3名の若頭補佐を登用して組織強化されているのをみても、山口組の関東との盛んな交流を見ても、「山口組の衰退等という話は今やどこの話なのか?」と言いたくなるほど、組織運営は順当だ。“大義”というのは、感情の鬱憤晴らしで成り立つものではない。しかし、それでも2月10日、京都会津小鉄会は真っ二つに割れ、どちらも7代目会津小鉄会を名乗った。従来の暴力団史では語れない変則的な分裂状態の中で、確かに1つ間違えば怒涛の抗争へと発展しない訳ではないが、今のところは静かだ。山口組と神戸山口組の分裂がどのような結末を迎えることになるか、未だ明確なことは言えない。そんな中、これからの山口組の中核組織になるだろうと思われる幹部と真剣な語らいをした。筆者からの質問はただ1つ。親分と子分とのことについてである。「親が子を大切にしない組は必ず衰退するし、子が親を大切にしない組も必ず衰退する」とヤクザの原点を述べた後に、「そうした親と子の中で、ヤクザの掟という意味が身につく。ヤクザを取り巻く社会の厳しい目、そして警察の厳しい取り締まりは更に強くなるでしょう。しかし、我々は侠客として男の道を選んできたんです。この道をきちんと守り抜くことでこそ、我々は生き続けることができる。愈々、ヤクザの魂の時代です」と教えてくれた。 (取材・文/フリージャーナリスト 成田俊一)


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