【“地震予知”という名のニセ科学】(07) 新保険料率増減リスト掲載! 地震保険料率引き上げのカラクリ

戸建て新築時や分譲マンション購入時に誰もが加入を迷ってしまう地震保険だが、保険料率は年々上昇している。加入率や地域別のリスク判定はどうなっているのか? (取材・文/フリーライター 高島昌俊)

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住宅ローンを組む際、火災保険は完済までの加入が義務付けられている。任意である賃貸の場合でも、多くの世帯が入っている筈だ。それに対して地震保険は、持ち家・借家に関係なく全て任意だ。『損害保険料率算出機構』の調べによると、2015年度の地震保険の加入世帯率は29.5%と、全世帯の凡そ3割。それでも、調査開始の1994年時点では9%しかなかったものが、毎年右肩上がりで上昇を続け、約20年間で3倍以上に増えている。特に1995年の阪神淡路大震災、2004年のスマトラ沖地震の後は例年以上の伸びを見せており、2011年の東日本大震災の後は5年間で実に5.8%も増えている。とはいえ、地震大国という日本の事情を考えると、加入率は低いと言わざるを得ない。2016年11月現在、我が国で加入できる地震保険は商品単体で独立している訳ではなく、全てが火災保険の付帯保険という扱いだ。わかり易く言うと、オプションとして用意されている保険に過ぎない。そんな“おまけ”みたいな扱いの地震保険だが、保険料は加入を躊躇してしまうほど上昇の一途を辿っている。2014年7月には全国平均で15.5%の保険料率引き上げを実施したが、2017年1月にも5.1%が引き上げられる予定だ(※変更後の料金は下表の通り)。但し、引き上げがこれで終わりかといえばそうではない。同年以降も時期は未定ながら数年の間に2回の改定が控えており、2017年1月時点の料率よりも平均19%も高くなることが確定している。「地震が起きた場合のことを考えると加入しておきたいですが、家計の面から考えると、これほどの急激な保険料率の上昇は、間違いなく大きな負担になるでしょう」。そう話すのは、地震保険を始め各種保険に詳しい生活経済ジャーナリストの柏木理佳氏だ。

地震保険料率は各都道府県によって細かく分けられているが、2017年1月は多くの自治体で引き上げとなる中、逆に下がっている地域もある。これは何故なのか? 「地震保険の保険料率は、各都道府県や発生リスクに応じて1~3等地に区分され、同じ等地でも更に細かく料金が分かれています。保険料率は構造によって、主に鉄筋コンクリートの建物・木造建築の2種類が存在しますが、それが予てより懸念されている南海トラフ地震のリスクを反映させて、震源モデルを更新しました。結果、地震リスクが最も高いとされる3等地→2等地、2等地→1等地へと引き下げられた自治体もあった。全体的には保険料率自体は引き上げになったにも拘わらず、等地ランクが下がったことで、対象地域においては事実上の値下げになってしまった訳です」(同)。具体的には、愛知県・三重県・和歌山県で15.3%のダウン。逆に埼玉県は14.7%、茨城県・徳島県・高知県では14.4%増と、平均以上の大幅引き上げとなっている。とはいえ、常に新しい震源モデルが反映される為、これはあくまで現時点でのものに過ぎない。しかし、本来なら保険商品の料金引き上げは、そう簡単に行われることはない。にも拘わらず、何故地震保険の保険料率だけが短期間でここまで引き上げになるのだろうか? 「大地震の発生リスクを考えた場合、『従来の財源では十分にカバーすることができない』と判断したからです。抑々、地震保険は生命保険や自動車保険等のように、各保険会社が用意する保険商品と性格が異なります。形態こそ各保険会社の火災保険の付帯保険という扱いになっていますが、地震保険は国が運営に携わっている特殊な保険。つまり、国の政策が反映されているのです」(同)。確かに、1966年に『地震保険に関する法律』が施行され、1980年に改正。条文には、「地震等による被災者の生活の安定に寄与するため、次の要件を備える地震保険を保険会社が引き受けた場合に、政府は再保険を行なうことができる」と定められている。更に同法には、「保険の対象は住居や家財のみ」「地震や噴火、それによる津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失による損害のみを填補」「独立させた保険ではなく特定の損害保険契約に附帯させる」「保険金額は、附帯される損害保険契約の保険金額の30~50%に相当する金額が原則」といった内容が盛り込まれている。要は、地震を起因とする災害が保険適用の対象だが、補償額は付帯元の火災保険の50%を超えることはない。あくまで完全復旧ではなく、被害者の生活再建が目的なのだ。そして、地震保険の独占禁止法の適用除外も明記されている。その為、地震保険は各保険会社で取り扱う火災保険に付帯されているが、中身自体に大差も無ければ、どれだけ地震保険の加入世帯が増えても保険会社の利益にはならない。営利目的の販売ではない、謂わば“護られた保険”なのだ。とはいえ、冒頭でも触れたが、肝心の地震保険の加入世帯は期待したほど増えず、阪神淡路大震災で支払われたのは783億円。当初の想定を大きく下回った。その後、東日本大震災では加入世帯が増えたことで、支払われた地震保険は1兆2579億円と大幅に増えたが、震災直前の岩手県の世帯加入率は12.3%、福島県も14.1%と平均以下。地震保険に入っていなかったことで、生活の立て直しに苦労した世帯も多かった。

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ところで、先程も触れたが、この地震保険には“補償額は火災保険の最大50%”という上限が決められている。わかり易く言うと、2000万円を補信する火災保険に付帯する形で地震保険に加入していた場合、その補償額は1000万円になる。でも、被災したら無条件で貰える訳ではない。満額補償の条件となるのは、家屋の構造部に5割以上の損害があった全損の場合。2割~5割未満は半損で25%の500万円、それ以下なら5%の50万円となる。「ここで注意しなければならないのは、全損だと思っていたのに半損と査定されてしまうケースがあること。大地震で被災した場合、仮に半損であっても住み続けるのが難しかったり、立て直したほうが安く済むケースも珍しくありません。損壊状況をどう判定されるかで手に入る金額も違いますが、何れにしても地震保険に加入していなければ受け取ることはできません。家計をやり繰りしてでも入っておくべきです」(同)。だが、改正後の地震保険料率を見ると、東京都・神奈川県・千葉県・静岡県の木造住宅は1年で3万2700円と最も高い。付帯とするにはあまりに高額で、1円でも安い食材を求めてスーパーマーケットをハシゴする主婦にしてみれば、躊躇せずに加入とはいかない筈だ。「被災しても生活を再建できるだけの預貯金があればいいですが、一般のサラリーマン世帯には厳しい筈。特に、震災で家に住めなくなったら、住宅ローンの返済額が多いほど生活が厳しくなります。しかし、少しでも地震保険の支払いを抑えたいのであれば、保険料が上がる前、2016年のうちに加入する方法もあります」(同)。東京都・神奈川県・千葉県・静岡県の木造住宅の場合、値上げ前に加入すれば、5年一括払いで13万600円。値上げ後の5年一括払いが14万5400円の為、1万4800円もお得だ。尚、地震保険とは別の『地震補償保険』というのもある。『SBI少額短期保険』が取り扱っている『Resta』という保険だが、こちらは保険会社独自の財源による保険商品。当然、保険金額の設定・被害の認定方法・損害の認定区分は其々異なる。「300万~900万円補償の各プランが用意されており、地震保険にプラスする形で加入するのはありだと思います。それに、地震保険では1点30万円以上する高額な家財は補償外とされてしまう場合が多い為、それを同保険で補うことができます」(同)。地震で住む場所を失った場合、先立つものが無ければ生活は直ぐに立ち行かなくなってしまう。大地震の発生頻度を考えれば、自分が被災する可能性は十分にある。いざという時の為にも、やはり加入しておいたほうがよさそうだ。 =おわり

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