【儲かる農業2017】(09) 農家が“買い叩き”に悲鳴…小売り・外食の理不尽要求

“儲かる農業”を阻む要因とされるスーパーマーケット等の買い叩きについて、担い手農家アンケートで尋ねた。契約期間中に一方的に値下げを要請する等、呆れた実態が明らかになった。

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政府は昨秋に取り纏めた『農業競争力強化プログラム』で、スーパーや中・外食チェーン等の優越的地位の乱用による農産物の買い叩きについて、「徹底した監視を行う」と明記した。そこで、本誌は担い手農家に、有名スーパー等が「適正価格で農産物を調達しているかどうか」を評価してもらった。最も評価が高かったのは『セブン& アイホールディングス』系のスーパー(※『イトーヨーカドー』・『ヨークベニマル』)で、5点満点の満足度(※右表)は3.8点だった。イトーヨーカドーのプライベートプランド『顔が見える食品。』として、野菜を出荷する農家等が一定の評価を下した。一方、厳しい評価だったのが『イオン』系のスーパー(※『イオン』・『マックスバリュ』・『ダイエー』・『マルエツ』)だ。ダイエー向けに大根を出荷した農家からは、「年間契約で一定価格で売る約束をしたのに、即売市場の相場が下がれば『安くしろ』と言ってくる。一方、市況が好転しても私の販売価格は上がらないのに…」と不満を漏らした。『ローソン』に商品を納品した後、消費者の購入額の一定割合をポイントとして還元する『Pontaカード』のポイントを、販促費として負担するよう要求された例もあった。

こうした契約期間中や納品後の実質的な値下げ要求は、スーパーやコンビニに留まらないようだ。名前を聞けば誰でも知っている外食チェーンと取引していた農家は、うどん用の青葱を一定の価格で出荷していたのだが、「3年ほど前に突然、契約農家に一斉にファックスが送られてきて、3割の値下げを求められた」という。中国産でもいいから希望価格で納めるよう求められた農家は、「国産食材を売りにしている企業なのに幻滅した」と話す。実は、これと全く同様の事例をアンケートに書いてきた農家が複数あり、問題の根深さが浮き彫りになった。全国の同社の契約農家にとって相当の衝撃だったようで、今も語り草になっているという。やはり有名外食チェーンの例で、レタスを納品した農家が、出荷後1ヵ月半も経過してから「ロス(※使えずに捨てた部分)が多かったから値引きしろ」と言われ、応じざるを得なかったという回答もあった。一方で、「実は大手小売り・外食は未だ行儀がいいほうで、地方の中小スーパーや漬物等の食品メーカーのほうが常識外れの値下げ要求をしてくる」という指摘もあった。こうした値下げ圧力は農家にとって難儀なことではあるが、食品を消費者に提供する企業にとって、原料を安く調達する努力は当然の行為とも言える。「資本主義の下では買い叩くことが正義であり、当然のことである」と書いた農家もいた。そんな中、一風変わった“告発”もあった。企業でもないのに買い叩く輩もいたのだ。「ふるさと納税の返礼品としてジャムを開発したい」と、とある市から原料の果物を供給するよう頼まれた農家。だが、価格を聞いて仰天。常識的な値段の半額未満だったのだ。この農家は、「地域振興が目的のふるさと納税で憂き目に遭うとは…」と肩を落とす。大手資本のみならず、行政という想定外の敵に遭遇した農家の失望は、察するに余りある。


キャプチャ  2017年2月18日号掲載
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