【コラム】 けじめはきっちりつけたい

僕は自他共に認める煙草大好き人間ですが、2日間だけ煙草を止めたことがあるんです。ある方から「止めないか?」と言われましてね。身体はどこも具合の悪いところは無いんですが、年齢的なこともあるし、丁度『明治座』の稽古だったので、煙草を持たずに稽古場に入ったんです。ところが稽古2日目、稽古を始めて暫くしたら、マネージャーがすーっとやって来て、僕の横に煙草を置くんですよ。「何やっているんだ?」って文句を言ったら、「劇団員が『吸って下さい』って」という。どうやら、いつもの稽古よりずっと厳しかったらしいんです。「劇団員全員が、『出来れば先生に吸ってほしい』と言っています」って言われて、以来、止めるのは止めにしました。僕は曲がったことが大嫌いな性分だから、テレビでもはっきり言います。「日本は自由主義の国だから、吸うも勝手、吸わないも勝手。俺は吸えないところには行かないから」って。僕は、「吸いたいなら煙草を吸えない場所に行かないというのが、吸う者のマナーだ」と思うんです。タクシーで煙草が吸えなくなったでしょう? だから、僕はタクシーには乗らないんです。テレビ局に自分の車を運転して行きます。駐車料金のほうが安くて助かっていますよ。新幹線も煙草が吸えない地域は行きません。飛行機も乗りません。この間、家族はハワイに行ったのですが、僕だけ日本で仕事していました。マナーっていえば、僕は喫煙者のマナーには厳しいですよ。街角で煙草を捨てるような若者がいたら、面と向かって怒鳴ります。でも、「これだけ喫煙に厳しい世の中になると、マナーの悪い喫煙者は殆どいないのではないか?」と感じます。煙草に関しては、吸う人も吸わない人もお互いがマナーをきっちり守って、気持ちよく暮らしていきたいものです。昔は、子供が悪いことをすると叱ったり、朝帰りすると町内に喋っちゃう年寄りがいたもんです。昔の人は他人の子供を人前で平気で叱ったりしました。他人でもやっていいことといけないことの区別を教えてくれることも、良いことだったと思います。でも、今ではそういう大人もすっかり他人に干渉しなくなってしまった。大人が年下の世代に文句ひとつ言わなくなってしまったんです。芸能界でも、僕だけが化石のように、義理がどうだとか人情がどうだとか、親父の本音を言い続けているような格好です。ですが、大切なことは言い続けないと。どんな時代になっても、いくつになっても、けじめをつけたい気持ちだけは変わりませんね。 (俳優 梅沢富美男)


キャプチャ  2017年5月18日号掲載
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