【Test drive impression】(21) 『レクサス LC500h』――月販目標の36倍を叩き出した話題の超高給クーペを公道試乗

今年3月16日に発売された『レクサス』渾身のフラッグシップクーペ『LC』。価格は1300万~1450万円という超セレブ級! 1日に48台しか生産できないのだが、発売から約1ヵ月で1800台を受注した。これは月販目標の36倍という数字だというから、驚くしかない! そんな話題の新型モデルに先月18日、試乗した。先ず、LCが生産される愛知県豊田市にある元町工場を見学取材。それからLCに乗り込み、愛知県豊田市を起点として、琵琶湖や比叡山を経由して京都までを走った。試乗したのは、5リッターV8のガソリンモデル『LC500』と、3.5リッターV型6気筒自然吸気エンジンにリチウムイオンバッテリー駆動の電気モーター2基を結合したハイブリッドモデル『LC500h』。因みに、この2モデルのトランスミッションは、LC500が新開発の10速AT! LC500hは、ハイブリッド用の電気式無段変速機を搭載している。こちらもパドルシフトによって、10段階のマニュアル操作が可能になる。では一体、どんなフィーリングなのか? 最初に乗った5リッターV8は、とてもスッキリしていて爽快。圧倒的な速さは無いものの、エンジンがどこまでも綺麗に回って、伸びやかに加速していく。“上品な速さ”と表現するのがいいだろう。しかし、エンジンサウンドには拘っており、回転が上がるほどに美しい音色をドライバーに届けてくれるのだ。

そして印象的なのは、静粛性の高さと乗り心地の良さというコンフォート性能の高さ。これは流石レクサス。美しいクーペボディーに相応しい優雅な感覚があり、上質なカーペットの上を歩いているような路面に吸いつく感覚だ。京都を目指す途中、甲南パーキングエリアで次の車に乗り換える。今度はLC500h。こちらは3.5リッターのV6エンジンに、新たなマルチステージハイブリッドシステムを組み合わせたモデルだ。エンジンの最高出力は299馬力、 最大トルクは36.3kgmだが、これに最高出力180馬力、最大トルク30.6kgmのモーターが加わる。システム全体では359馬力という最高出力を発生する。速さは5リッターのV8モデルに軍配が上がる訳だが、こちらはV8以上に更に洗練されたフィーリングでとても上品。清々しい加速とはまさにこのこと。モーターの滑らかで力強い加速と、エンジンの伸びやかな加速が相俟って、スーッと胸の空く加速が生まれるのだ。また、街中はEVモードで走れてしまうのもいいところ。“静かに優雅に”を可能としたラグジュアリークーペというのは、それだけで貴重な存在だ。しかも、LC500hのJC08燃費は15.8㎞/リッターと悪くない。マルチステージハイブリッドを備えたことで、これまでのハイブリッド車のように、アクセルを踏むと加速が遅れてやってくる。“ラバーバンドフィール”感が解消されている。アクセルに対してレスポンスよく変速する上に、ダイレクト感が高いのが特徴だ。それだけに、ワインディングでのアクセルワークにもかなり応えてくれる気持ちいい走りを実現してくれている。

LCは、レクサスの新世代を切り開くフラッグシップクーペ。目を奪う個性的なデザインと、非常にスッキリとした走りを高次元で融合させており、今回試乗して、確かにレクサスの新時代への“気合い”の強さを痛感した。余談だが、タイヤは迫力の20インチと21インチが設定され、どちらもランフラットタイプである! そんなLCだが、未だ完璧ではない。気になるところも挙げておこう。ズバリ、高速域での直進安定性。これはもっと高めてもいい。現状だと僅かに頼りなさを感じる部分もあるので、どこまでも矢のように突き進むしっかり感が欲しいところ。この部分が進化したら、もっと走りが評価されるのではないか。そして最後に、「V8とハイブリッド、どちらのLCが良いか?」と聞かれたら、河口まなぶはハイブリッドを推す! やはり、他のブランドの車では味わえないシームレスな加速は、レクサスならではの魅力。そしてハンドリングに関しても、とてもスッキリした滑らかさを持っているので、この2つの特徴が組み合わさると、まさに他の何にも似てない“レクサスらしさ”になると言えるからだ。LCは未だ産声を上げたばかりだが、レクサスが目指す方向が見えた1台でもあった。そう考えると、今年登場するLCと同じ新世代のFR車用プラットフォーム『GA-L(グローバルアーキテクチャーフォーラグジュアリービークルズ)』を採用したフラッグシップセダン『LS』にも期待したくなる。今年はレクサスに注目だ!


河口まなぶ(かわぐち・まなぶ) 自動車ジャーナリスト・『日本カーオブザイヤー』選考委員。1970年、茨城県生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業後、『モーターマガジン』のアルバイトを経て、1995年からフリーに。現在、YouTubeLIVEにて『LOVECARS!TV!』(毎週金曜日22時)の司会を担当中。


キャプチャ  2017年5月29日号掲載




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