【文在寅の韓国】(03) 財閥改革は“オオカミ少年”

20170524 02
「財閥改革の先頭に立ちます」――。今月10日の国民向け演説。青色のネクタイと濃紺のスーツに身を包んだ大統領の文在寅(64)は、減速する韓国経済を立て直す為、雇用改革と共に財閥改革を進める考えを高らかに訴えた。公正取引委員会委員長に内定した漢城大学教授の金商祚(54)は、「創業家による不透明な経営支配と財閥優先の経済構造の解消が必要だ」と、文の狙いを代弁する。韓国は、経済成長率が2年連続で2%台に低下。「グローバル競争で疲弊し、余力が無い企業に代わり、政府が経済改革を主導する」というのが文政権の構想だ。政経癒着も厳しく断罪する。文は選挙戦のテレビ討論で、贈収賄の罪で起訴された『サムスン電子』副会長の李在鎔(48)と、前大統領の朴槿恵(65)について、有罪判決が出ても「恩赦を考えたことはない」と明言した。

だが、就任から1週間。財閥改革の“先頭に立つ”動きは見られない。演説の2日後に『仁川国際空港公社』を訪問。「任期内に公共部門の非正規職ゼロ時代を開く」と宣言し、正規職化のロードマップ作成を指示したスピード感とは対照的だ。「半年ぐらいは様子見だ」。大手財閥の幹部は、冷ややかに文を見つめる。文自身も、盧武鉉(※故人)政権時代、サムスンの不正資金を巡る捜査で、同社に手心を加えた疑惑が取り沙汰された。大手財閥は、文の財閥改革に対する“本気度”を疑っている。“オオカミ少年”――。新大統領が誕生する度に財閥改革が叫ばれては何も変わらない韓国の状況は、こう例えられる。韓国経済の屋台骨である財閥の改革は、口で言うほど容易くはない。「『財閥の力を借りないと経済成長は不可能だ』と、新政権もわかっている筈だ」と、別の大手財閥幹部も高を括る。文に近い議員によると、新政権は具体的な財閥改革案として、仕事を身内に発注して非財閥企業を除外する不公正な商取引の禁止策導入等を検討している模様。だが、ある財閥幹部は、「グローバル競争を戦う我々に、実力の無い身内を使う余裕は抑々無い」と苦笑する。新政権誕生毎に浮かんでは消える財閥改革論。大手財閥と取引の多いある日系企業幹部は、首を捻る。「時間のかかる財閥改革より、企業統治等、経営のグローバル化を先に議論すべきなのに…」。 《敬称略》


⦿日本経済新聞 2017年5月19日付掲載⦿
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