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120人以上のオーナーが集団訴訟! 大家を騙してボロ儲けな『レオパレス21』のえげつない手口

家賃収入10年保証は大嘘だった! 女優の広瀬すず出演のテレビCMでお馴染み、不動産サブリース業大手『レオパレス21』の不誠実な対応に、オーナーが激高。裁判が始まっているという。レオパレスのボロ儲けの手口とは――。 (取材・文/フリージャーナリスト 小石川シンイチ)

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「レオパレスに騙された!」。取材した大家たちは、そう口を揃える。レオパレス21(東京都中野区)といえば、広瀬すず出演のテレビCMでもお馴染みの不動産サブリース業界大手。不動産サブリース業は、アパートオーナーの所有している土地にアパートを建てさせ、そのアパート全体をオーナーから借り上げる形にして、入居者に貸す。アパート建設からアパート管理まで一式を丸受けすることで、コストを圧縮し、多くの利益を出すことができるビジネスモデルだ。現在、安倍政権下の経済政策『アベノミクス』による『日本銀行』の異次元金融緩和政策で、地方のアパート投資に大量のマネーが流れ込んでいる。日銀の貸出先別貸出金によると、2016年の金融機関による不動産融資は、前年を15.2%上回る12兆2806億円だった。統計は1977年まで遡れるが、2016年が過去最高。融資先に悩む地方銀行が、地方の地主や定年退職組を中心に融資を行い、局所的な不動産投資バブルが起きている。その恩恵を受けているのが不動産サブリース業、延いてはレオパレスなのだ。レオパレスの物件は家具・家電付きの上、賃貸業の経験も豊富な為、入居者にも事欠かない。この為、“(オーナーへの)家賃収入10年保証”や“30年借上げ保証”等を売りにして、オーナーの奪い合いをしているほどだ。テレビCMを積極的に展開しているレオパレスは、知名度も上々。子会社に家賃保証会社『プラザ賃貸管理保証』等も抱えており、2016年3月期で売上高は5114億円、営業利益は209億円と4期連続増収、7期連続増益とボロ儲けなのだ。管理戸数は約56万戸で、『大東建託グループ』(約92万戸)や『積水ハウス』(約56万戸)と共に上位グループに入っている。2004年に東証1部に上場した株価も“アベノミクス銘柄”として好調で、2014年にはJPX日経インデックス銘柄に新規採用されるほど。しかし、2016年8月には750円を上回っていたものの、同年11月には600円を切るショックに見舞われた。

更に、レオパレスと契約を結ぶオーナーから訴訟を起こされる事態になっている。「一部のオーナーで作るLPオーナー会(※本部は名古屋市・全国組織のレオパレスのオーナー会)が、レオパレスの不誠実な態度に疑問を抱いて提訴したのです。1つは、2016年11月に報じられた、家具・家電総合メンテナンスサービスを巡るオーナー128名による集団訴訟。請求総額は約4億7000万円強になります。更に、2017年2月には、『家賃収入が10年間変わらないという契約でアパートを建てたのに減額された』として、減額分の支払いを求める集団訴訟も起きています。これまで不動産業界で囁かれていたレオパレスの闇が、裁判によって次々に明らかになりそうです」(経済誌記者)。何れも100人を超えるオーナーの集団訴訟で、裁判所の判断によっては、レオパレスだけでなく、同様のトラブルを抱えるとされる不動産サブリース業全体も突かれる可能性がある。業界にとって致命傷になりかねない爆弾なのだ。「レオパレスの巧みな営業トークで、多くのオーナーがアパートの建設を決意しましたが、資金が回収されていない事例が多発しています。この事実を、これからアパート建設を検討中の全国のオーナーに知ってほしい」。そう語るのは、一部のオーナーで構成される『LPオーナー会』代表の前田和彦氏だ。前田氏も、嘗てはレオパレスのシステムを好意的に捉え、レオパレスが発行するオーナー向け雑誌の記事に登場するほど信頼関係のあるオーナーだったという。そんな関係に罅が入ったのは、前田氏が太陽光発電設備を導入しようとしたことだった。レオパレス側の出してきた見積もりが、市価よりも4割ほど高かったのだ。建築設備士の資格を持つ前田氏は、太陽光発電設備の原価も知っていた為、交渉の過程で不信が募り、更にレオパレス側のこれまでのコストを検証してみた。そこで浮上してきたのが、「レオパレスは家具・家電メンテナンス契約の家具交換レンタルを殆どやっていない」という問題だった。レオパレスのオーナーは、家具家電総合メンテナンスサービスも契約している。これは、レオパレス物件の売りである家具・家電をレオパレスからオーナーがレンタルする契約で、レンタルした家具・家電はレオパレス側の費用負担で定期的に(7~14年)新品に交換してもらえるという内容だった。家具・家電が新品か中古かで客付けに大きな差が出るだけに、オーナーにとっては重要なポイントだ。「ところが、契約年数が経過しているにも拘わらず、家具・家電が新品に交換されないケースがあるのです。私たちは、賃料の安い地域でも一律で月2000円/戸のサービス料という高い負担を払っているのに、一体どこに消えたのか。2014年1月にオーナー会を立ち上げ、情報収集を開始。同年8月から翌2015年4月にかけて、契約の年数を経過した家具・家電について新品に交換するようレオパレスに要請しましたが、その回答は期待した内容ではなく、交渉も不調に終わったことから、集団訴訟に踏み切ったのです」(前田氏)。2016年11月に提訴し、翌2017年2月に初公判が開かれたが、弁護士1人の原告に対し、被告であるレオパレス側は何と20人を超える弁護団で臨んでいる。

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更に、家賃収入10年保証に関する問題についても、オーナー会は集団訴訟を起こしている。家賃収入が10年間変わらない10年保証契約。これは、オーナーがレオパレスをサブリース業者として選ぶ大きな理由となっている。しかし、それが実は大嘘だというのだ。「建築費坪単価は約60万円。1部屋あたり約500万円かかります。これ自体、相場よりも高くなっていますが、契約の際、提示される条件は利回り5~8%です。レオパレス側は、高い入居率を元に事業計画書の作成や経年収支シミュレーションを行い、“薔薇色のプラン”を提示してきます。この条件で10年保証の筈なのですが…」(前田氏・右画像)。例えば、愛知県知多市に住む男性オーナー(80)は、2階建てアパート(20戸)を建て、2005年1月にレオパレスと月額家賃収入7万7800円のサブリース契約を結んだ。レオパレスは「30年間、賃料は減額しない」と説明。契約書では「賃料は当初10年間は不変」と明記されたが、経営難を理由に、6年後の2011年10月に約10万円の減額を求め、男性はやむなく受け入れることになった。だが、業績の回復後も家賃は戻らないことから、男性は家賃の増額と、交渉を始めた2016年7月からの差額約81万円の支払いを求めているというのだ。アパートは、やはり新築時は入居率100%になるが、2年毎の更新を経て、老朽化と共に入居率が下がっていくリスクがある。その不安を補う為のサブリース業者の家賃収入10年保証・30年保証なのだが、思うように入居率が上がらず、オーナーへの支払いを減らし、結果的にトラブルになるケースが相次いでいる。国土交通省は2016年9月、契約時に「将来的に家賃が減る恐れがある」との説明を業者に義務付けた。「『倒産する』と泣き落としされたり、『減額したくないのであれば、ご自分でアパート経営されたら如何ですか?』と仄めかされ、やむなく減額を受け入れた人が殆ど。同様の減額事案は全国で相次いでおり、少なくとも100人以上のオーナーが一斉提訴を検討している」(同)。

それにしても、何故レオパレスは10年保証の契約を無視することができるのか? それは、現行の借地借家法が借り主に有利にできている為だ。同法に基づくと、“10年間家賃は固定”という契約は借り主(※この場合はサブリース業者)に不利な条件の為、たとえ契約書に記載されていても無効になってしまうのだ(賃料不減額特約の無効)。本来は消費者保護の為の法律なのだが、その仕組みをレオパレスは逆手に取った格好だ。こうしたレオパレス問題は、2013年の国会でも社会問題として取り上げられている。衆議院予算委員会で取り上げたのは、日本共産党の宮本岳志議員。議員の地元のケースとして、次のような驚くべき事例を紹介している。レオパレスがあるオーナーに勧めたのは、建築工事費総合計が約2億4800万円で1K54戸、駐車場9台のアパート建設。レオパレス側は、「建築工事費2億4800万円を金利6%で金融機関から借りて、25年ローンで返済しても、返済月額は161万円余りになる。一方、レオパレスがアパートを30年一括借り上げすることによって、家賃は月額260万円ほどになるので、ローンを返した上に、貴方の毎月の手取り収入は98万円になりますよ」と説明。この事例は1996年のケースの為、金利が6%と高い。しかも、この事例では何と、16年後に突然、レオパレス側が一方的に契約終了を申し出たというのだ。これが、管理する物件に空室が増えてくるとレオパレスが行う“終了プロジェクト”である。宮本議員は衆議院予算委員会で、こう続ける。「この終了プロジェクトの内容たるや、凄まじいものです。10年を超えた案件は基本的に、解約を前提とした交渉を行う。オーナーから解約の話が出なければ、ローン返済ができないような大幅減額を提示して、相手から解約を申し出るように仕向ける。10年未満の物件についても、賃料減額を目指すよう指示をしております。とりわけ、レオパレス21の物件はテレビ・冷蔵庫・洗濯機等の家財道具が全てリース物件として備え付けられておりまして、サブリース契約が解除となればリース物件も返却される為、入居者は今言ったテレビ・冷蔵庫・洗濯機等一式を失うことになります。この為、レオパレス21が入居者に近隣のレオパレス物件を紹介することで、契約解除時にはアパートは全室空っぽにしてオーナーに返すという事態が多発しております」。何と、サブリース契約が解約されると、入居者は一斉に引き上げされ、入居率ゼロになってしまうのだ。借金返済はできず、オーナーの立場から自己破産者に転落である。「更にレオパレス側は、都市ガスのエリアにも拘わらず、プロパンガスを設置しようとします。これは、プロパンガス会社がガス回り一式工事を負担する契約をレオパレスと結んでいるので、工事費が安く済む為です」(前田氏)。前出の経済誌記者は、「今後、更にこうしたサブリース業界の問題が社会問題化するのではないか?」と危惧する。「最近は更に深刻になっています。サブリース業者は、オーナーの居住エリアの中で、実際に回収できるかは兎も角、高い利回りが計算されそうな駅近の土地を見つけてきて、オーナーにアパートを建てさせるのです。更に、地方銀行がサブリース業者の高い利回りの“薔薇色”のプランを碌に審査せずに、融資してしまう。ところが、アベノミクスが始まって4年、建築されたアパートの更新時期が迫り、次々と空室率が上昇し始めています。その破綻したプランで首が回らなくなるオーナーも出かねず、社会問題化しそうなのです」。レオパレス物件といえば、隣の部屋の話し声も聞こえる安普請とされているが、オーナーの悲鳴も薄い壁の向こうから聞こえてきそうだ。


キャプチャ  第20号掲載




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