【南鳥島に注目せよ!】(09) 地層から発見! 高濃度のレアアース泥

20170531 11
1998年から2008年にかけて、海上保安庁は南鳥島周辺海域の詳細な海底地形を調べる為、マルチビーム音響測深を行っている。これは、簡単に言えば海底に音響ビームを発信し、その反射強度を調べることで、海底を“面”で捉えた測量を可能とするものだ。そして、海底火山に見られるような硬い岩石は、音波を強く反射する。調査に携わった研究者たちも、「強い反射強度を示したある地点に存在するのは、海底火山の一種である“プチスポット火山”だ」と予測した。しかし、有人深海探査船『しんかい6500』で潜水調査を行ったところ、思いもよらぬ光景が待ち受けていた。そこにあったのは海底火山ではなく、地底を埋め尽くすほどのマンガン団塊だったのである。このマンガン団塊、実はレアアース泥と密接な関係にあると考えられている。例えば、ハワイの周辺海域。ここでは、レアアース泥の分布海域とマンガン団塊の密集分布域が見事なまでに重なっている。

また、その化学組成――つまり物質を構成する元素や化合物等の比率も、レアアース泥と非常によく似ている。マンガン団塊が生成される過程については第4回で解説しているが、レアアース泥がそこに大きく関わってくるパターンもあるのだ。レアアース泥が海底深くに埋没すると、そこに含まれていたマンガンや鉄は次第に海水へと溶け出していく。海水に含まれている酸素と混じり合って、マンガンや鉄は酸化。それらがコア(核)に吸着し、長い時間をかけて少しずつ大きくなり、軈て“塊”となる。こうして、レアアース泥からマンガン団塊が生み出されるのである。それ故に、海底にマンガン団塊が密集分布している海域では、レアアース泥も発見されることが多い。南鳥島の周辺海域等は、まさにそのケースと言える。では、ここで左上図をご覧頂こう。やや専門的になるが、これは南鳥島の周辺海域で採取された“コア試料”のデータだ。コア試料とは、ピストンコアラーを用いて採取した海底堆積物の試料のこと。長さ15mの管を、レアアース泥が存在しそうな海底に突き刺して、そこに含まれている物質や、その地層が作られた年代を調べる訳である(※第5回参照)。3つのコア試料データを掲載しているが、レアアースの含有量が多かったのは、やはり白亜紀である1億2000万年前~9000万年前に形成された“古くて深い”地層。火山活動が活発だった時期の層なのだから、当然といえば当然だ。ところが、海底面から10m前後の深さ、年代にして凡そ1500万年前~1000万年前という比較的“新しくて浅い”地層からも、1000ppmを超える高濃度のレアアース泥が採取されたのである。その理由は未だ解明されていないが、これが朗報であるのは間違いない。浅い地層であればあるほど、開発コストや難易度はグンと下げられるからだ。


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