池田大作名誉会長を頂に網の目の如く全国に管理職を乱立させる『創価学会』――複雑多岐な役職網、水も漏らさぬ会員の管理方法とは?

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宗教団体が組織を維持し、尚も拡大させるには、信者を途切れなく増やし続ける布教が要である。更に大事なことは、入信してきた信者を教化育成して、教団に定着させ、如何にして一級の活動会員に育てるかだ。地下鉄サリン事件を起こし、日本はおろか世界中を震撼させたあの『オウム真理教』(※現在は『アレフ』と『ひかりの輪』に分裂)でさえ、「平成28年(2016年)中、約130人の新規信徒を獲得し、さらに新たな活動拠点を確保」(※『平成29年1月 内外情勢の回顧と展望』・公安調査庁)と、布教に怠りなく執拗な生き残りをかけている。国からも社会からも危険視されているこのような教団でさえも、布教に努力し、拠点施設を新たに築き上げていく根性は、並大抵のものではない。それというのも、教団の運営資金を確保する為には、信者の“浄財”が全てだからだ。言うまでもなく、折角会員にした信者たちを脱会させる失態は、教団にとっては痛手である。その為、信者勧誘の布教と同時進行で、如何に会員を教団に定着させるかが、教団幹部たちの重要な責務になる。公称会員数827万世帯のマンモス教団『創価学会』も、例外ではない。ホームページや機関紙の『聖教新聞』等によると、会員数が順調に伸張している。だが、減少する会員数について公表することはない。教団の信者数は教勢を誇るバロメーターで、世間に対する人気度を示すようなもの。宗教の“正しさ”をアピールする上でも、信者数の加増が教団の欠かせない必類条件の1つである。だから教団は、信者数の減少を殊の外嫌うし、組織の運営にもダイレクトに響く。では、創価学会は日々、どんな対策を駆使して会員の離脱を抑えているのか?

創価学会の場合、組織から離脱する会員のことを、古くは“退転者”・“休眠会員”・“退会者”、或いは“造反者”・“脱会者”等と呼称する。組織から落ちこぼれる信者も、末端の会員から活動家・中堅幹部、それに副会長といった最高幹部まで様々いる。草創からこれまでの90年近い歴史の中で、離脱した会員数も半端ではない。100万・200万世帯にまで上ろうか。会員が自主的に離脱していく理由は千差万別で、勿論、自然に退会していく会員も少なくない。東京都下に住む元古参幹部のF氏が言う。「現在もそうだと思いますが、信者の離脱を防ぐ為に、毎月の活動日程には“部員増加の日”、近年では“家庭訪問の日”があります。月々の座談会等、組織行事が無い日に、各組織を所轄する幹部クラスの人が、会合(集会)に出て来ない等組織活動を止めている会員の自宅を直接訪問して、指導する訳です。どうして会合に出て来ないのか、その理由等を尋ねて激励する訳ですね。嘗ては、そうした信者に対して“再折伏”という言葉も用いられました。似たようなことですが、座談会等行事が開催される当日、“連れ出し”といって、家庭訪問して会場まで同伴するということもあります。このようなきめ細かな幹部たちの組織活動によって、会員の離脱を抑えてきました」。また、会員が転居すると、転居先の住所に地元の創価学会員が訪ねていく。最初にコンピューターを導入した新宗教団体は『PL教団』だと言われるが、創価学会の場合も会員名簿の管理にそつがない。会員の離脱を防ぐ為にも、転居先の住所等が直ぐわかるような仕組みを構築しているのだ。会員名簿の管理がどれほど盤石か。一例を示すと選挙である。市区町選挙等で公明党議員が当選している各候補者の票数を見ると、当落差が僅か10票ほどということも少なくなく、当選順位が団子状態で見事に当選圏内に入っている。つまり、当選の投票数ラインを読んで会員の票を候補者に配分し、1票も無駄にしないという、まさに会員名簿を駆使した、他党には逆立ちしても真似のできない選挙戦である。未だある。長いこと都心部に1人で住んでいた年老いた母親が、千葉県下に住居を持つ息子夫婦に引き取られた。その母が引っ越して来て1週間もしないうちに、突然、地元の創価学会員たちが訪ねてきた。息子夫婦は伝統仏教の寺院にお墓を所有しており、学会員ではない。いつの間にか母親が創価学会に入会していたのも驚きだったが、息子夫婦は、水も漏らさぬ学会の会員管理に寧ろ目を見張ったという。東京の下町に住む70代のAさんは元創価学会員で、こんな体験を持つ。1960年代に入信し、熱心な学会の活動会員になった。会員数80人前後を束ねる男子部の隊長(※現在、この役職名は無い)という幹部職まで昇進する。しかし、1970年代後半に入ると自営業の仕事が多忙になり、毎日の学会活動が面倒になった。組織活動の時間を少しずつ減らし、所属が青年部から壮年部に替わった時期に、自然退会するような形で学会組織から遠ざかった。軈て各種行事の参加も完全に止め、聖教新聞の購読も断ってしまう。

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こうして、創価学会と縁を切って10年も経た1980年代に入って、Aさん宅に、昔、一緒に組織活動をしていた顔見知りの壮年部幹部が訪ねてきた。「Aさん、この度、池田大作名誉会長のご厚意で、昔、青年部隊長を務めた会員に、名誉会員章を授与することになったよ。大変な名誉だ。会館に賞状を受け取りに来ないか?」。Aさんは、「貰っても飾る場所が無いから」と拒否した。しかし、その後も件の幹部は、Aさん宅をしばしば訪ねて来るようになる。元会員を再び組織に戻そうとする“部員増加活動”の一環だったようだ。「今度開催される支部総会に、俺の顔を立てて参加してくれないか? 会場に座っているだけでいいから」と懇願する調子で、元会員を組織に復帰させようとする幹部の熱心さに、Aさんは脱帽したという。似たようなケースで、末端の会員が亡くなると、全員ではないが、池田大作名誉会長名で、“名誉支部長”とか“名誉婦人部長”といった賞状が贈られる。名誉欲を擽ることによって、残された家族を組織から離反させないという効果を狙う。東京都内に住む末端幹部宅を訪ねたことがあった。仏間に案内された時、豪華な仏壇と、本箱に並ぶ池田大作著作集の多さに驚いたが、それよりも、部屋中に飾られた賞状類の枚数に圧倒された。創価学会や池田大作名誉会長名で贈られたという各賞である。会員に授与する“名誉会員章”は、組織離脱を防ぐ謂わば“アメ”の効果を発揮する手法のようだ。アメの役割と言えば、組織の“役職采配”にも見受けられる。会員に役職を与えることで名誉欲を高め、合わせて活動会員として重責を負わせるという一石二鳥の役割を持つ。

前出のF氏が、こう語る。「組織同士で、折伏(布教)の世帯数や、聖教新聞の啓蒙(勧誘)数を競わせ、その成果がまた幹部昇進への道標になります。俗な言い方ですが、職場では平社員や、或いは店員・工員でも、学会組織の活動で会員から『部長!』とか『婦人部長!』等と呼ばれたら、何か偉くなったような気がするでしょう? 会員の前で指導するのも気分がいい。それに、役職を与えられ、配下に部員を持ったら、あだ疎かに組織を離脱することが難しくなりますからね。私が30人ほど集まっていた座談会に出席した時、出席した男女会員の半数程が、何らかの役職名を持っていましたね」。では、創価学会組織の役職形態は一体、どのような仕組みになっているのか? 池田大作名誉会長(※現在は名称を“先生”に変更)を頂点に、原田稔会長・長谷川重夫理事長・300人を超える副会長・総務会等、ピラミッド型である。その下に教学部・壮年部・婦人部・青年部・学生部・未来部(※小中高生)等がある。これら上部組織のトップにいる最高幹部たちが学会のエリート官僚で、信濃町の創価学会本部から給料を得ている有給幹部である。その下部組織が“方面”(都道府県)という地方組織で、都・府・県・圏(ゾーン=市・郡)に分かれ、其々の各県・各圏にも婦人部・壮年部・青年部(男子部・女子部)等の組織がある。各県や市の会館に勤務している地方の幹部たちや事務員も、本部から給料が支給されている。この辺りの地方組織から役職人事が複雑になる。例えば、“県”組織を束ねる役職のトップは“県長”である。だが、それとは別に“総県長”という役職人事が存在する。県長と総県長との役職は、果たしてどちらが偉いかわからない。が、県長は県の実質最高責任者で、総県長の役職は会社組織に譬えるなら、社歴が古く、もと前線で組織活動を重ねて功績を残してきた幹部たちが任命される。これが末端組織の役職人事になると、更に複雑さを増す。県本部・圏(ゾーン)の下に、“支部”(町単位)・“地区”(住居表示で集まったブロック)組織がある。この支部・地区にも其々、壮年部・婦人部・男子部・女子部が存在する。そうした各部の責任者に、壮年部支部長・支部婦人部長・男子部長・女子部長が任命されている。町単位の地区組織も同じで、壮年部地区部長・地区婦人部長・男子部地区リーダー・女子部地区リーダーという役職采配。創価学会の末端組織は、住居表示で組織化された10世帯前後の“ブロック”だが、全国に点在するこのブロックにも、壮年部ブロック長・婦人部ブロック担当員・男子部班長・女子部班長がいるのだ。その下が“会員”で、支部・地区の各組織には聖教新聞の配達や啓蒙(勧誘)の責任を負う役職名や、『民音(民主音楽協会)』のチケットを販売・集金し、学会が発行する書籍係もいる。このような過剰とも思える役職の乱発が、創価学会から会員の離脱を抑える効果を齎している。

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前出のF氏の話。「創価学会が急成長を遂げていた1960年から1970年代、信者が増えると、細胞分裂のように組織を分かれさせ、部長1人だった組織から2人の部長が誕生しました。しかし、布教に陰りが見えて、組織拡大も望めなくなりますと、組織内に役職の不満が生じます。『会員歴が同じで、活動成果も変わらないのに、何故、彼・彼女だけが幹部に任命されるのか?』ということですね。結果、活動にやる気を失う会員もいるだろうし、退会していくケースもあります。それで、役職を横に広く量産させて、会員の不満を解消したのでしょう。1県に県長と総県長が存在するのは、その典型的な例でしょう」。更に、定期的に開催されている“教学試験”の実施も、会員の離脱を防ぐ一方で、一級の活動会員に育てる効果を齎している。会員に創価学会の“教義”を刷り込み、如何にこの宗教が素晴らしいかを自覚させるのだ。試験に合格したら1級・2級の称号が与えられることも、会員の自尊心を高めてくれる。最後に、組織からの離脱を抑える最大の戦略を示そう。墓苑である。現在、創価学会は全国に14ヵ所ほどの巨大墓苑を所有する。1970年代後半、石狩の『厚田墓苑』に始まり、4万・5万基といった巨大墓苑を静岡・群馬・兵庫・宮城と相次いで開設した。創価学会が墓苑事業に着手した背景には、「邪教の伝統仏教寺院墓地に埋葬されたくない」といった理由もあった。だが、これが巨大な利益を生み、更には内部資料によると、「会員を半永久的に創価学会に持続させる」ことが目的だった。つまり、伝統仏教寺院がそうであるように、普段、信徒が寺院の活動に無関心でも、菩提寺がある限り、少なくとも彼岸等に寺院を訪ね、お墓にお参りする。創価学会の会員も同様で、墓地の購入者が亡くなり、或いは組織を離脱していても、残された墓地はたとえ家族でも勝手に転売はできない。つまり、墓地の所有者家族と創価学会の関係は、永遠に切れることがなくなるからだ。墓地はその点、組織から会員の離脱を防ぐ最大の防波堤にもなっている。


段勲(だん・いさお) フリージャーナリスト。1947年、宮城県生まれ。東洋大学文学部卒。『週刊ポスト』記者を経てフリーに。宗教・社会問題・人物・健康等について幅広く執筆。著書に『千昌夫の教訓』(小学館文庫)・『創価学会インタナショナルの実像 池田会長が顕彰を求める理由』『反人間革命 創価学会へ入信した男の一生』(共にリム出版新社)・『定ときみ江 “差別の病”を生きる』(九天社)等。


キャプチャ  2017年4月号掲載




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