【警察・腐敗する正義】(21) 「癒着・裏切り・友情…色々ありました」――竹本良行氏(仮名・元『山口組』3次団体組長)インタビュー

現在は実業家として活躍する竹本良行氏(仮名・49)だが、過去には全国最大のヤクザ組織『山口組』の武闘派組長として、壮絶な人生を歩んできた経歴を持つ。中でも、ヤクザ史上最大の抗争として語り継がれる『山一抗争』に参加し、自らも懲役通算21年の獄中生活を送った。その後、紆余曲折を経て堅気に。常人では考えられないような体験をした竹本氏に、現役時代から現代に至るまでの警察との関係、癒着の実情を語ってもらった。 (聞き手/ノンフィクション作家 影野臣直)

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――“元山口組組員”という経歴が不利になることはありませんか?
「勿論あります。日本では、ヤクザを辞めてもヤクザ認定されてしまうのです。B認定(※暴力団構成員)を外す為に、破門状や絶線状を警察に持っていっても、中々認めてくれません。だから、いくら一生懸命頑張ろうとしても、口座を開いたり、部屋を借りたりできないんですよ。また、ヤクザとしての認定は、一般には5年で切れると言われています。しかし、現実には5年では消えないようです。周辺者も、今は“準構成員”という訳です。現役ヤクザとの付き合いも気を遣わなければいけません。ドキュメンタリー映画“ヤクザと憲法”が話題になりましたが、人から聞いた話では、制作の東海テレビは撮影の時、経費を一切支払わなかったそうです。お金を出すと利益供与になるからです」

――現役時代は警察とどういう付き合いでしたか?
「警察と現役のヤクザは、ある意味で持ちつ持たれつの関係です。なので、面倒を見てくれたりもしました。例えば、切符(※逮捕状)が出ると警察に電話して『10日待ってくれ』と言う。そうすると、警察はちゃんと待ってくれるんです。そこで義理ができるので、引き換えに素直に取り調べを受けたりする。そのうちに仲良くなって、刑事から『シャバ出たら連絡してこい』ってなるんですよ。マル暴(※捜査4課)はヤクザ被れですから、直ぐ謳うようなヤクザは嫌いなんです。自分の罪は認めて他人を売らないヤツがいると、『お前は侠やな』ってなる。そこに、刑事とヤクザの間に友情みたいなものが生まれる」

――刑事とヤクザの友情とは興味深いです。
「自分の今の担当刑事の木村(仮名)さんは、警視庁のキャリアですよ。そんなエリートが、盆と正月には菓子折りを持って自分のとこに挨拶に来ますよ。『お世話になります』って。4月の人事異動の時も、ちゃんと部下を連れて挨拶に来ます。今年も来ました。暴排条例以降はだいぶ変わったと言いますが、実態はそうじゃない。名前は言えないですけど、ある警察の偉いさんは某組織の組長を“兄貴”って呼んで、本人は舎弟になっていますよ。実際、親分を兄貴のように慕っています。ただ、やはり警察にも目的はあって、(山口組)本家で総会があった時等に、組織内の人事変更の書類を渡すんですよ。本当はいけないんですけど、誰がどの役職に就いたかみたいな情報です。ある種の取引でしょうね。先代(※山口組5代目)までは持ちつ持たれつでした。日本のヤクザは自分のやったことに責任を取るから、警察もそれなりに気を遣ってくれるんです。だから、事務所にガサを入れるというのも警察のパフォーマンスです。警察が押収で持ち出すダンボール箱も全部カラなんですよ(笑)。工藤會のように、カタギを巻き込んだ事件を起こして世間が許さない方向になると、警察は本気で取り締まります。とはいえ、警察は特定の組を潰しても、ヤクザ全体を潰す訳はないんです。組織は潰れても、構成員は別組織に移動するだけです。そうしないと、地下に潜ってマフィア化しちゃって、却って治安がおかしくなっちゃうからね」

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――竹本さんが警察と仲良くできるのは何故でしょうか?
「親睦を兼ねて警察の人と飲んだりします。今、仲良くさせて頂いている刑事さんは、向こうから食事に誘ってきますからね。これはタカリじゃなくて、警察がカネを払います。やはり、所詮は人間同士の付き合いなんです。誰でも付き合おうとする訳ではない。信用のないヤクザとは付き合えない。自分が仲良くさせて頂いている方々も、『お前が人間として好きや』と。懲役行った時も、『出たら電話してくれ』と言われました。21年入っていましたからね。そういう意味では、様々な連携がまだまだありますよ。例えば、身代わり出頭ですね。警察も身代わりとわかっていても、身体を賭けて長い懲役に行くヤツの男気を立ててやる。一和会との抗争の時に自分も経験しましたが、ちゃんと身代わりがいました。今も身代わりを許す場合もあります。世間が納得すればいい訳ですから。ヤクザと警察官が一緒に旅行に行くこともあります。この費用はヤクザが払います。警察官も人間ですから、仲良くなったら飯だって食うし、酒も飲みます。そういう時は、こっちが気を遣って、警視庁勤務だったら福岡とか遠くの旅行にします。当然、バレないように事前にチケットを渡して、別々の飛行機で行きます」

――結局、警察とヤクザは密接不可分ということですか?
「それをしないとどうなるか、警察もわかっているんです。今はヤクザも大人しくしているけど、これがマフィア化したらそれこそ治安が崩壊して、ブラジルみたいなレベルになってしまう訳です。今回の山口組の分裂騒動も、警察にとってありがたいことなんですよ。警察が応援しているのは、6代目山口組の対抗勢力となった神戸山口組です。抜きん出ていた山口組が分裂して、ヤクザ組織の勢力が拮抗した。一番喜んだのは誰だと思いますか? アメリカのバラク・オバマ大統領です。冗談ではないですよ(笑)。確かな情報です。日本のヤクザ=山口組なんですね。そういう見方をアメリカはしている。ヤクザは海外でマネーロンダリングをする。アメリカにとっては許せない存在、マフィアなんですよ。『山口組が分裂すると、これまで未解決だった凶悪事件の情報を、敵対組織にダメージを与える為に警察にチンコロ合戦し始める』なんて言う人もいたけど、ヤクザの常識からすれば全く考えられませんね。警察にチンコロするようなヤツはヤクザじゃない」

――警察の不祥事が続いています。原因はどこにあるのでしょうか?
「警察って規律ばかりじゃないですか。だから、どっかで発散が必要なんですよね。自分の知っている某所の小さなスナックは、いつも機動隊員の客で満杯です。そこはスナックなのに、カウンターで女の子がパンツを脱いで、M字開脚をするというとんでもないショータイムがあるんです。そこで、アソコにポッキーを入れるんです(笑)。これは店と警察、お互いのお目こぼしですよ。機動隊員がマイコップに女の子のおしっこを注いでもらって、一気飲みしている現場を何度も見ました。店も機動隊のおかげで儲かっています。機動隊が暴れて備品を壊したりすると、200万円くらい共同で弁償させる。それから、ママは優雅に10日間休んで旅行に行く(笑)。機動隊員が最近、苛めで自殺したじゃないですか。警察にはそういうのがあるから、発散しなくちゃやっていけない。ママもわかっているから、『一般の客に迷惑をかけなければ、いくらでも騒いでいい』と。発散が上手くいかずにストレスが溜まり、警察官が性犯罪に走る。そして刑務所に入る。ただでさえ刑務所で性犯罪者は苛められていますから、性犯罪者の警察官が刑務所に下りたら苛め抜かれます。だから、刑務所で元警察官は必ず独居です。雑居には入らない。大阪刑務所とが府中とか、ヤクザの多いB級刑務所にも元警察官は入れられない。殺される危険性がありますから。ちゃんと守られているんです。北朝鮮の万景峰号ってあったじゃないですか。あれも、覚醒剤を積んでいるのがわかっていながら、世間が騒ぎだしてやっとダメになりましたよね。自分も中国人の紹介で、万景峰号で北朝鮮に行きましたが、その同じ時に警察も招待されていましたからね。金正日に300万円こちらが渡せば、好きなだけ覚醒剤を持ち帰れるというシステムなんですよ。勿論、万景峰号で(笑)。まぁ、北朝鮮に招待されていた警察官たちは最早、不祥事も更正も関係ない本当のワルなんでしょうね」

               ◇

インタビュー後、竹本氏は自らの人生を振り返って、「自分の人生は常に警察と共に歩んできたんだな」と語った。抗争・銃刀法・ビジネス…。全て警察の手によって逮捕され、投獄された。そして、21年間もの長い修行(?)生活を強いられた。だからといって、警察を恨んでいる訳ではない。ある時は反対勢力の番人として、またある時は友として警察とは付き合ってきた。ヤクザ稼業から足を洗った新たな人生の場でも、竹本氏と警察との関係は続いていくという。


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