「安倍首相の“保守観”は紛い物だ」――村上誠一郎氏(自民党衆議院議員)インタビュー

20170605 16

――学校法人『森友学園』による安倍晋三首相周辺への働きかけが問題になっています。復古的な発言で、首相まで通じてしまったのは驚きです。
「実に残念なことだ。第2次世界大戦の悲惨さを知らない世代が、やれ教育勅語だ靖国神社参拝だと言っても、そこには本当の愛国精神は無い。稲田朋美防衛大臣が『祖国の為に命を捧げる』と勇ましいことを言うのも、戦争経験のある世代には実に乱暴な物言いであり、命を軽々に論じているようにしか聞こえない。学徒出陣で肉親を失った人は、どう思うだろうか? 保守の本質は、国民の暮らしと安全を守り、良き伝統・手法を引き継いで、常に正義を目指すことだ。それは時代によって変わる。今の日本にとって、戦後確立した立憲主義・民主主義を守ることも、真の保守政治というものだ」

――安倍首相の政治は“保守政治”でしょうか?
「これまでの自民党の保守とは違うのではないか。明治の思想家・新渡戸稲造は、武士道の研究において、日本人の価値観の中で“義”や“仁”の大切さを説いた。それは、国民に誠実に向き合い、慈愛の精神を持つことで、日本人が今も大切にしている価値観だ。安倍外交は、アメリカのドナルド・トランプ大統領と食事とゴルフを共にしたが、アジアで味方を増やしていない。私も中国の言動を是認する訳ではないが、戦争の傷跡は加害者よりも、殴られ、痛い目に遭った側に残るものだ。慈愛の心無くして、周辺と仲良くはできない。イギリスでは、テリーザ・メイ首相がトランプ大統領の訪英を求めたのに、約200万人が反対の署名をした。相手が超大国でも、自国の価値観を大事にする。これこそが、立派な保守の国ではないだろうか?」

20170605 17
――自民党は保守から離れているのでしょうか?
「今の自民党は、自由闊達な政党と言えない。政治家には“ノブレスオブリージュ(高貴の者の義務)”の精神が不可欠で、正義を貫くこと、勇気を持つことが求められる。今の党内には、上に迎合し、選挙やポストで得しようとする風潮が強い。政治家の命は政策だ。政治家自身が勉強し、識者や先輩議員と議論しながら積み上げるしかない。今はエキスパートが減り、永田町や自民党に人材が集まらなくなっている」

――何が原因なのですか?
「中選挙区制から小選挙区制になって、自民党総裁と執行部に人事や資金等権力が集中するようになった。そこに、お友だちやポスト目当ての人々が群がり、真剣な政策論争が消えた。中選挙区時代の派閥には、若手議員を教育する機能があった。他派閥でも、竹下登・後藤田正晴・梶山静六といった若手の手本になるリーダーがいた。戦後教育では、“公の精神と青年の矜持”を中学・高校・大学で教えることが無くなった。そして、天下国家を大所高所から議論する風潮も消えた」

――日本の保守にとって、今の課題は何でしょうか?
「次の世代がどのようにしたら生き残れるかを考えることだ。アベノミクスの財政・金融政策で、日本の財政はやっていけるのか? 近隣の国々と友好関係を築くにはどうしたらいいのか? 民主主義はデリケートなものだ。国民は常に、守り育てなければならない。アメリカのマッカーシズムのようなポピュリズムに走る危険性は、常にある」 (聞き手/本誌論説主幹 伊熊幹雄)


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