【Test drive impression】(23) 『トヨタ自動車 プリウスPHV S“ナビパッケージ”』――高いEV性能が魅力の2代目プリウスPHVの魅力に迫る!

1997年。気候変動が問題視された時期を迎え、先進国が主体となり、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減について『京都議定書』が交わされた。そうした中で、量産ハイブリッド(HV)車の初代プリウスが登場したのも、この時期となる。エンジンとモーターを組み合わせて走るHVカーは、ガソリンの消費量を抑え、CO2削減等が期待されたが、当時のクルマは環境性能が優れていても、走行フィールは二の次というのが現実だった。そんなプリウスも、2015年2月には4代目が登場。トヨタはHV技術を多車種に展開して、今年1月には遂にHV車の世界販売が1000万台を突破した。最早、HV車が当たり前になった今、環境車の次なる一手として注目されるのが、プリウスPHVの存在なのである。2011年に登場した初代プリウスPHVは、3代目プリウスに大容量のバッテリーを搭載し、コンセントから充電できる“充電プリウス”と呼ばれたが、自宅の充電環境が整い難く、高価な割にプリウス以上のメリットがわかり難かったことで、ヒットには至らなかった。しかし、今年2月にデビューした2代目は違う。プリウスと大きな差別化を図り、クルマとの向き合い方を変えてくれそうな予感がするのだ。プリウスPHVが注目される理由その1は、プリウスとは異なる見た目の差別化。4眼式のLEDヘッドライトは先進的で知的な表情に見せるもので、バンパーの端に縦長に配置されたウインカーは、水素燃料電池車『MIRAI』に継ぐ環境車であることを示唆している。

リヤスタイルは、2瘤のウェーブで描かれたダブルバブルウインドウがユニークなフォルムを印象付ける。リヤゲートは、高価なスーパーカー等に採用される軽量高剛性なカーボン素材を用い、リヤのガラス面積を広げて後方の死角を減らし、洗練されたスタイルを実現。ルーフには、駐車時に充電を行うソーラー発電のシステムを、量産車として世界で初めて搭載。太陽光で得た電力は、EV走行や電装品を動かすことに活用される。インテリアはプリウスと共通性が高いが、プリウスPHVは後席2座の4人乗り。各自が独立したシートに座ることで、高級車に乗っている感覚に浸れる。先進感を与えているのは、インパネ中央に配置された11.6インチの『T-Connect SDナビゲーションシステム』。大画面のモニターは、画面に直接触れてタブレット端末のように操作が可能。地図が広い面積で表示される他、2画面に切り替えて、HVのパワーフローや充電スケジュール、エアコンの設定画面等も表示できる。また、PHV専用のアプリも用意してドライブを楽しむ為の演出も。更に驚くべきは、高級車も真っ青のドライブライフをフォローするコネクティッドカーとしてのサービス。ネットワークを介してクルマの状態を見守ることで、車両の充電状況がスマホの画面で確認できる他、盗難や車両トラブルの際にメッセージを表示したり、オペレーターとの会話を通じて、緊急車両の手配やトラブル対処に纏わるアドバイスを行ってくれる。

安心・快適にクルマと向き合う為のサポートは、トヨタ車として初の試み。勿論、肝心の走りの性能も大きくレベルアップしている。大容量のバッテリーを搭載するPHVは、蓄えた電力を使って、モーターのみで走る航続距離が長く取れる。仕様によっても異なるが、満充電の状態でのEV走行距離は最大で68.2㎞。これは、旧型の2倍超の数字にあたる。日本では使い切れないが、EV走行は時速135㎞まで対応するそうだ。実際の生活では、出発前に満充電にしておけば、通勤や買い物の移動はほぼモーターのみで走れる。従来のプリウスPHVは、バッテリーが尽きると重たいプリウスになり下がったが、今回はバッテリーの容量が増して、減速エネルギーの回生効率が高まり、エンジンとモーターが連携して走ってもプリウス同等の低燃費で走れる。また、走行中にチャージモードを使えば、1時間程度で約8割の充電が可能。普通充電と急速充電器にも対応で、自宅に充電器が無くとも手にし易くなった。嘗ては二の次と言われた環境車の走りは、遂に“走りの質の高さ”に驚かされる時代がやって来た。クルマの“走る・曲がる・止まる”を支える基本性能は、骨格の刷新と車体後部の剛性強化等の効果で、タイヤが的確に路面を捉える操縦安定性と走りを楽しませてくれる。静かで滑らかな走りは、モーター走行との相乗効果で快適に移動できる。環境車は、最早我慢ではなく、新しい世界を体感させるステージに入った。


藤島知子(ふじしま・ともこ) 自動車ジャーナリスト・レーシングドライバー・『日本カーオブザイヤー』選考委員。1975年、神奈川県生まれ。文教大学女子短期大学英語英文科卒。レースクイーンやレーサーを経て、2002年より執筆活動を開始。『クルマでいこう!』(テレビ神奈川)にレギュラー出演中。


キャプチャ  2017年6月12日号掲載




スポンサーサイト

テーマ : 新車・ニューモデル
ジャンル : 車・バイク

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索
RSS链接
链接
QR码
QR