【解を探しに】第2部・引き算の世界(03) 1人満喫、“ぼっち派”堂々

20170606 04
家族連れやカップルで連日賑わう『東京ディズニーリゾート』(千葉県浦安市)。この“夢の国”に、林綾美さん(仮名・22)はいつも1人で来て、1人で帰る。同じアトラクションに3回続けて乗ったり、ベンチでボーッと休んだり。周囲から冷ややかな目を感じるような気もするが、「友だちと行くと自分のペースを崩される」。普段から、旅行も焼肉店も1人で行く“ぼっち派”だ。社交的な顔もある。学生時代は仮装姿でハロウィーンパーティーを運営した。今月からは証券会社の営業職として働いている。でも…。「本当は1人が好き。社会で活躍するには人間関係が多いほうがいいから、敢えて人と関わる場に飛び込んでいる」。友だち100人できるかな――。従来、友人の多さやネットワークの広さは長所と捉えられてきた。しかし、若者の間では“友だちがいない”・“孤独”等の言葉は、必ずしも否定的な意味ではない。『東京広告協会』の2015年の調査では、友だちとの繋がり方について、大学生の71%が“広く浅く”より“狭く深く”が良いと回答。2012年の調査でも、67%が「1人で色々行動しても寂しくない」と答えた。筑波大学の土井隆義教授(社会学)は、「煩わしい人間関係を捨てて、『ぼっちでいい』という価値観が広まっている」とみる。

『コシダカ』(東京都港区)が2011年に始めた1人専用のカラオケ店『ワンカラ』は、1人で歌いたい人の人気を集める。現在、東京を中心に10店舗を展開する。新宿の店を利用していた女子高生(17)は、「友だちに気を使わず、好きな曲を歌える。ストレス解消には最高」。お座なりな手拍子も、曲の被りも心配しなくていい。1人で食事し易いよう、テーブルに仕切りをつけた“ぼっち席”がある学食も、京都大学・大東文化大学等に次々登場している。1人で行動しやすくなった背景には、インターネットやSNSの普及もある。「きょうは天気がいいので外でぼっち飯」。武蔵野大学3年生の渡辺拓真さん(20)は入学後、サークルを作った。『ぼっち飯同好会』。ツイッターで食事の時の孤独ぶりを呟き合う。活動はそれだけだ。最近は部員同士、定期的に集まって昼食を取ることもある。それは最早、“ぼっち飯”と呼べないのでは?――約10人のぼっちを束ねる部長によると、「活動を通じて、ぼっちを肯定的に受け止めることが大事。他人の目を気にせず、群れなくてもよくなると、行動の幅が広がる」のだそうだ。明治大学の諸富祥彦教授(臨床心理学)は、1人で行動する若者の増加を、「社会が成熟して集団主義が崩れていることの証し」と分析する。ただ、「中高年では人間関係を重視する人が多い。地域や職場で、既存の仕組みが適応できず、世代間で摩擦が起こるケースもあるだろう」と懸念する。


⦿日本経済新聞 2016年4月14日付掲載⦿
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