【解を探しに】第2部・引き算の世界(05) “タラレバ娘”、独身の女心

20170608 06
アラサー(※30歳前後)の女性を中心に読まれている漫画がある。『東京タラレバ娘』(講談社)だ。出版数は4巻で計80万部を超えた。「綺麗になったら…」「好きになれれば…」。心の中で“タラ”・“レバ”を繰り返す未婚のアラサー女性3人を描く。「登場人物は『結婚したい』と願いながら、『結婚が全てではない』とも思っている。幅広い世代から共感を得ている」と編集者。「未婚女性の痛いところをグサグサと突き刺す」と評判を呼ぶ。著者の東村アキコさんが、「東京オリンピックまでには結婚したい」という友人のぼやきをヒントに作品化した。『国立社会保障・人口問題研究所』の『人口統計資料集』によると、2010年の生涯未婚率(※50歳時で結婚したことのない人の割合)は、男性20.14%、女性10.61%。20年前より男性が14ポイント、女性は6ポイント上昇した。2035年には、女性の5人に1人が生涯独身と予想される。「今回はご縁が無かったということで…」。東京都内の会社員・遠藤佳子さん(仮名・35)は今年1月、登録する婚活サービス経由でメールを受け取った後、10年続けた婚活にピリオドを打った。「これで一区切り。もう止めた」。

世間体を気にする両親に駆り立てられるように婚活を始めた。髪をセットして着飾って、しゃかりきに相手を探した時期もあった。しかし、理想の相手は現れない。だらだらと続けていたところに、友人の離婚話を聞いた。「結婚式で永遠の愛を誓う2人に涙したのは何だったのだろう?」。街ぐるみで男女の出会いを提供する『街コン』サイトの運営を手掛ける『リンクバル』(東京都中央区)によると、婚活市場は年3000億円。ここ数年は拡大を続け、「今後も成長する」と見込む。結婚事情に詳しいフリーライターの千葉こころさん(38)は、「今の未婚女性は、結婚や独身に拘っていない。機会があればする、なければしない」。経済的・精神的自立やおひとり様ブーム等、独身を受け入れる土壌が社会に広がったことも背景にあるとみる。霞が関の官庁で働く女性(32)も、婚活を“卒業”した1人だ。いいと思う男性がいると、「子供は好きですか?」等、言葉の端々に切迫感が出ていた。「結婚に焦って自分を見失うのは嫌。1人の時間を楽しもうと思った」。平日は仕事、週末は趣味のハイキングで汗を流す。貯蓄のある30~40代の未婚女性がマンションを購入することは珍しくない。「投資目的で2戸目を購入する女性もいる」(広島の不動産関係者)。ヨガやタップダンス等、自分磨きをしたい女性をターゲットにした体験講座も盛んだ。再び遠藤さん。婚活に別れを告げつつも、諦め切れない自分もいる。「明日、白馬の王子様が現れないとも限らないし」。捨て切れない期待。果たして結果は…。 =第2部おわり


⦿日本経済新聞 2016年4月16日付掲載⦿
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