【体技心・田中将大4年目の挑戦】(02) “捕手目線”の分析力

20170609 12
大リーグ4年目の今季、5勝を挙げてはいるものの、今月は苦しい登板が続く。14日は2回途中8失点。20日は4回途中6失点で3敗目を喫した。試合後、田中は言った。「自己分析して色々話しても、言い訳にしかとられない。原因はわかっています」――。分析力に優れた投手だ。投球フォームのバランスや有効な球種等、自分の状態を冷静に判断し、相手打者を観察しながら投球を組み立てる。「球の動き方とか打者の反応で、『こういう感じの球を狙っているのかな?』と考える」。捕手のサインにも、時には遠慮なく首を振る。「今日は冴えていないな、見えていないな」と、捕手のその日の状態がよくわかるからだ。自分や周囲の状況を客観的に見る視点を磨けたのは、何故か? 「それはやっぱり、キャッチャーやっていたからですよね。捕手の経験は、今の自分に凄く関係があると思います」。地元の兵庫県伊丹市のチームで野球を始めた小1の頃、「肩が強かったし、『捕手がいないからやってくれ』と言われて」、マスクを被った。チームメイトで当時投手だった坂本勇人(巨人)とバッテリーを組んだこともある。

「当時は投手に憧れもあったけれど、『上手くリードできたなぁ』と思う時とか、盗塁してきた走者を刺した時とか。色んな喜びを感じながらプレーしていた」。中学時代に投手も兼ねるようになり、北海道駒大苫小牧高2年の春の選抜大会直前までは投手兼捕手。選抜の1回戦で先発して完投勝利を挙げ、以後、投手に専念するようになった。プロ入り後は、往年の大捕手が成長を後押ししてくれた。楽天入りした2007年、最初に出会った監督が野村克也氏(81)。1年目から先発ローテーションの一角を任され、「“鉄は熱いうちに打て”みたいな感じで、投げ終わったら『ちょっと来い』と。捕手目線で話をしてくれた」。野村監督の下でプレーしたのは3年だけだったが、「野球が大好きで、野球や配球に関する理論を数多く持っている方。そういう監督さんが一番最初で、色々教えてもらえたのは、僕の野球人生の中でも凄く大きなこと」と感謝する。次回登板は25日(※日本時間26日未明)の『カンザスシティロイヤルズ』戦。「打たれるのには理由がある。わかっていることもあるけれど、実際に体をそういう風に(正しく)動かしていかないといけない」。高校までマスクを被った異色の経歴が齎す“元捕手目線”も力に、復調の青写真は描けている。あとは、その正しさを黙ってマウンドで証明するだけだ。投球練習を見ていると、捕手の“バン”という重いミット音の後、田中が返球を受ける少しだけ軽くて高い“パン”という音が聞こえてくる。次の1球を投げる為にグラブにボールを収めるだけなら、こんな小気味よい音はしない。「キャッチングは意識している。それも、捕手だったというのは大きいと思います」。捕るのもしっかり、丁寧に。“パン”にも田中らしさが表れている。 (ニューヨーク支局 宮崎薫)


⦿読売新聞 2017年5月25日付掲載⦿
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