【世界同時サイバー攻撃】(02) 「分からぬ事多い」、対応後手

20170613 01
「国内にも影響が出ているんじゃないか?」――。サイバー攻撃が世界を襲ったとの情報が広がった先月13日未明。内閣官房の『サイバーセキュリティセンター(NISC)』で現場を取り仕切る内閣参事官の山内智生(52)は、スマートフォンやパソコンを駆使し、携帯電話を耳に当てながら情報収集にあたった。重要インフラの被害状況等、週末中、電話やメールでNISC幹部らと連絡を取り続けた。だが、政府全体の動きは鈍かった。同日の時点で、総務省・防衛省・経済産業省・警察庁等が連携した形跡は無い。NISCはツイッターで注意喚起したが、全省庁に対応を呼びかけたのは翌14日午前だ。「政府内に被害は確認されなかった為」と言うが、初動の遅さは否めない。同日夕、経産省所管の独立行政法人『情報処理推進機構(IPA)』で、セキュリティセンター長の江口純一(52)が記者会見で企業に対応を呼びかけた。

企業活動が活発になる月曜の15日を控えていたからだが、攻撃に使われた“ランサム(身代金)ウエア”と呼ばれるウイルスの実物を未だ入手していない。相次ぐ質問に、「わからないことが多い」と歯切れが悪かった。日本での被害は『日立製作所』等一部で、影響も限定的に終わった。ただ、「これだけ広範囲の攻撃は初めて」(経産省)という中で経験不足が露呈した。これをどう教訓にするのか? 「NISCの下に、金融・医療・石油といった重要インフラ12分野の情報を一元化」――。政府の内部資料に、こんな青写真が描かれている。「サイバー攻撃には、情報収集・共有体制の拡充は不可欠」と危機感を強める。今も、攻撃を受けた企業に迅速に被害を報告することを求めているが、義務ではない。企業には、「公表すれば顧客離れや株価下落を招く」との心理が働きがちだ。自民党IT戦略特命委員長の平井卓也(59)は、「自動的に情報が集まるよう法整備を検討したい」と語る。主要国は、情報を扱う省庁が一体で攻撃に対応するのが当たり前。そんな中で、日本は2020年に東京オリンピック・パラリンピックを迎える。先月23日、自民党のサイバー対策を推進する議員連盟会長の遠藤利明(67)らが、司令塔組織創設等を訴える提言を官邸に持ち込んだ。受け取った首相の安倍晋三(62)は、「対策は喫緊の課題だ」。政府で攻撃に対抗措置を取れるようにする検討も始まったが、残る時間はそう多くない。 《敬称略》


⦿日本経済新聞 2017年6月6日付掲載⦿
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