【世界同時サイバー攻撃】(03) 包囲網、摘発には高い壁

20170614 01
先月19日夕、霞が関にある警察庁の一室にサイバー捜査や情報解析等の担当官が集まった。国際電話を通じ、各国の警察機関が被害規模や捜査状況が次々と報告した。大規模サイバー攻撃から6日。『国際刑事警察機構(ICPO)』が呼びかけ、電話会議を開いた。警察は情報を伏せる傾向が強く、「ここまで迅速に情報交換できたのは異例」と警察庁幹部。発生数日後にはイギリスの『国家犯罪対策庁(NCA)』からの要請で、ICPOから“紫手配書”も届いた。各国が掴んだ手口等を共有する書類だ。サイバー犯罪への国際包囲網は徐々に構築されてきた。2014年には、日本を含む12ヵ国がインターネットバンキングの不正送金ウイルスの壊滅作戦を展開し、成果を上げた。「1ヵ国ではどうしようもない。警察だけでもダメだ」。国際協力の先頭に立つ警察庁審議官の貴志浩平(55)は言い切る。

包囲には企業も加わる。先月25~27日、和歌山県でサイバー犯罪対策に関するシンポジウムが開かれた。警察やセキュリティー企業関係者ら約450人が参加した。「重要インフラも躊躇せず攻撃する」「意図は何か?」。会場では、今回のサイバー攻撃も話題に上った。主催したNPO『情報セキュリティ研究所』の代表理事・臼井義美(69)は、「企業もサイバー犯罪対策に膨大な投資をしている。捜査機関と企業の連携は更に重要になる」とみる。ただ、犯罪者を特定し、摘発するという捜査のゴールは遠い。警視庁は今回、被害を受けた70代男性のパソコンを解析。世界中で見つかったランサムウエアと同じ可能性が高いことはわかった。しかし、“誰が送ったか”は藪の中だ。感染した端末でウイルスが自己増殖して、被害を広げる。メールを介さない為、発信元の追跡が難しい。「感染源を特定するのは、インフルエンザの最初の感染者を特定するようなもの」(専門家)。外交ルートで海外のサーバーに捜査照会をするのは時間もかかる。イギリスでは、医療機関が診療を停止する等、市民生活に深刻な影響があった。「命を人質に取られたようなものだ」。警察庁幹部の表情は険しい。同庁長官の坂口正芳(59)は先月5日、全国の警察本部長を集めた会議で、「サイバー空間の脅威は深刻化している。人材育成、産学官の連携を強化してほしい」と促した。 《敬称略》


⦿日本経済新聞 2017年6月7日付掲載⦿
スポンサーサイト

テーマ : ITニュース
ジャンル : ニュース

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索
RSS链接
链接
QR码
QR