【南鳥島に注目せよ!】(11) 陸上のレアアース鉱床が抱える環境問題

20170614 09
レアアースの陸上鉱床は世界中に存在しており、その開発にあたっては環境への配慮が不可欠である。その中でも大きいのは、やはり放射性元素の処理方法である。例えば、環境規制が大変厳しいオーストラリアでは、次のような出来事があった。軽レアアース鉱床ながら、豊かな埋蔵量から大いに期待されている『マウントウェルド鉱床』の開発。『双日』との長期供給契約が締結される等、日本でも注目を集めている開発プロジェクトである。この開発を手がけているのが『ライナス』で、同社はこの鉱床で採掘した鉱石をマレーシアのクアンタンに運び、そこに建設した工場でレアアースを生産しようと考えていた。何故なら、オーストラリアよりもマレーシアのほうが、環境に対する規制が格段に緩いからだ。しかし、クアンタンの住人はこれに大反発。「レアアースの精錬過程で出る放射性元素のトリウムが投棄されるのではないか?」との懸念から、数千人が集結して抗議デモが行われる等、大規模な反対運動に発展した。リゾート地としても知られるクアンタンにとっては死活問題である。反対の声が強まる中で工場の建設が続けられたが、事態を重く見たマレーシア政府は建設の一時停止を決定。ライナスの目論見は、あっさり頓挫してしまった。

2012年2月に「放射性物質の永久貯蔵場所を確保する」との条件付きで操業許可が下りたが、その後も反対の声は収まらず、2014年の抗議デモは16名の逮捕者が出る騒動にまで発展。このように、レアアース陸上鉱山の開発は、非常に難しい問題を抱えているのだ。中国南部に存在する重レアアース鉱床においても、実に中国らしい環境問題が発生している。軽レアアース鉱床に比べると、トリウムやウランといった放射性元素の含有量が低めである重レアアース鉱床。しかも、レアアースが濃集されている層に弱い酸をかけるだけで、容易に溶液が回収できるという大きなメリットがある。しかし、この容易さがとんでもない荒技を生んだ。レアアースが吸着している風化花崗岩の“山”の内部に硫酸アンモニウムを流し込み、山の外部に流れ出たレアアース溶液を回収るといった開発手法だ。当然、山から染み出た溶液が外部に流れ出さないよう、しっかりと配慮する必要性がある。しかし、不法生産が横行している状況においては、そのような配慮など二の次だ。結果、溶液が河川等に流れ込み、深刻な土壌汚染を引き起こしている。近年は環境保護にも力を入れ始め、不法業者の取り締まりも強化されてる中国。とはいえ、“遅きに失した”という印象が拭い去れない。それに、軽レアアース鉱床ほど濃集されていないだけで、重レアアース鉱床にも放射性元素の間題は存在する。しかし、海底に眠るレアアース泥だけは、放射性元素を殆ど含まず、環境問題も引き起こさない。こういった観点からも、極めて有望な資源と言えるのである。


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