【霞が関2017夏】(02) 経産省若手プロジェクト、空回りしないためには

「“シルバー民主主義”を背景に大胆な改革は困難と思い込み、誰もが本質的な課題から逃げている」――。経済産業省の若手30人による叫び声にも似たこんなリポートが話題になっている。「一律に年齢で“高齢者イコール弱者”とみなす社会保障をやめ、働ける限り貢献する社会へ」。霞が関の政策立案の現場に漂う閉塞感に正面から向き合って声を上げた彼らに、『ツイッター』等で賛否が飛び交っている。霞が関の主要プレーヤーである経産省の仕事は、“課題の指摘”だけでなく、利害調整をした上で“課題の解決”に向かうこと。若手の声を具体的な政策に落とし込むには、何が必要なのか? 経産省の雰囲気をよく知るOBなら、上手く解説してくれるだろう。旧通産省出身で民進党代表代行の江田憲司氏と、2003年に省庁の同期メンバーと『プロジェクトK(新しい霞ケ関を創る若手の会)』を設立し、現在は『青山社中』(東京都港区)で人材育成や政策提言に携わる朝比奈一郎氏に聞いた。

■首相官邸を巻き込んで情報発信を  江田憲司氏(民進党代表代行)
――今回の若手提言をどう評価しますか?
「基本的な方向性は良いと思う。こうした提言を行うこと自体が、良くも悪くも“経産省的”だ。実は、経産省が法律も含めて明確な権限を持つのは、資源エネルギー庁が所管するエネルギー分野と、中小企業庁が担当する中小企業政策ぐらいだ。予算と税を所管する財務省や、医療・年金・介護等を所管する厚生労働省と比べると、政策への権限は弱い。となると、経産省は、他省庁の施策にも口を出すシンクタンク的な機能を果たすしかない。こういう発信をしていかないと、昔からある“経産省不要論”が出かねない」

――常に情報発信をし続けないと、存在意義が問われかねないということですか?
「経産省は、国内外の企業や他省庁にネットワークがある。オールジャパン、マクロの視点で物事が見られるという強みがある。そうした省庁は意外と少ないし、そこを発信していけばいい。ただ、血気盛んで主張が空回りするのも特徴だ」

――今回の提言は空回りしてしまうのでしょうか?
「そうとは限らない。経産省の提言は、良くも悪くも使い勝手がいい。政権が上手く活用すればいい。経産省だけで提言を実現しようとすれば他省庁との摩擦が起きるが、強い権限を持つ首相官邸が必要に応じて取り込む流れができればいい。官邸には今井尚哉首相秘書官や長谷川栄一首相補佐官等の経産OBがおり、ネットワークはある」

■具体的な政策に踏み込め  朝比奈一郎氏(『青山社中』筆頭代表)
――今から十数年前、若手提言を纏めました。
「私たちの時のものと、幾つかの違いを感じた。1つは内容についてだ。我々は提言を書籍化し、人事・政策の新評価制度を提示した。政府に総合戦略本部を作り、予算編成を効率化すること等も訴えた。今回の提言は、具体的な政策をどうするかという点で、少し踏み込み不足の感がある」
「もう1つは、検討チームの陣容だ。私たちは財務省や厚生労働省等、他省庁の同期にも声をかけ、“オール霞が関”の枠組みを造った。そうしないと、『また経産省が…』という冷ややかな空気になりかねないからだ」

――他省庁等、外部の有志を巻き込んだ動きが必要になるということですね。
「次のステップとしては、それが重要になるだろう。“その意気やよし”のプロジェクトなので、是非外部との接点を増やして、深掘りしていってほしい」 (辻隆史)


⦿日本経済新聞電子版 2017年6月13日付掲載⦿




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