【バス進化形】(中) 地域の足、人口減に挑む

20170616 03
『宮城交通』(仙台市)が今年4月、宮城県富谷市の営業所で開催したバスの運転体験会で、採用担当者は女性も働き易い職場環境を熱心にアピールした。「子供が小さいから、短時間のパート勤務からスタートされた方もいますよ」。体験会には、男性10人に交じって女性2人が参加。営業所内で周回コースを運転し、駐車も体験した同県石巻市の主婦・河合美華さん(39)は、「楽しかった。入社試験を受ける時期を夫と相談します」と笑顔で話した。人口減少で、バス事業を取り巻く環境は厳しくなっている。国土交通省によると、都市間の移動を含めた全国の路線バスの運転手は、1976年度をピークに、2014年度には2割減の約8万3000人となった。新たな担い手として期待されるのが女性だ。宮城交通は子会社を含め、2014年夏に12人だった女性運転手を、2020年度までに100人に増やす計画だ。バス最大手の『西日本鉄道』(福岡市)も女性の採用に積極的だが、グループ全体の女性運転手は約100人と横ばいの状態。

自動車事業本部の中島徹也業務課長は、「希望者が減り、思うように採用できていない」と明かす。2016年度からは、福岡・大分・熊本・長崎・山口の各県で女性運転手も登場するアニメのテレビCMを流す等して、女性への働きかけを地道に進めている。路線の生き残りをかけ、運送会社と協力して乗客と荷物を一緒に運ぶ“客貨混載”の取り組みも広がる。『宮崎交通』(宮崎市)は2015年10月から、『ヤマト運輸』と組んで、宮崎県西都市と西米良村を結ぶ路線バスに宅配便の荷物を載せて運んでいる。2016年6月には延岡市-高千穂町・日向市-諸塚村の2路線にも拡大した。農水産物の荷物が増えたことにも対応し、今年1月からは西都市-西米良村間で、一部のバスに保冷専用ボックスも搭載した。過疎化で乗客の減少が続く中、宮崎交通はヤマト運輸から委託料を受け取ることで、「路線維持に大きな効果がある」としている。ただ、現在の道路運送法では、バスで運べる荷物は“少量”しか認められておらず、国交省は“350㎏未満”との基準を示している。事業を本格化させるには、輸送量が少ない。京都府京丹後市等の一部の過疎地で、タクシー代わりに自家用車を持つ人が移動したい人を乗せる仕組みが始まっているが、負担の在り方や安全性の確保等、課題は多い。地域の足として浸透しているバスを、どう維持するか。一層の工夫が求められる。


⦿読売新聞 2017年6月9日付掲載⦿
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