【大機小機】 第4次産業革命と株価の合奏

世界経済の回復と好調な企業収益で、世界は同時株高の局面に入ったようだ。アメリカ株を皮切りに、アジアでも韓国・インド・インドネシア株が相次いで史上最高値を更新している。市場を牽引するのは、第4次産業革命の波に乗り急成長するIT関連企業である。アメリカの『Apple』・『アルファベット(グーグル)』・『マイクロソフト』・『Amazon.com』・『Facebook』は、そのまま世界の時価総額上位5社だ。アジアでは中国の『テンセント』・『アリババ』、韓国の『サムスン電子』等のIT企業が時価総額上位を占める。世界株市場は第4次革命と連動して、息の長い上昇相場となろう。日本株は日経平均株価2万円台を回復したが、第4次革命の遅れで世界株高に取り残される恐れがある。第4次革命は、ドイツが2011年に“インダストリー4.0”で先行し、欧米から世界に広まった。2015年に中国も“中国版インダストリー4.0”を掲げ、競争が激化している。今年4月末にドイツで開催された産業見本市『ハノーバーメッセ』では、人工知能(AI)や、全てのモノがインターネットに繋がるIoT等の新技術が展示された。参加約6500社の内、ドイツは2500社、中国も1300社が出展したが、日本からは現状を象徴するように36社に留まった。第4次革命と同時進行するITと金融が融合したフィンテックは、2008年の金融危機後のアメリカで生まれた。現在、世界のフィンテック企業は約2000社、最大は中国のアリババ集団のアリペイと言われる。フィンテックは、ブランチ(銀行支店)バンキングからスマートフォン(スマホ)バンキングへの変革を齎すが、多くの発展途上国では、ブランチバンキング時代無しにスマホバンキング時代に突入している。日本の金融機関はブランチバンキングで世界をリードしただけに、スマホバンキングへの対応が遅れた。日本の金融資産の過半を保有する高齢者のスマホ保有率が低いことも、フィンテックの普及を阻んでいる。第4次革命で日本の遅れは際立つが、日本の経営者にも危機意識が芽生えつつある。日本企業の優れた危機対応能力を生かせば、数年後には第4次革命の遅れを取り戻し、世界をリードする日本のIT企業の出現も期待できる。 (逗子)


⦿日本経済新聞 2017年6月8日付掲載⦿
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