【バス進化形】(下) 運転技術、数値化し指導

20170620 01
交差点を過ぎて運転手が訓練専用車を加速させると、教官の佐藤誠さん(49)が指摘した。「アクセルの踏み込みが強過ぎる。かなり燃料を使いました」。訓練専用車は運転技術を高める為、『ジェイアールバス関東』(東京都渋谷区)の安全研修センター(栃木県佐野市)が2013年10月に導入したものだ。教官席のモニターには、運転手の視点やアクセル、ブレーキの踏み具合等のデータが表示される。佐藤さんは、「数値で結果が出るので、欠点を伝え易くなった」と話す。『西日本鉄道』(福岡市)も、自社の自動車教習所で安全運転推進車を使い、新人らの研修に力を注ぐ。急発進や急加速等の状況を点数化する他、車両と障害物の距離を計測するセンサー等から運転レベルを把握し、指導に役立てている。視線の動きを捉える『アイカメラ』も、夏頃から活用予定だ。右左折や交差点通過の際、運転手はどこを見ているか? その傾向を分析して、指導の質の向上を図る。

大型の高速バスは、2014年11月以降の新型車から、衝突被害軽減ブレーキや、エンジンやブレーキを制御して横滑りや転覆を防止する車両安定性制御装置の搭載が義務化された。しかし、バス旅行者の多くは、こうした安全装置の無い車両に乗っているのが現状とみられる。高速バスの寿命は10年以上とされ、全面的に新型車に切り替わるには相当の時間がかかる。『日本バス協会』は貸し切りバス事業者の安全への取り組みを評価し、公開する制度を2011年度に始めた。三つ星を最高ランクとする『セーフティバス』マークを交付。利用者や旅行会社が事業者を選ぶ時の参考になり、九州・山口では西鉄の他、『JR九州バス』(福岡市)・『大分バス』(大分市)・『鹿児島交通』(鹿児島市)等も三つ星に認定されている。バス会社独自の対策も進む。『札幌観光バス』(札幌市)は、昨年1月に起きた長野県軽井沢町のスキーツアーバス事故を受け、脳ドックを今年から全運転手に受診させることを決めた。国土交通省によると、2011~2015年に運転手の体調不良が原因で起きた事故の内、脳疾患が19%を占めていた。安全面の課題について、バス専門誌『バスラマインターナショナル』の和田由貴夫編集長は、「運転手不足で、経験の浅いドライバーが多くの乗客を乗せるケースが増えている。人材育成が急務だ」と指摘している。

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経済部 小沢理貴・吉田昂・岩崎拓が担当しました。


⦿読売新聞 2017年6月13日付掲載⦿
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