【教科書に載らない経済と犯罪の危ない話】(47) 米中戦争さえ懸念されたアメリカの“不都合な真実”

戦争で他国を占領した時に、軍が最初に接収するのが金(ゴールド)だ。これは有史以来、普遍的な事実である。その為、第2次世界大戦の時に日本からの侵略を恐れたアジア諸国は、保有する金塊をアメリカに預けた。地政学的に最も安全だったからである。そして、第2次世界大戦の敗戦国であるドイツは、戦勝国であるアメリカ・イギリス・フランスに半ば強制的に預けさせられた。表向きは、「ソビエト連邦軍が侵攻してドイツの金塊を奪うかもしれないから」という理由であった。その量は約2355トン。その内、アメリ力が1536トンで、全体の65%を占める。現在、世界で一番多くの金塊を保有しているのはアメリカで、約8133トン。次いでドイツが約3377トンの2位である。日本は約766トンで9位となっている。アメリカは、大量の金塊をどこに保管しているのだろう? 殆どはケンタッキー州フォートノックスにある軍施設内の金保管庫と、『ニューヨーク連邦準備銀行』の地下金庫だ。日本が保有する766トンの金塊も、ここに保管されていることになっている。2012年、ドイツ連邦裁判所は議会に対して、国外に保管してある金塊について、その管理体制の是正を要求した。これにより、ドイツ政府はアメリカ・イギリス・フランスに対し、預託している金塊の返還を求めることになった。驚くことに、終戦からこの時までの67年間、ドイツ政府の誰一人として、国外に保管されている金塊を直接見た者はいなかった。ドイツだけではない。アメリカは、金塊を預託している他国からの現物確認要求を、全て拒んでいるのである。

ドイツ政府の返還請求により、イギリスとフランスは翌年、約32トンを返還。2020年までに残りも順次返還することで合意した。ところがアメリカは、請求から現在に至るまで、僅か5トンしか返還していない。恐らく、返したくても返す金塊が無いのではないだろうか? アメリカの銀行は、『地区連邦準備銀行(FRB)』から安いリース料で金塊を借り、それを先物市場で売却して得た資金で金融商品を買うという“金キャリートレード”を続けてきた。この手法は、金価格が下落基調であれば大きな利益を上げられるが、逆に金価格が上昇すれば莫大な損失が出てしまう。金価格の下落は、強いドルを目指すアメリカにとって望ましい状況である。FRBは喜んで、金塊の貸し出しを銀行に対して行った。それだけではない。アメリカはドル防衛の為、政府自ら積極的に金売り介入を行ってきた。ところが、近年の金価格上昇によって、アメリカの銀行は金キャリートレードによる大きな損失を出したのである。これらの事実から、国際金融市場を知る者の間では、「アメリカには公表しているだけの金塊は無い」というのが一致する意見だ。この意見を裏付けるような出来事を紹介しよう。2009年には、中国政府が買易決済でアメリカに偽の金塊を掴まされるという、俄かには信じられないニュースがあった。アメリカから中国に届いたラージバー(※12.5㎏)6000本を検査したところ、一部がタングステンに金メッキされたものであったというのだ。この偽の金塊は、一部が香港の銀行に持ち込まれ、大騒ぎになった。金塊に刻印された番号から、間違いなくフォートノックスに保管されていたFRBのものであると確認されたのである。この出来事があった時、金融関係者の間では「米中戦争が起きるのではないか?」という憶測が流れた。石油と同じく、金もまた、人類にとって戦争の原因になり得るというエピソードである。 (http://twitter.com/nekokumicho


キャプチャ  2017年6月20日号掲載
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テーマ : 国際問題
ジャンル : 政治・経済

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