「いつかは東芝みたいにみんな辞職だね(笑)」――“鉄面皮”富士ゼロックス、不正発覚直前に不可解人事

20170620 09
『富士ゼロックス』が、今月22日に開く定時株主総会と取締役会で、経営陣の全面刷新を決める。『富士フイルムホールディングス』が富士ゼロックスの役員更迭を発表したのは今月12日。富士ゼロックスのニュージーランド子会社(『FXNZ』)とオーストラリア子会社(『FXAU』)での一連の不適切会計で、375億円の損失を出した責任を負わせる為だ。富士ゼロックスでは、山本忠人会長・吉田晴彦副社長・柳川勝彦専務執行役員ら5人のプロパー役員が退任。代わりに、富士フイルムHDから新たに4人の役員を送り込み、古森重隆会長が富士ゼロックス会長を兼務してガバナンスを強化する。僅か2ヵ月ほど前、富士ゼロックス経営陣は、まさかこんな事態になるとは思っていなかったに違いない。今年4月1日付の2つの人事がそれを物語る。1つは今回、退任する本多雅常務執行役員。国内営業事業全般の担当を任された。だが、本多氏こそ、今年3月末までシンガポールの現地法人社長として、アジア太平洋地域全体を統括する立場にあった人物。過去10年分のFXNZの決算書にも、責任者の1人としてその名は何度も登場している。今年4月20日に、富士フイルムHDがFXNZの会計精査を理由に、今年3月期の決算発表の延期を発表した直後から、富士ゼロックス社内や関係者から「FXNZの不適切会計に深く関わっていたであろう本多氏が、何故日本本社に返り咲いて出世したのか?」と訝る声があった。

「今回の異動は昇進。前任者は1年ちょっとで外されており、不可解だった」と、富士ゼロックス社員は声を潜める。もう1つの不可解な人事は、本多氏と入れ替わりでシンガポール現法トップに就いた関根勇氏。同氏は経理部長を務めたこともある経理畑で、これまで営業出身者が占めていた同現法社長としては異例の就任だった。「富士ゼロックス経営陣が最後まで、不適切会計問題を小さく処理できる、問題にならないと軽く見ていたということだ」。ある富士ゼロックス関係者が囁く。経理出身者をFXNZやFXAUでの不適切会計問題に当たらせる一方で、疑惑の渦中にいた本多氏も出世させ、「問題は無い」という姿勢を鮮明に打ち出したという訳だ。そんな富士ゼロックスの目論みは大きく崩れた。今月12日に公開した第三者委員会報告書には、関係者間の生々しいやり取りが記されている。例えば、不適切会計を指弾する通報メールが2015年7月に届いた直後に、調査担当者が同僚とやり取りしたチャットのメッセージ。「あのメールが言っていることは全部本当」「いつか東芝みたいになって、みんな辞職だね(笑)」――。富士ゼロックス経営陣が通報メールの内容を事実だと認識していたことは、第三者委の報告書が指摘している。それにも拘わらず、「一部のサンプル調査しかせず、『問題無し』と我々には報告していた」と、富士フイルムHDの助野健児社長は今月12日の会見で強調した。イギリスの『ランクゼロックス』(現在の『ゼロックス』)と富士フイルムHDの折半出資の合弁会社として1962年に設立した経緯もあり、独立志向が強かった富士ゼロックス。だが、海外販売子会社の不適切会計を隠蔽したことで、主導権は遂に富士フイルムHDに奪われる。事態を軽く見た代償は大きかった。 (取材・文/本誌 松浦龍夫)


キャプチャ  2017年6月19日号掲載
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