【南鳥島に注目せよ!】(12) 揚泥に向けて進められる数々の実験

20170621 09
大量のレアアースが海底に存在していたとしても、それが開発できないのであれば意味はない。レアアース泥を如何に揚泥するかは、今後の大きな課題である。南鳥島の周辺海域において、レアアース泥の分布が見込まれているのは、水深5000~6000mの深海。そこから大量の泥を採取するとなると、一筋縄ではいかない。海底油田の開発と同じようなものに思えるかもしれないが、現在までに開発されている海底油田の最大深度と比較すると、何と2倍以上。この時点で、開発へ向けたハードルの高さを感じられることだろう。また、石油とは違ってレアアース泥は高粘性であり、その物理的性質についても不明な点が多いのだ。更に、揚泥した泥からレアアースを抽出した“後”にも、課題が残されている。泥が含有するレアアースの濃度は、高くとも2000~6000ppm前後であり、これはパーセンテージに直すと0.2~0.6%。つまり、99%以上が残渣となる計算だ。これを開発海域で処理するとなれば、環境への影響も考慮せねばならない。

このように、商業化が実現する可能性が非常に高いレアアース泥であっても、解決すべき課題はまだまだ山積み。つまり、それだけ海洋資源の開発というのは難しいのだ。とはいえ、手を拱いてはいられない。2013年から2015年には、レアアース泥の開発へ向けて様々な実験が行われた。例えば、模擬泥を使用しての水中掘削実験。海底からレアアース泥を揚泥する為には、どんなタイプの“集泥へッド”が最適なのかを、実験で明らかにしようという試みだ。また、集泥へッドが持つ水中掘削特性や改良点についても、事前にしっかり把握しておく必要があった。この実験では3種類のカッターへッドが試されたが、改良型であるスパイラル型やパドル型のほうが、掘削効率や集泥効率で従来型に勝ることがわかった。従来型のカッターへッドは刃に模擬泥が付着し易かったが、改良型の2種類では殆ど付着しなかったのである。左上に掲載しているのが、実験で用いられたカッターへッド。従来型と改良型であるパドル型で、形状が大きく異なるのが見てとれる。そして、レアアース泥を揚泥する“方法”も模索されている。先ず検討されたのが、海洋石油生産で実績があるエアリフト方式だ。その名の通り、圧力をかけた空気を送り込むことで対象を“持ち上げる”のだが、従来のエアリフト法式では、5000mを超えるような水深には対応できない。しかし、海洋石油開発で利用されている加圧タンクを使用し、高い圧力を保持することで、問題はクリアされた。こうして、従来のシステムに改良を加えた“加圧式エアリフト法式”が考え出されたのである。シミュレーション結果は良好で、連続的な揚泥が可能と示されたが、実際に使える保証は無いというのが正直なところである。実用化には、もう少し時間を要しそうだ。


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