【急展開の改憲論議】(02) 自民憲法族「妥協が必要」

20170622 03
先月12日、自民党憲法改正推進本部のインナー会合。首相補佐官の柴山昌彦(51)の発言に、室内は静まり返った。「憲法改正論議は、高村さんと北側さんのパイプを生かすべきだ。これは首相官邸の意向です」。視線の先には、これまで党内の改憲論議を主導してきた本部長の保岡興治(78)や、本部長代行の船田元(63)らの姿があった。柴山が名前を挙げたのは、党副総裁の高村正彦(75)、公明党副代表の北側一雄(64)。安全保障関連法の与党内の取り纏めを担い、調整力には定評がある。一方、長年憲法問題に携わり、与野党協調路線に重きを置く“憲法族”と呼ばれる保岡や船田にとっては、戦力外通告を受けたに等しい発言だった。今月6日、党本部5階。推進本部の幹部会合は、態勢を強化して再スタートを切った。メンバーには、幹事長代行の下村博文(63)ら首相の安倍晋三(62)に近い議員も数多く名を連ねる。保岡は、安倍から「今後も推進本部の指揮を執ってほしい」と言われたことを周囲に漏らす。

だが、早期改憲派が主導権を奪おうとしているのは明らかだ。この会合で、憲法9条に自衛隊を位置付けるとする安倍の提案に噛み付いたのは、前地方創生担当大臣の石破茂(60)。自民党が野党時代の2012年に纏めた改憲草案の存在を挙げ、「草案の扱いをどうするか、先ず議論しなければならない」と訴えた。石破の隣に座っていた高村は目も合わせず、「その件は何れ考えればよい」と一蹴した。ただ、改憲の実現には、石破ら反主流派の取り込み策も欠かせない。“石破対策”の1つは、党が打ち出した改憲4項目に入れた参議院の“合区”解消だ。石破は合区が実施されている鳥取県の選出で、合区に反対する。先月31日、高村は保岡と今後の進め方を巡って話し合った。高村は「合区解消が実現するかどうかは参院の努力次第だ」と語った上で、「改憲論議では彼らに配慮する必要がある。合区を議論しないと党内は纏まらない」と強調した。保岡は最近、周囲に「憲法改正には大いなる妥協が必要だ」と度々説いてみせるようになった。安倍の固い決意を受け入れ、できるだけ早く着地点を探らなければならない。自民党内の早期改憲派に配慮すれば、野党との擦り合わせは難しい作業になる。黄昏の憲法族――。これまで築き上げた協調路線は、岐路に立っている。 《敬称略》


⦿日本経済新聞 2017年6月14日付掲載⦿
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