【ビジネスとしての自衛隊】(06) 自衛隊に戦死者が出る日

20170622 12
自衛隊による南スーダンでの『国連平和維持活動(PKO)』は、現地の治安情勢が危険になる中で撤収が決まった。PKOの現場の危険度は、以前よりかなり増している。駆け付け警護の任務も付与され、自衛隊員が死傷するリスクは高まってきた。自衛隊の前身である警察予備隊以来、自衛隊の殉職者は昨年10月までで1909人に上るが、敵対勢力との戦闘による“戦死者”は未だいない。東京都新宿区市ヶ谷のにある防衛省の一角に、殉職した自衛隊員を追悼するメモリアルゾーン(※右画像)がある。大臣を始め、防衛省の幹部が離着任する時には必ず献花が行われる場所だ。設けられたのは1998年だが、現在の形に整備されたのは2003年のこと。

この年の暮れから自衛隊のイラク派遣が始まった。防衛省・自衛隊が隊員の犠牲を本当に覚悟したのは、2003年からのイラク派遣以降だろう。活動地域は“非戦闘地域”とされたが、現地の陸上自衛隊部隊は武装勢力の攻撃に幾度も曝された。最大の脅威は仕掛け爆弾で、任務に当たった陸自幹部は「『若し手足のうち2本以上が吹き飛んでいたらとどめを刺してくれ』と同僚に頼んでいた」と振り返る。それだけ緊迫した状況だったのだ。死者が出なかったのは僥倖という他ない。この間、防衛省では死者が出た場合のシミュレーションが周到に行われた。「陸自部隊が攻撃され、数人が死んだ」という想定の下で日曜に緊急呼集をかけ、秘密訓練も実施した。葬儀会場に想定した『日本武道館』の空き状況、記者会見の段取りや遺族への対応等、検討事項は多岐に亘った。現在では、政府は実務面では戦死者発生への準備を終えていると見ていいだろう。だが、その認識が国民と共有されているとは言い難い。リスクの存在と対策に目を向けず、自衛隊の任務を拡大するばかりでは、現場の隊員に矛盾を押し付けることになる。 (取材・文/本誌編集部)


キャプチャ  2017年5月13日号掲載
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