【崩壊する物流業界】(17) 物流施設の建設ラッシュ…燻る供給過剰の不安

20170623 03
「首都圏でも昨年後半から、『供給過剰なんじゃないか?』と皆が言い始めた」――。賃貸大型物流施設の大手開発業者『プロロジス』日本法人の山田御酒社長は、そう話す。在庫管理等の拠点となる物流施設は、空前の建設ラッシュ。不動産サービス大手『CBRE』によると、首都圏における2016年の賃貸大型物流施設の新規供給は36万坪、新規需要は34万坪(※左図)。共に過去最高で、市場は拡大している。だが、空室率に目を向けると景色が変わる。2015年は3%台後半から6%前後半に急上昇し、2016年も6%台後半。需要は増えているが、それを上回る供給があり、テナントが埋まらない施設が出ているのだ。数年前は、竣工前にある程度埋まっているケースも珍しくなかった。2017・2018年も高水準の供給が見込まれ、一段の空室率上昇が懸念される。施設の供給が急増した背景には、インターネット通販市場の拡大や企業の物流コスト削減の動きがある。物流拠点を新たに設置したり、効率化の為に従来の拠点を集約したりする需要が高まっている。また、開発業者から見ると、オフィスより利回りが高い上、テナントの契約期間は一般的に5年と、中期で安定した収益が見込める。そこに目をつけて、新規参入する会社が次々に登場した。従来から事業を展開してきたプロロジス・『大和ハウス工業』・『野村不動産』等に加え、2012年頃から『三菱地所』や『三井不動産』、それにアジアに拠点を置く『ESR』(※旧社名は『レッドウッドグループ』)等が加わり、開発競争が過熱したのだ。では、空室は埋まるのか? 「首都圏はそれほど心配していない」と山田社長は言う。根拠として、竣工から1年以上経った物件の空室率が2016年で3%と低いことを指摘する。「通常、竣工から1年~1年半かけてテナントを埋めていく。以前の竣工前に埋まっていた案件の中には、新規参入組が空室を恐れて家賃を割り引いていたケースがある。今はビジネスがわかってきて、竣工時にガラガラでも無理しない。それでも1年後には埋まっている。正常な状態に向かっているということだ」。

開発業者大手の『グローバルロジスティックプロパティーズ(GLP)』の帖佐義之社長も、「需要は底堅い」と見る。「供給水準は予想の範囲内。施設ができると、『あそこを使いたい』という需要が顕在化することも多く、まだまだこれからだ」。ただ、「供給増加でテナント側の選訳肢が増え、どの施設が最適かを精査するようになっている」(CBREインダストリアル営業本部首都圏営業部の佐藤亘部長)。開発業者も、選ばれる為に工夫を凝らす。東京都江東区にあるGLPの物流施設『GLP東京Ⅱ』。この内部には不思議な光景が広がっていた。LED照明の明るい室内には印刷機が並び、作業員たちが以々と企業のDM等を作っている。ここは物流施設でありながら、印刷会社の工場として使われている。企業からの依頼で印刷物を作り、郵便局等に配送している。GLPは、一部フロアを倉庫から工場に用途変更して、印刷会社を誘致した。GLPの施設に工場が入るのは初めてだ。「需要が広がる中で、求められる機能も多様化しており、それに応えていく必要がある」(帖佐社長)。プロロジスは『アッカインターナショナル』と手を組み、2016年5月に竣工した『プロロジスパーク千葉ニュータウン』で、アパレルのインターネット通販向けに商品の撮影・採寸・原稿作成・在庫管理等の業務代行サービスを提供し、同施設に入居する『プーマジャパン』等複数の企業の業務を受託した。今後は、こうした付加価値の提供による顧客獲得競争が激しくなる。首都圏は楽観的な見方が多い一方、警戒感が強いのは近畿圏だ。2016年の空室率は11.4%と、2015年の3.5%から急上昇した(※左上図下)。特に湾岸部は2016年後半から供給が相次ぎ、2017年も延べ床面積17.7㎡の『レッドウッド藤井寺ディストリビューションセンター』等、巨大施設が竣工する。テナント側は様子を見ている状態だ。その結果、近畿圏全体の賃料は、2016年10~12月期で1坪当たり3680円と、7~9月期より3.7%下落した。元々、近畿圏は中心部に物流施設に適した平野が少なく、供給が限られていた。そこに、鉄鋼業や電機メーカーの拠点再編で湾岸に土地が生まれ、開発業者が雪崩れ込んだのだ。一方で、需要は首都圏ほど大きくなく、関係者の間では「テナントを埋められない施設が賃料のダンピングに走るのでは?」と囁かれる。「空室を埋めるのに2~3年はかかるだろう。我々の施設の賃料にも少なからず影響があると思う」(プロロジスの山田社長)。目前に迫る嵐を、どうやって乗り切るか。開発業者にとって頭の痛い問題だ。 (取材・文/本誌 中島順一郎) =おわり

先日、Amazonで服を買いました。翌日、その服を着ていく用事があったので、指定した午前中に自宅で待っていましたが、一向に届かない。そして突然、「ご不在でしたので持ち帰りました」メールがやって来ました。不在票は無し。メールに記載されたドライバーに電話をすると、「私は届けていないのでわかりません。確認します」と言われ、その後は音沙汰がありませんでした。仕方なく、インターネットで夜の再配達を依頼しましたが、またも届かず不在メールが。後日やって来た配達員は、「担当したばかりで家を間違えた」。どうやら、外部委託の配達員だったようです。人手不足の実態が透けて見えたのと同時に、質の低下に不安を覚えました。 (本誌 中島順一郎)

第5回でも取り上げましたが、東京のオフィスビルやタワーマンションには、物流のことをまるで考えていない物件が沢山あります。そのツケは配送の現場に押し付けられてきましたし、路上駐車を始めとする社会的費用にもなっています。人手不足が更に深刻化し、物流コストが上昇していけば、荷主の側も真剣に物流の合理化に取り組まざるを得ないでしょう。同時に、物流企業の側もビジネスモデルの見直しを求められています。思えば、『ヤマト運輸』の宅急便の原点も、大口荷主の横暴に対する反発でした。宅配会社は既存のネットワークの維持・活用の為に努力するだけでなく、今後、勝負する領域を主体的に選ぶべき時期に来ているのではないでしょうか。 (本誌編集長 西村豪太)


キャプチャ  2017年3月4日号掲載




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