【徹底解剖!東京都庁】(05) 育児・ショッピング・金融商品…都庁職員の隠された福利厚生ライフ

恵まれているのは給与だけではない。日本における公務員の絶大なステータスを証明する数々の福利厚生。一般財団法人に名を変えた互助組合の知られざる活動実態とは――。 (取材・文/本誌編集部)

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西武新宿駅近くの一等地に、『東京都健康プラザ ハイジア』なるビルがある。この建物は東京都の信託物件で、地上18階・地下4階の複合ビルだが、内部の62%には東京都の関連団体が入居しており、都や、都から補助金等を得ている団体の家賃が事業を支えている。嘗て、都議会では何度か、このハイジアを巡る家賃還流が問題になったこともある。そのビルの12階に、『一般財団法人 東京都人材支援事業団』なる組織が入居している。実はこの財団法人、3年ほど前までは『東京都福利厚生事業団』という名前だった。公益法人制度改革関連三法が施行されたことに伴い、一般財団法人へ移行した訳だが、要は東京都職員の福利厚生を司る互助組合なのである。現在の理事長は前副知事の秋山俊行氏で、この事業団が副知事クラスの天下り先になっていることが、“おいしいポスト”であることを雄弁に物語っている。旧名の東京都福利厚生事業は過去、度々メディアに批判されてきた組織だった。同事業団が発行する『いぶき』という機関誌において、都職員だけが恩恵を受けられる、商品購入の際の様々な“特別割引”の存在が批判の対象だった。「こうした福利厚生という名の割引制度は、大企業であれば色々あるものですが、この事業団が職員の月々の掛け金や事業収入だけではなく、都からの補助金、つまり税金で運営されていることが問題とされました。今も制度は温存されていますが、職員に割り当てられたパスワードがないとログインできない専用サイトが作られていて、外部からの批判を躱す仕組みになっている」(都政担当記者)。

都庁職員になると、テレビやエアコンといった家電製品から、スーツ・眼鏡・寝具・引っ越しや旅行に至るまで、あらゆるサービスを10~50%引きで購入・利用することができ、更に住宅ローンの低金利プラン等、長い目で見ればかなりの得となりそうな金融商品も盛り沢山である。都の職員になれば、給与とは別に、こうした恩恵を受けることができる。これは、23区の公務員向けや警視庁向けといったバージョンも存在していて、謂わば公務員全体の“役得”とも言えるものである。以前は、その名もズバリ『福利厚生事業団』だったが、今は何故か『人材支援事業団』と名前も変わり、事業内容が実態とずれてわかり難くなっている。寧ろ、“都職員・OB支援事業団”としたらぴったりだと思うのだが…。扨て、福利厚生事業団改め人材支援事業団は、一般財団法人に移行後の2014年に東京監査事務局の“監査”を受けている。これは、地方自治法に基づき、都が出資等を行っている団体が適切に運営されているかをチェックするものだが、身内が身内をチェックする訳で、“問題あり”とならないのは当然である。しかし、その中身をよく見ると、如何に都庁職員やOBが税金を原資とした“恩恵”を受けているかがよくわかるのである。左下表の通り、3年前のデータではあるが、1万円の結婚祝金が3022件、子供が小学校に進学すると1万円、これが3168件。これくらいはいいかと思うが、15年勤務すると2万円分、25年勤務すると3万円分の旅行券支給が5296件あるのはどうか? たとえ少額であっても、あまりこういうことに税金は使ってほしくない。また、“ワーク・ライフ支援事業”という項目の“ライフサービス”利用者が44万5307人、宿泊サービス8万2028泊とある。これは役所特有の言い替えで、要は都庁職員向けにありとあらゆる“割引サービス”を受けた人数のこと。具体的な内訳は明らかにされていないものの、子育て・介護・スキルアップ・健康・レジャーといった分野で、様々な施設を割引価格で利用できる、その延べ人数が44万人ということだ。都内では待機児童の問題が深刻化しているが、都の職員は育児支援も恵まれている。サービスが多岐に亘る為、詳細は省くが、都の職員は育児施設等の利用割引や育児関連講座の受講、更にホームヘルプサービス、別居家族見守りサービス等の利用割引が受けられる。女性職員にとっては働き易くなり、基本的にはいいことではあるのだが、これも民間とのバランスを見てしまうと、「税金を使って都職員の育児環境を優先させるのか?」というやっかみも出ておかしくない。そしてショッピングあっせん事業である。年間60万件近い利用があるが、都の職員が16万人とすると、利用する人はかなり活用している印象だ。事業団あっせんというのは、謂わば目玉商品のことだが、これらを目敏く利用しているのは都職員でもごく一部の人と思われ、この斡旋がどこまで広く“都民全体の福祉”に寄与しているのか、かなり疑問である。職員食堂については、都庁内の食堂は一部、一般にも開放されているが、立地的に考えれば利用者の多くは都庁職員で、“格安で美味い”食堂を毎日のように利用できるメリットはかなり大きい。

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都庁に限らず、日本の公務員は金融機関における与信において、絶大なステータスがある。たとえ給与そのものが高くなくても、安定していることと、事故率が低いことから、住宅ローンや生命保険の特別優良商品の勧誘斡旋が受けられるのである。団体損害保険の『ニューエブリ』は、東京都職員・教職員のみが加入できる保険商品で、3万人以上の会員がニューエブリに加入していることにより、通常価格より43%割安となっていると謳われている。また、住宅ローンや自動車ローン等ローンの斡旋も998件あり、これらも基本的に一般の金利よりは優遇となっている。都庁の職員となることによる社会的信用が齎す水面下のメリットは、計り知れないものがある。これらの全般的な福利厚生のレベルをどう見るかは意見が分かれるところだが、都庁だけではなく、全国の国家公務員・地方公務員・教員は同様の恩恵を享受しており、それ自体が職業としての公務員の魅力として認識されていることは事実である。「都職員の福利厚生に関しては、やはり近年、大幅に見直しが進められ、補助金収入の割合も下がり、嘗てと比べれば質素になってきています。しかし、それでも未だ民間と比較すれば、給与外給与の機能を十分に果たしている。尤も、今の福利厚生が許されないレベルと感じる都民は少ないと思うので、批判を受けるのを恐れるかのように、外部に見えない形でコソコソとやるのではなく、きちんとサービスの形を都民に情報公開することが大事ではないでしょうか」(前出の都政担当記者)。都の職員とて働く人間。堂々と福利厚生を受け、きっちりとした仕事をしてもらいたいものである。


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