「カネ返さなくていいからiPhone7Plus契約してきて」…西成に蔓延る“iPhone闇金”の実態

20170627 12
大阪の西成といえば、4人に1人が生活保護者で、日本一治安が悪く、国内で唯一暴動が起こる街…等、正直、イメージは良くない。兎に角凄いところだという先入観を抱きながら、筆者は昨年と今年の2度、計3ヵ月間、西成に潜入取材を敢行した。そこで筆者の目に映った西成の印象は、意外なものであった。「西成って治安が悪いイメージあるでしょ? でも、それは昔の話やで。20年ぐらい前はシノギ(※路上強盗)がおったけど、今はもうそんなんおれへん。そこら歩いとるのは生活保護のじいちゃんばっかりやし、貧乏人襲っても意味ないやん」(街の住人)。確かに、ドヤ街を歩けば高齢者ばかりで長閑なところだ。危険な印象は全く無い。橋下徹前大阪市長指揮の下、“西成特区構想”が進められ、西成はクリーンな街に変わりつつある。昔はそこら中にあったというゴミの山は無くなり、公衆便所は日に3度業者が清掃している為、清潔感がある。治安は悪くないし、街は思ったほど汚くもない。意外だった。だが、一見綺麗になったように見えても、西成の地域性は色濃く残っている。夜中にドヤ街を歩くと、覚醒剤の売人らしき男がウロウロしているし、警察に摘発された泥棒市も、規模こそ小さくなったが、未だに毎朝開かれている。そして目を引くのが、ドヤ街周辺の電信柱に貼られているチラシ。闇金のものと思われるが、「即日融資・福祉相談可・年金可」「生活保護の方、相談ください」等、如何にもこの街の住人をターゲットにした触れ込みである。闇金はトイチの金貸しで、生活保護受給者であれば、初回は2~3万円ほど貸してもらえるという。3万円借りたとすれば、1ヵ月後に9000円の利子。保護費でギリギリ返済できる額だろうか。業者としては薄利多売なのだろう。

「即日融資は助かるけど、返済遅れたら大変やで。夜中にバール持って押しかけて来て、玄関メチャクチャに叩かれたり、ドえらい目に遭うこともある」(経験者)。中にはこんな業者もいる。実態を探る為、筆者は電柱のチラシを見て電話をかけてみた。「生活保護受けていますが、お金を貸してもらえませんか?」。その業者は、5万円まで貸してくれるという。指定された場所で待つと、40代半ばくらいの男が2人でやって来た。男は優しい口調の関西弁で、筆者にこう説明を始めた。「生活保護で家賃払ったら残り8万やろ? 今日、5万借りて、次の支給日に5万と利子合わせて返すの大変やで。もういくらも残らへんやん…。でな、えぇ方法があんねん。お金返さんでもえぇ方法がある」「えっ? お金返さなくていいんですか?」。借りたお金を返さなくて済むとは、一体どんな方法だろうか? 「iPhone7pus契約してほしいねん。今から携帯ショップ行こか。一遍に2台契約できるからな。2台と引き換えで5万渡す。そのお金は返さんでえぇで」。男は頻りに「振り込め詐欺に使ったりせぇへんよ」という。では何に使うのかと訊くと、本当かどうかわからないが「中国に売る」と答えた。なるほど…そういうことか。SIMカードを抜いた白ロム状態で渡し、契約料や機種代金はこちらの負担。キャリアからの請求をぶっちぎる覚悟があれば“旨み”はあるが…。大方話を聞いたところで、「すみません、それなら止めときます」と言うと、それまで優しい口調だった2人の態度は豹変した。「何やコイツ。ここまで来て止めるってどういうことや?」と1人が言う。「そうやなぁ、俺らおちょくられとるなぁ」と続けてもう1人。チラチラこっちを見ながら、態と聞こえるように言うのである。「どないする? コイツ刺したろか?」。先の経験者の「ドえらい目に遭う」という警告を思い出した筆者は、謝りながら足早にその場を後にすることにした。結果として、業者にただ喧嘩を売ってしまっただけであった。しかし、携帯キャリアのブラックリストに入ることになるのは勘弁してほしい…。昔に比べると随分綺麗になった西成であるが、一歩入れば未だにこのような暗黒面は残り続けているようだ。 (取材・文/フリーライター 長田龍亮)


キャプチャ  2017年6月号掲載
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