【南鳥島に注目せよ!】(13) レアアースの分離・精錬プロセス

20170628 10
レアアース泥を水深5000~6000mの海底から揚泥するのも大変だが、そこから先の工程にも課題は残されている。その最たるものが、泥からレアアースを“どのように”分離するかだ。その効率化の為に進められているのが、泥の中にある“レアアースが濃集された鉱物”だけを選別回収しようという試みである。南鳥島の周辺海域で採取されたレアアース泥を顕微鏡で観察してみたところ、そこにアパタイト(燐灰石)の存在を確認。その大半が、粒のサイズが20μm(1μmは0.001㎜)以上という比較的粗めのものだった。そして、この20μm以上のアパタイトに、泥が含有するレアアース全体の実に80%が濃集られていると判明したのである。粒のサイズがそれなりにあるので、篩にかけるような選別も不可能ではない。若しこれが叶えば、より効率よくレアアースを回収できるだけでなく、後に残る泥を処理する負担まで軽減できる。まさに一挙両得の好手だ。レアアース泥を篩にかける具体的な方法については、遠心力を利用した分離装置の一種である『ハイドロサイクロン』を用いた選別法が検討されている。

それ以外では、非鉄金属鉱山等で用いられる『浮遊選鉱法』も手応えがあった。これは、簡単に言えば、岩石の表面が親水性、逆に金属は疎水性であるのを利用し、水と油性溶液が混ざった液体中でかき混ぜて、鉱物を分離するという手法である。レアアース泥に含まれる主な鉱物は、チタン鉄鉱・磁鉄鉱・針鉄鉱・石英等である。これらをレアアース泥から分離することができれば、残った泥のレアアース濃度は一気に上昇する。実際に、この手法で分離を行うと、90%を超えるレアアースが回収可能だと判明している。このように、分離されたレアアース含有物は、揚泥された後に陸上へと輸送され、レアアースを精錬する作業に突入。先ずはリーチングという段階に入るが、具体的には、塩酸を用いてレアアースが溶け出した液体を作るという内容である。これを濾過して、レアアースが含まれる溶出液と、残渣として残った固体を分離。固体に残る塩酸を、水酸化ナトリウムで完全に中和して無害化するのも、環境に配慮する上で欠かせない工程だ。濾過されたレアアース溶出液を、今度は何種類かの吸着剤と組み合わせて、重レアアースと軽レアアースを別々に抽出。これらを再び塩酸に溶かすと、重レアアースの混合溶液と、軽レアアースの混合溶液が出来上がる。ここまでくれば、完成まであと一歩である。これらの溶液から、溶媒抽出法によって各レアアースを単体分離。そして、取り出された物質を焼成すると、最終生成物であるレアアース酸化物の完成だ。駆け足になったが、以上が現在検討されているレアアース泥の分離・精錬プロセスである。こちらも、中々骨が折れる作業と言えそうだ。


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