退会者の告白からわかる『創価学会』脱会を防ぐ為の冷厳なる組織力――大会を巡って裁判沙汰、地域で孤立化してしまう恐怖

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今年3月27日、ニューヨークの国連本部で、『核兵器禁止条約』を目的にした国連会議がスタートした。世界中が注目している画期的な国際会議である。無差別的な大量殺害を目的にした非人道的な兵器として、これまで化学兵器(1997年)や地雷(1999年)、それにクラスター弾(2010年)を禁止する国際条約があった。しかし、同じ非人道的兵器として最たる核兵器には、未だ何の縛りも無い。昨秋から国連は、歴史上初めて核兵器も禁止しようという交渉会議を開き、今年3月末に締結に向かって再び各国の代表がテーブルに着いたのだ。案の定、核保有国であるアメリカ・ロシア・中国・イギリス・フランス等が不参加を表明した。では、唯一の被爆国で、広島・長崎で30万人からの犠牲者を出した悲惨な過去を持つ日本はどうであったか? これが何と“不参加”の姿勢を見せたのである。日本国の代表が座るテーブルに、どなたの抗議なのか、1つの折り鶴が置かれていた…。核兵器禁止条約の制定について、多くの宗教団体も賛成していた。巨大教団・創価学会も例外でない。とりわけ同会は、2代会長・戸田城聖氏の『原水爆禁止宣言』(1957年9月)が有名で、原水爆を利用した者は「死刑にすべきであり、魔物でありサタンであり怪物である」と、これ以上の辛辣な語句もない言葉で批判する遺言を残した。これを受けて、3代会長を継承した池田大作氏(※その後、組織内の肩書が“名誉会長”となり、現在は“先生”)も、これまで核軍縮・核廃絶を訴え続け、今年1月末に発表した毎年恒例の『SGIの日・記念提言』でも、長文を労して核廃絶を訴えていたのである。

公称827万世帯を会員とするという創価学会が支持する公明党にとっても、“恩師”や“師匠”が提唱してきた核廃絶に背く“核兵器禁止交渉への日本国の不参加”は、忸怩たる思いだろう。ところが、公明党から政府に対する批判の声は殆ど聞こえてこない。創価学会も無視である。池田大作氏からも一言の批判も無かった。内外に創価学会があれほど核廃絶を訴えながら、実のところ、核にはそれほどの関心がある訳ではなさそうに見える。ただ、核廃絶は平和をアピールする格好の素材であり、宗教団体にとっては大きな宣伝にもなる。寧ろ、同会の活動中心は平和運動よりも、如何に自らの組織を守るかであり、その為の活動に心血を注いでいるのだ。先月号でその組織を守る為に、会員の“脱会”をどうして防ぐか、諸々の活動にスポットを当てた。そこで今回は、それでも学会員が組織を退会した場合、その元会員と創価学会とはどのような関係になるのかを掘り下げてみたい。実は、学会を退会したい気持ちがあるが、中々辞められないといった社会的な構造が浮かび上がってくるのだ。風説として、「一度、創価学会に入会したら退会ができない」という話を聞く。確かに一昔前までは、退会の意思を伝えると、自宅に学会員が押し掛けて、痛烈な“再折伏”をするという歴史があった。「学会を辞めたら地獄に堕ちるぞ」「交通事故に遭うぞ」「不幸は間違いない」といった脅し紛いの言葉を駆使して、退会を阻止してきたのである。つい20~30年前まで、退会を巡って警察沙汰になったケースも少なくない。しかし今日、創価学会も“民主化”されたのか、そうした退会トラブルが随分と少なくなった。実際、「創価学会の退会を引き受けます」とか、ブログで「創価学会退会の相談に乗ります」といったボランティアに近い組織も幾つか見聞される。では現在、創価学会は退会者に対して、どのような対応を取っているのか? 一般に、市民を折伏(※勧誘)し、朝晩の“勤行”の仕方を教え、『聖教新聞』を定期購読させ、各行事に参加させるまで育てるのは容易なことではない。況してや、自ら布教活動を行い、選挙になれば公明党に1票を入れ、聖教新聞の啓蒙(※購読者獲得)や財務納金(※年に1回)に至る一級の活動会員にまで成長させるのは、相応の組織努力が必要になる。それでも退会者は限が無い。組織を退会する学会員の層には、活動会員になる前に、もう諸行事に参加しなくなった会員(※居眠り会員)と、活動会員にまで成長したものの、組織や教義を批判するか、或いは馴染めず退会していく会員と、大きく2つに大別されるようだ。また、こうした活動会員を指導してきた幹部たちが退会することもある。しかし、こうした幹部層が退会するのは簡単でなく、事情も複雑で、裁判に発展してしまうケースも少なくない。

入会して1~2年目等、比較的入会期間が短い学会員が、密かに退会していくことがある。同会の教義等を理解する前に組織を離れてしまう学会員だが、こうした新人会員に対して組織はどのように対処しているのか? 体験者に聞くのが手っ取り早い。東京都内に住むサラリーマンで30代の男性は、こう話す。「学会との付き合いは、会社の同僚に勧められて座談会に参加したのが始まりでした。勧めてくれた友人は、幹部を連れて日曜日や祭日等に自宅を訪ねてきて、朝晩の“勤行”の仕方を教えてくれました。そのうち、聖教新聞の定期購読を勧められて一部購読し、月に1~2度座談会等行事の出席を求められました。池田大作名誉会長のビデオ等をよく見せられましたね。年末になって“財務納金”の話がありました。『功徳があるし、1万円でいいから』と言われましたが、私はこれを断ったのです。1万円あれば一杯飲めるし、楽しいデートもできますから。更に選挙時になって、『公明党に1票入れてくれ』とも言われました。でも、私には自分の好きな政党があって、公明党には入れませんでした。選挙後、私が公明党に入れなかったことがわかると、何か、その後の座談会に出席しても、周囲にいる会員の目が冷たくなっていることを感じました。私は創価学会の信仰を求めて入会したもので、別に公明党を応援する為に創価学会に入った訳ではありません。でも、気まずくなったというか、毎月開かれている座談会の欠席が度重なると、私を学会に勧めてくれた友人や幹部も色々と説得をしてきました。私が言うことを聞かないとわかるとの、手の平を返すように冷たくなったのです。別に喧嘩した訳ではありませんが、退社後、居酒屋にも誘われなくなりましたね。何となく余所余所しくなり、声もかけてきません。ただ、その友人が「学会を辞めてもいいから聖教新聞だけは取ってくれ」と言っておりました。創価学会で形成しているのが社会の中心という考えで、その枠内から外れると、もう友だちではないんですね。別に寂しくありませんが、『学会とはこんな組織か』と思いました」。スムーズな退会だが、しかし、これが主婦になると、学会を退会した時の組織対応が少し違ってくる。学会を構成している組織形態は、6割方が主婦層といわれ、巨大組織の土台的な重要な役割を果たしている。その為、池田大作名誉会長は組織内で、「婦人部を大事にしろ」「お母さんを大切にしろ」と常に唱えてきた。何しろ、聖教新聞の啓蒙活動や、白昼、暇がある婦人は平日・日曜も関係なく、選挙になると朝から活動に専念して、公明党支持の“F票”(浮動票)を積み上げてきた。

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一主婦で、F票を50票・100票獲得するなど、そう珍しくはない。学会組織にとって、主婦は欠かせない一線の活動会員である。その主婦会員が組織から欠けるとしたら、大きな痛手になる。都内に住む主婦のAさん(50代)は、創価学会歴30年余で、これまで多くの聖教新聞部数を啓蒙し、選挙時には公明党のF票をいつも2桁台獲得してきた熱心な活動会員であった。財務納金の金額も半端ではない。そのAさんが創価学会と距離を置くようになったのは、同じ地域に住む学会員から次の話を聞いたからだという。「病気でベッドに伏す学会員宅を訪ねた学会員たちが、『あなたがそんな悪い病気になった原因は、信心が足りないからよ。題目を唱えて頑張りなさい』と言ったそうです。私はこれを聞いてショックを受けました。『何て冷たい組織だろうな』と思いましたね。病人なら励ましてあげることが当然ではなかったのでしょうか」。こう語るAさんは、学会組織の非道徳さに落胆し、学会が説く信仰に疑念を抱く。それまでAさんは、30年来創価学会の組織に所属し、知人・友人も殆どが学会員だった。学会組織の世界で生活を営んできたようで、学会員と話し合っている時間が、家族と話し合っている時間よりも長い。文字通り、“学会家族”の一員になっていたのだ。軈て子供が大学を卒業し、家庭的にも安定したことから、金銭や時間にも余裕ができ、学校の同窓会や昔勤めていた会社の元同僚に連絡し、交流を再開した。会食や旅行等を楽しみつつ、同年齢の主婦たちとの会話が弾む。話の中で、主婦たちはよく社会の動きを見ており、的確な視点と意見も持ち合わせていた。地に足を付けた人生を送っていたのである。

そうした主婦たちと比較してAさんは、「私の人生は、何か、短絡さを感じたのです。毎日、池田(大作)先生・聖教新聞の啓蒙・公明党の選挙支援・財務が中心で、こんな組織活動だけで人生を終わらせていいのかしら」と思うようになったという。こうした時期に、ショックを受けた先程の話が重なったのだ。Aさんは学会組織に疑問を抱き、毎月開かれている各種行事にも「今晩、用事があるから休みます」と、少しずつ出席を拒むようになった。夜の行事参加を減らして、空いた時間で子供や主人と話し合っている一時がまた楽しい。しかし、行事参加を休むと、地元の幹部が自宅を訪ねて来た。「池田先生を信じて頑張りましょう!」と励ましてくれるが、でも、自分の生き方に強い空しさを感じてしまう。Aさんは組織に距離を置く一方で、遂に幹部に「学会を辞めます」と宣言した。Aさんがこう言う。「学会を辞める前後は、自宅に幹部たちが説得する為によく来ました。それでも辞める意思が強いことを知ると、ピタッと来訪が途絶えたのです。近所に住む会員たちもそうで、長年、あれほど仲が良く毎日会っていたのに、道で会っても挨拶もしなくなりました。寧ろ、何か私を敵に思っているような目つきをしましてね。私は長い間、学会組織の中で暮らしてきたでしょう。だから近所に、学会員以外に親しい友人がおりませんでした。逆に近所の人たちも、私を熱心な学会員という特別な目で見ておりましたから、『聖教新聞を取ってくれ』とか、『公明党に入れてくれ』とお願いされる煩わしさが嫌だったのかもしれません。だから、私にあまり話しかけてこなかったのです。全て学会ありきという人生でしたから、学会を辞めたことで周囲から完全に孤立化してしまいました。特に寂しがり屋の性格を持つ主婦にとっては、これは堪えられないことです。私の周りにも学会を辞めたいという主婦がおります。でも、中々退会に踏み切れない。その理由は、私のように地域で孤立化してしまうことが怖いのではないでしょうか。村八分というのかしら」。Aさんは、それでも割合静かに退会していったケースである。こうした退会に対して創価学会は、これといった対策は講じない。ただ、退会でも学会を批判し、直ぐに他の宗教団体に移るといったケースになると話は別で、牙を向けてくる。ブログに退会のケースが多く公開されている。学会を退会した人と学会幹部による討論対決等がそうだ。これまで見てきたように、創価学会員にかなり見られる「創価学会以外に他の宗教を認めない」という一種教条的な信仰が、他の教団には見られない退会時のトラブルを起こしているようである。


段勲(だん・いさお) フリージャーナリスト。1947年、宮城県生まれ。東洋大学文学部卒。『週刊ポスト』記者を経てフリーに。宗教・社会問題・人物・健康等について幅広く執筆。著書に『千昌夫の教訓』(小学館文庫)・『創価学会インタナショナルの実像 池田会長が顕彰を求める理由』『反人間革命 創価学会へ入信した男の一生』(共にリム出版新社)・『定ときみ江 “差別の病”を生きる』(九天社)等。


キャプチャ  2017年5月号掲載

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