『タカタ』破綻で部品メーカーの苦悩――漠然とした指示内容、消費者対応が必須に

20170704 11
『タカタ』の欠陥エアバッグ問題が自動車部品業界に突きつけた新たな課題がある。これまで部品に何か問題が発生した場合、訴訟の場に立ったり、消費者対応をしたりするのは自動車メーカーだった。だが今回、矢面に立たされたのはタカタ。自動車のサプライチェーンに詳しい立命館大学の佐伯靖雄准教授は、「部品メーカーが負う品質関連コストは今後、急速に増えていくことが予想される」とみる。兆候はある。ある自動車部品メーカーの品質保証担当者は、自動車メーカーから毎年送られてくる品質向上の徹底を促す資料を見て、変化を感じ取った。「これまでは“自動車メーカーのニーズに見合った品質”を求める内容だったが、今年は“消費者に対する品質”という記述が目立った」。タカタの欠陥エアバッグ問題が背景にあるのは間違いない。消費者の安全を脅かす部品を使ったことで、巨額のリコール(回収・無償修理)費用の肩代わりをさせられた自動車メーカーの危機感が滲む。だが、これまで顧客である自動車メーカーだけを見ていればよかった部品メーカーにとっては、無視できない姿勢の変化だ。様々なコストが新たに発生しかねない。

中でも大きいのが、「消費者に対する窓口機能」(佐伯准教授)。“お客様センター”のような部署を新たに置かざるを得なくなる。更に、消費者からの訴訟リスクにも備えないといけない。社内に法務の専門家や、消費者対応に強い顧問弁護士を置くことが求められる。加えて、自動車メーカーと部品メーカーの間で交わされる基本契約書等の書面内容にも、影響を及ぼしそうだ。こうした書類は、自動車メーカーが調達する部品の仕様等を定めたもので、部品メーカーはこの“指示”に基づき、部品を生産し、納入する。問題は、この指示の内容があまりにも漠然としているケースが多いことだ。例えば、新製品の開発において、部品の大まかな大きさ等は書かれていても、品質面で言えば“問題無きこと”等と記されているだけ。「どんな条件でどういう試験をすれば、品質面でクリアしたことを認める」といった具体的な指示があれば、部品メーカーも対応し易いが、実際には部品メーカー任せだ。消費者から訴訟を起こされれば、部品メーカーが全ての代償を払わされかねない。部品メーカーは品質面でもより具体的な指示を仰ぎ、訴訟リスクを減らしたいが、自動車メーカーに指示内容の変更を求めるのは難しい。「自動車メーカーが顧客であることに変わりはなく、基本的に部品メーカーの立場は弱い」(佐伯准教授)からだ。タカタ破綻を契機に、消費者対応コストという新たな問題に直面する自動車部品業界。行き過ぎた淘汰が進めば、良品を安く仕入れられなくなる自動車メーカーにとっても打撃は大きくなる筈だ。新たな負担を、自動車メーカーと部品メーカーでどう分け合うべきか? 真剣に考える時が来ている。 (取材・文/本誌 池松由香)


キャプチャ  2017年7月3日号掲載
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