【金塊暗流】(中) 福岡、密輸の玄関口

20170705 06
金塊取引の裏で億単位のカネが動く。その現実が浮き彫りになったのは、福岡で4月20日に起きた2つの事件だった。白昼の繁華街・天神。東京都内の貴金属店に勤める男性が、金塊買い付け用にメガバンク支店から引き出したばかりの約3億8400万円を強奪された。その約5時間半後、福岡空港国際線ターミナルの保安検査場で、約3億7000万円を税関に無申告で香港に持ち出そうとした韓国人の男2人が見つかった。「天神の強盗事件に関与しているのでは?」。福岡県警の捜査員は色めき立った。しかし、空港では他にも韓国人の男2人が約3億6500万円を隠し持ち、出国しようとしていた。4人で計7億円超の大金。捜査現場の見立ては混乱した。その後の調べで、4人は金塊密輸グループのメンバーと判明。4月13日、運搬役の男と共謀して金塊6㎏を福岡空港に密輸入しようとした等として、昨日、関税法違反等で起訴された。捜査関係者によると、4人は昨年後半から週1回程度のペースで来日。日本での金塊の“受け入れ役”や、国外への現金の“持ち出し役”等をしていた。県警が4人の携帯電話を解析したところ、1日で約30人が計150㎏超の金塊を福岡空港に密輸したとみられる形跡もあったという。福岡では昨年7月、博多区で金塊取引業者の男性が約7億5800万円相当の金塊を盗まれた。先月31日には、佐賀県唐津市の漁港に10億円相当の金塊が密輸される等、金塊に絡む事件が続く。昨年、福岡空港から入国した外国人は163万人(※法務省調べ)。5年前の約4倍に上り、その9割超が韓国や中国等アジア各国からだった。同空港の国際線は20路線、週684便。韓国の大手航空会社の福岡-仁川間のエコノミークラス片道運賃は、成田便よりも最大3万円ほど安い。

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「(報酬は)6万円前後だった」。福岡空港に金塊3㎏を密輸しようとしたとして、関税法違反等に問われた大阪市職員の男は、先月の初公判で明かした。知人に仁川から福岡への密輸方法を教わった。昨秋から運搬役になり、4回目の今年3月、逮捕された。毎回14万円を渡され、航空券代等を引いた取り分が約6万円。捜査関係者は、「福岡なら旅費が安く、より旨みがある」とみる。2015年3月、日本人の男らが韓国の釜山から山口県下関市に金塊4㎏を密輸した事件では、“監視役”の韓国人の女が換金を見届け、入国から8時間後に博多港発の船で日本を離れていた。韓国メディアによると、「韓国から福岡に着いた運搬役の中には、受け取り役との待ち合わせ場所に新幹線も通る博多駅が指定された」との証言もある。アジアからの玄関口で、交通網も発達する福岡から、密輸品の金塊が国内に流れていく構図が浮かび上がる。“金・プラチナ高額買い取り中”――店頭に看板を掲げた貴金属店が並ぶ東京都台東区御徒町。昨夏、この内の1軒にスーツケースを引いた男性が数日置きに訪れた。中身はいつも約10㎏の金塊。1ヵ月の間に5回、計約50㎏を売りに来た。買い取り価格は計約2億3500万円。男性店主は「密輸品では?」と疑いながらも、買い取った。犯罪収益移転防止法は、200万円超で金塊を売買する場合等に、買い取り業者に対して売り主の身元確認を求め、売却目的等を答えない場合は国への通報を義務付けている。ただ、通報は2016年27件、2015年10件、2014年5件に留まる。「『怪しい』と感じても『密輸品では?』と聞けない。過去に取引もあり、信じるしかなかった」。男性店主は結局、通報しなかった。御徒町の別の業者は、「盗品や密輸品かどうかは調べようがないし、そうだとしても『知らなかった』と言えばいい」と大胆に語る。金塊は、密輸品も正規品も交じりながら、中間業者を経て大手業者に集まり、一緒に精錬されて真新しい金塊に生まれ変わる。「買い取り業者が疑った時点で流通を止める対策を進めなければ、取引の正常化は望めない」。捜査関係者は訴える。


※本文由李的博多居民提供。谢谢。
⦿読売新聞西部本社版 2017年6月15日付掲載⦿
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